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意地
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いじ
ふりがな文庫
“
意地
(
いじ
)” の例文
かねて燻製には
食
(
く
)
い
意地
(
いじ
)
のはったる博士は、
卓子
(
テーブル
)
の上に載っている残りのノクトミカ・レラティビアの肉を一片又一片と口の中に
投
(
ほう
)
り込む。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それを
人間
(
にんげん
)
どうしが、たがいに
意地
(
いじ
)
わるをして、
強
(
つよ
)
いものが、
弱
(
よわ
)
いものをいじめて、かってに
楽
(
らく
)
をしようとしたのだよ。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この人は、百姓総代として町人
気質
(
かたぎ
)
の旦那衆に対抗して来た
意地
(
いじ
)
ずくからも、伝馬所の元締役その他の人選については、ひどく頭を悩ましていた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし、こうなるとかれもまた、
意地
(
いじ
)
でも
見物
(
けんぶつ
)
をあッと
驚嘆
(
きょうたん
)
させてやらなければしゃくである。第一、この
水独楽
(
みずごま
)
がまわらないというわけはない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それからの
新吉
(
しんきち
)
はどうなったかはわかりませんが、世の中には
鍛冶屋
(
かじや
)
のおやじや
曲馬団
(
きょくばだん
)
の
団長
(
だんちょう
)
のようなわからずやの
意地
(
いじ
)
わるの人間がいるかわりに
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
▼ もっと見る
たとえ
何
(
な
)
んであろうと、
引
(
ひき
)
ずっても
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
かねばならぬという、
強
(
つよ
)
い
意地
(
いじ
)
が
手伝
(
てつだ
)
って、
荒々
(
あらあら
)
しく
肩
(
かた
)
に
手
(
て
)
をかけた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その顔を
一目
(
ひとめ
)
御覧になったらすぐおわかりになります。わたしは今まで
意地
(
いじ
)
からも定子はわたし
一人
(
ひとり
)
の子でわたし一人のものとするつもりでいました。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
と
言
(
い
)
うと、それを
下
(
した
)
へ
垂
(
た
)
らしました。
王子
(
おうじ
)
は
登
(
のぼ
)
って
来
(
き
)
たが、
上
(
うえ
)
には
可愛
(
かわい
)
いラプンツェルの
代
(
かわ
)
りに、
魔女
(
まじょ
)
が、
意地
(
いじ
)
のわるい、
恐
(
こわ
)
らしい
眼
(
め
)
で、
睨
(
にら
)
んで
居
(
い
)
ました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
けれども、少年がらんぼうで、
意地
(
いじ
)
が
悪
(
わる
)
く、生き物にたいしてはざんこくで、人びとにたいしてはよくないことばかりするので、それを何よりも心配していました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
去年は江戸でくらしたから今年は京でくらそうというような事で、
意地
(
いじ
)
公事
(
くじ
)
なしに愛を分っている。
俳句上の京と江戸
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
負け嫌いの
意地
(
いじ
)
ッ
張
(
ぱり
)
がこんな処に現われるので、心からの頭の低い如才ない人では決してなかった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
意地
(
いじ
)
わるき同僚が、君、どう、着色写真でも
撮
(
と
)
って、君のブライドに送らんかと戯れ候も一興に候。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
しかし一たん見まいと決心したからには
意地
(
いじ
)
が出て振り向くのが
愧
(
はず
)
かしく、また振り向くと向かないのとで僕の美術家たり
得
(
う
)
るや
否
(
いな
)
やの分かれ目のような気がして来た。
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
思っているに
相違
(
そうい
)
ない。二人の間であるものを、そんなに
意地
(
いじ
)
を張らないでもよいであろうに
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
やがて奥から、色の白い、眼の細い、
意地
(
いじ
)
の悪そうな
女中
(
じょちゅう
)
が、手に大きい
皿
(
さら
)
を持って出て来たが、その時もまだ二人は、どうしたものかと
思案
(
しあん
)
にくれて
土間
(
どま
)
につったっていた。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
おとうさんは
鉢
(
はち
)
かつぎを
追
(
お
)
い
出
(
だ
)
して
後
(
のち
)
、だんだん
運
(
うん
)
が
悪
(
わる
)
くなって、
貧乏
(
びんぼう
)
になりました。たくさんいた
家来
(
けらい
)
たちも、
奥方
(
おくがた
)
が
意地
(
いじ
)
の
悪
(
わる
)
いことをするので、
逃
(
に
)
げていってしまいました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
