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引起
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ひきおこ
ふりがな文庫
“
引起
(
ひきおこ
)” の例文
この
不埓者
(
ふらちもの
)
めと
云
(
いっ
)
て、その肩の処をつらまえて
引起
(
ひきおこ
)
して、目の
醒
(
さ
)
めてるのを尚おグン/″\ゆたぶって
遣
(
やっ
)
たことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
『はい、はい、どんな
事
(
こと
)
でも/\。』と、
答
(
こた
)
へたが、
夫
(
それ
)
に
就
(
つ
)
けても
氣遣
(
きづか
)
はしきは
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
工事
(
こうじ
)
の、
吾等
(
われら
)
が
斯
(
かゝ
)
る
騷動
(
さわぎ
)
を
引起
(
ひきおこ
)
した
爲
(
ため
)
に、
痛
(
いた
)
く
妨
(
さまた
)
げられたのではあるまいかと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
座頭
(
ざとう
)
むくと
起直
(
おきなほ
)
つて、
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
て、
道端
(
みちばた
)
にあつて
往来
(
わうらい
)
の
障
(
さまたげ
)
なりと、二三十
人
(
にん
)
ばかりにても
動
(
うご
)
かしがたき
大石
(
だいせき
)
の
角
(
かど
)
に
手
(
て
)
をかけ、
曳
(
えい
)
やつといふて
引起
(
ひきおこ
)
し、
目
(
め
)
より
高
(
たか
)
くさし
上
(
あ
)
げ、
谷底
(
たにそこ
)
へ
投落
(
なげおと
)
す。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すると
間
(
ま
)
もなく
大久保
(
おほくぼ
)
が
自動車
(
じどうしや
)
で
乗
(
の
)
りつけてまゐつたんでございますの。いきなりづか/\と
上
(
あが
)
り
込
(
こ
)
みまして、
妹
(
いもうと
)
も
引起
(
ひきおこ
)
して、まあ
何
(
なん
)
とか
彼
(
か
)
とか
言
(
い
)
つて、また
連
(
つ
)
れ
出
(
だ
)
してしまひまして……。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
行者はいかりたる
色
(
いろ
)
もなく、なにともいはず
衣服
(
きるもの
)
を
脱
(
ぬぎ
)
てかたへの
水楊
(
かはやなぎ
)
にかけ、
赤裸
(
あかはだか
)
になりて水を
浴
(
あ
)
み
寒
(
かん
)
まゐりする方をふしをがみ、武士の手をとりて
引起
(
ひきおこ
)
しければなにのくもなくおきあがり
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
きっと円い竹の皮の
笠
(
かさ
)
を
冠
(
かむ
)
り
襟
(
えり
)
に番号をつけた
柿色
(
かきいろ
)
の
筒袖
(
つつそで
)
を着、二人ずつ鎖で腰を
繋
(
つな
)
がれた懲役人が、制服
佩剣
(
はいけん
)
の獄吏に指揮されつつ吹倒された板塀をば
引起
(
ひきおこ
)
し修繕しているのを見たものです。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
第六囘
(
だいろくくわい
)
に
至
(
いた
)
りて
始
(
はじ
)
めて、
殺人
(
さつじん
)
の
大罪
(
だいざい
)
なるか
否
(
いな
)
かの
疑問
(
ぎもん
)
を
飮食店
(
いんしよくてん
)
の
談柄
(
だんぺい
)
より
引起
(
ひきおこ
)
し、
遂
(
つい
)
に
一刹那
(
いつせつな
)
を
浮
(
うか
)
び
出
(
いだ
)
さしめて、この
大學生
(
だいがくせい
)
何
(
なん
)
の
仇
(
あだ
)
もなき
高利貸
(
こうりかし
)
を
虐殺
(
ぎやくさつ
)
するに
至
(
いた
)
る。
第
(
だい
)
七
囘
(
くわい
)
は
其
(
その
)
綿密
(
めんみつ
)
なる
記事
(
きじ
)
なり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
彼
(
かれ
)
が
天性
(
てんせい
)
の
柔
(
やさ
)
しいのと、
人
(
ひと
)
に
親切
(
しんせつ
)
なのと、
禮儀
(
れいぎ
)
の
有
(
あ
)
るのと、
品行
(
ひんかう
)
の
方正
(
はうせい
)
なのと、
着古
(
きぶる
)
したフロツクコート、
病人
(
びやうにん
)
らしい
樣子
(
やうす
)
、
家庭
(
かてい
)
の
不遇
(
ふぐう
)
、
是等
(
これら
)
は
皆
(
みな
)
總
(
すべ
)
て
人々
(
ひと/″\
)
に
温
(
あたゝか
)
き
同情
(
どうじやう
)
を
引起
(
ひきおこ
)
さしめたのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
も
引起
(
ひきおこ
)
して介抱すると、男には
未
(
ま
)
だ息が
通
(
かよ
)
っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
元結
(
もとゆい
)
は切れたから、髪のずるりと
解
(
と
)
けたのが、手の
甲
(
こう
)
に
絡
(
まつ
)
はると、宙に
釣
(
つる
)
されるやうになつて、お辻は
半身
(
はんしん
)
、胸もあらはに、
引起
(
ひきおこ
)
されたが、両手を畳に裏返して、
呼吸
(
いき
)
のあるものとは見えない。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
㒵色
(
かほいろ
)
はつねならねど病人とも見えず、いざとて手を
採
(
とり
)
て
引起
(
ひきおこ
)
さんとするに手をのばさず、
抱
(
かゝ
)
えおこさんとすれどもおきず、
猶
(
なほ
)
力
(
ちから
)
のかぎりおこさんとすれども
重
(
おも
)
き事大石の如くにて
身
(
み
)
を
動
(
うごかさ
)
ず
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼
(
かれ
)
が
天性
(
てんせい
)
の
柔
(
やさ
)
しいのと、
人
(
ひと
)
に
親切
(
しんせつ
)
なのと、
礼儀
(
れいぎ
)
のあるのと、
品行
(
ひんこう
)
の
方正
(
ほうせい
)
なのと、
着古
(
きぶる
)
したフロックコート、
病人
(
びょうにん
)
らしい
様子
(
ようす
)
、
家庭
(
かてい
)
の
不遇
(
ふぐう
)
、これらは
皆
(
みな
)
総
(
すべ
)
て
人々
(
ひとびと
)
に
温
(
あたたか
)
き
同情
(
どうじょう
)
を
引起
(
ひきおこ
)
さしめたのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出