斯うして、荒れやすい土を耕し、
意地
(
いじ
)
の悪い冬枯と戦うにも只、昔からの伝習だの、自分の小さい経験などを頼む事ほかしない。此処いらの純農民は、随分と貧しい生活をして居る。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それにお
恥
(
はず
)
かしいことには、
持
(
も
)
って
生
(
うま
)
れた
負
(
ま
)
けずぎらいの
気性
(
きしょう
)
、
内実
(
ないじつ
)
は
弱
(
よわ
)
いくせに、
無理
(
むり
)
にも
意地
(
いじ
)
を
通
(
とう
)
そうとして
居
(
い
)
るのでございますから、つまりは
自分
(
じぶん
)
で
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
を
削
(
けず
)
るようなもの
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
関東に往きますと関西にあまり多くないものがある。関東には良いものがだいぶたくさんあります。関西よりも良いものがあると思います。関東人は
意地
(
いじ
)
ということをしきりに申します。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
みんなは
意地
(
いじ
)
っぱりになってなおやりつづけました。
天狗笑
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
空中
(
くうちゅう
)
の声はなおも
意地
(
いじ
)
わるく
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
いや、そんな
意地
(
いじ
)
よりも
名誉心
(
めいよしん
)
よりも、まんいち自分が
敗
(
やぶ
)
れでもした時には、いやでも
応
(
おう
)
でも、
咲耶子
(
さくやこ
)
の身を
徳川家
(
とくがわけ
)
の手にわたさなければならない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、
意地
(
いじ
)
ぎたない、これらのすずめたちは、また
時
(
とき
)
がたつと、
餌
(
え
)
のありそうなところへおりていきました。
温泉へ出かけたすずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
倉地の生きてる間に死んでなるものか……それは死よりも強い誘惑だった。
意地
(
いじ
)
にかけても、肉体のすべての機関がめちゃめちゃになっても、それでも生きていて見せる。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
わたくしは、わざと
意地
(
いじ
)
わるく二人の邪魔になるように歩いていった。若き男女は、わたくしの悪意を間もなく見破って、横にさけるであろうと、わたくしは予想していた。
第四次元の男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この老先生がかねて孟子を攻撃して四書の中でもこれだけは決してわが
家
(
や
)
に入れないと高言していることを僕は知っていたゆえ、
意地
(
いじ
)
わるくここへ論難の口火をつけたのである。
初恋
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
皆
(
みいな
)
自腹ア切ッて編んであげたのに、
何
(
なアん
)
の
沙汰
(
さた
)
なしであの不器量な
意地
(
いじ
)
わるの威張った浪子はんをお嫁にもらったり、ほんまにひどい人だわ、ひどいわひどいわひどいわひどいわ
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
もし見物人の中に、あの鍛冶屋の
意地
(
いじ
)
わるおやじがいたら、どんな顔をするだろう。そう思うと新吉はまた一人でおかしくなり、ますます元気づいて、それでますます芸が
面白
(
おもしろ
)
くなりました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
いままでの、
意地
(
いじ
)
や
興味
(
きょうみ
)
など
超越
(
ちょうえつ
)
して、ある
運命
(
うんめい
)
とものすごい
殺気
(
さっき
)
をはらみかけた
番外
(
ばんがい
)
五
番
(
ばん
)
試合
(
じあい
)
は、こうしてまさにその
火蓋
(
ひぶた
)
を切られようとしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飽くまで
意地
(
いじ
)
の強い目はしのきく性質を思うままに増長さして、ぐんぐんと世の中をわき目もふらず押し通して二十五になった今、こんな時にふと過去を振り返って見ると
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
赤ん坊は
女中部屋
(
じょちゅうべや
)
に運ばれたまま、祖母の
膝
(
ひざ
)
には一度も乗らなかった。
意地
(
いじ
)
の弱い葉子の父だけは孫のかわいさからそっと赤ん坊を葉子の
乳母
(
うば
)
の家に引き取るようにしてやった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
倉地の心さえつかめばあとは自分の
意地
(
いじ
)
一つだ。そうだ。念が届かなければ……念が届かなければ……届かなければあらゆるものに用がなくなるのだ。そうしたら美しく死のうねえ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
葉子はその時不思議ななつかしさをもって内田の
生涯
(
しょうがい
)
を思いやった。あの
偏頗
(
へんぱ
)
で
頑固
(
がんこ
)
で
意地
(
いじ
)
っぱりな内田の心の奥の奥に小さく潜んでいる澄みとおった魂が始めて見えるような心持ちがした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“意地”で始まる語句
意地悪
意地惡
意地張
意地汚
意地目
意地突
意地見
意地悪者