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さんせん
ふりがな文庫
“
山川
(
さんせん
)” の例文
天地と云い
山川
(
さんせん
)
と云い
日月
(
じつげつ
)
と云い
星辰
(
せいしん
)
と云うも皆自己の
異名
(
いみょう
)
に過ぎぬ。自己を
措
(
お
)
いて他に研究すべき事項は
誰人
(
たれびと
)
にも
見出
(
みいだ
)
し得ぬ訳だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
立山の地獄谷はまた世に響いたもので、ここにその恐るべき
山川
(
さんせん
)
大叫喚の声を聞くのは、さすがに一個婦人の身に何でもない事ではない。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三方
(
みかた
)
ヶ
原
(
はら
)
をあとにしながら下に月光の
山川
(
さんせん
)
を見、あたりに
銀鱗
(
ぎんりん
)
の雲を見ながら、
鞍馬
(
くらま
)
の
竹童
(
ちくどう
)
は
鷲
(
わし
)
の上から
叫
(
さけ
)
ぶのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ケダシ
士君子
(
しくんし
)
万巻
(
ばんかん
)
ヲ読破スルモマタ
須
(
すべか
)
ラク廟堂ニ登リ
山川
(
さんせん
)
ヲ
看
(
み
)
交
(
まじわり
)
ヲ
海内
(
かいだい
)
名流ニ結ブベシ。然ル後
気局
(
ききょく
)
見解自然ニ
濶大
(
かつだい
)
ス、良友ノ
琢磨
(
たくま
)
ハ自然ニ
精進
(
せいしん
)
ス。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
孝陵の
山川
(
さんせん
)
は、其の
故
(
ふるき
)
に因りて改むる
勿
(
なか
)
れ、天下の臣民は、
哭臨
(
こくりん
)
する三日にして、皆服を
釈
(
と
)
き、
嫁娶
(
かしゅ
)
を妨ぐるなかれ。諸王は国中に
臨
(
なげ
)
きて、京師に至る
母
(
なか
)
れ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
しかれども何物か
傷
(
いた
)
める心を
治
(
じ
)
せんや、友人は転地と旅行とを勧む、しかれども
山川
(
さんせん
)
今は余の敵なり、哲理的の冷眼を以て死を学び思考を転ぜんとするも得ず
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
山川
(
さんせん
)
相繆
(
あひまと
)
ヒ、
鬱乎
(
うつこ
)
トシテ
蒼々
(
そうそう
)
タリ、此レ孟徳ガ周郎ニ
困
(
くるし
)
メラレシトコロニアラズヤ……
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これ
山川
(
さんせん
)
風土
(
ふうど
)
氣候等
(
きこうとう
)
、
地理的關係
(
ちりてきくわんけい
)
の
然
(
しか
)
らしむる
所
(
ところ
)
であつて、
凡
(
すべ
)
てのものは
小
(
こ
)
じんまりとして
居
(
を
)
り、
隨
(
したが
)
つて
化物
(
ばけもの
)
も
皆
(
みな
)
小規模
(
せうきも
)
である。
希臘
(
ぎりしや
)
の
神
(
かみ
)
は
皆
(
みな
)
人間
(
にんげん
)
で
僅
(
はづか
)
にお
化
(
ばけ
)
はあるが、
怖
(
こわ
)
くないお
化
(
ばけ
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
巌谷
(
いはや
)
の
紹介
(
せうかい
)
で入社したのが
江見水蔭
(
えみすゐいん
)
です、
此
(
この
)
人は
杉浦氏
(
すぎうらし
)
の
称好塾
(
せうこうじゆく
)
に
於
(
お
)
ける
巌谷
(
いはや
)
の
莫逆
(
ばくぎやく
)
で、
其
(
そ
)
の
素志
(
そし
)
と
云
(
い
)
ふのが、
万巻
(
ばんくわん
)
の書を読まずんば、
須
(
すべから
)
く
千里
(
せんり
)
の道を
行
(
ゆ
)
くべしと、
常
(
つね
)
に
好
(
この
)
んで
山川
(
さんせん
)
を
跋渉
(
ばつせふ
)
し
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もしこのまま手をつかねて
倭軍
(
わぐん
)
の
蹂躙
(
じゅうりん
)
に任せていたとすれば、美しい八道の
山川
(
さんせん
)
も見る見る一望の焼野の原と変化するほかはなかったであろう。けれども天は幸にもまだ朝鮮を見捨てなかった。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
山川
(
さんせん
)
草木うたたあ荒涼
親友交歓
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
假初
(
かりそめ
)
ならぬ三
世
(
ぜ
)
の
縁
(
えん
)
おなじ
乳房
(
ちぶさ
)
の
寄
(
よ
)
りし
身
(
み
)
なり
山川
(
さんせん
)
遠
(
とほ
)
く
隔
(
へだ
)
たりし
故郷
(
こきやう
)
に
在
(
あ
)
りし
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
さへ
東
(
ひがし
)
の
方
(
かた
)
に
足
(
あし
)
な
向
(
む
)
けそ
受
(
う
)
けし
御恩
(
ごおん
)
は
斯々此々
(
かく/\しか/″\
)
母
(
はゝ
)
の
世
(
よ
)
にては
送
(
おく
)
りもあえぬに
和女
(
そなた
)
わすれてなるまいぞと
寐
(
ね
)
もの
語
(
がたり
)
に
云
(
い
)
ひ
聞
(
き
)
かされ
幼
(
をさ
)
な
心
(
ごゝろ
)
の
最初
(
そも/\
)
より
胸
(
むね
)
に
刻
(
きざ
)
みしお
主
(
しゆう
)
の
事
(
こと
)
ましてや
續
(
つゞ
)
く
不仕合
(
ふしあはせ
)
に
寄
(
よ
)
る
方
(
かた
)
もなき
浮草
(
うきくさ
)
の
我
(
わ
)
れ
孤子
(
みなしご
)
の
流浪
(
るらう
)
の
身
(
み
)
の
力
(
ちから
)
と
頼
(
たの
)
むは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「師はありませぬ。幼少から父無二斎について十手術を、後には、諸国の先輩をみな師として訪ね、天下の
山川
(
さんせん
)
もみな師と存じて遍歴しておりまする」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
即
(
すなわち
)
都市
山川
(
さんせん
)
寺院の如き非情のものを捉へ来りてこれに人物を配するが如き
体
(
てい
)
を取れるものあるいは群集一団体の人間を主となしかへつて個人を次となせるが如きものあり。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
地形は昔に変らないんだよ、
山川
(
さんせん
)
開けて気象
頓
(
とみ
)
に雄大なるこの濃尾の天地は、信長や、秀吉のうまれた時と大して変らねえのに、人間というやつが腑抜けになって、英雄豪傑の種切れだ。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
魏の大軍はまさに
山川
(
さんせん
)
を埋めている観がある。しかし彼は遠く来た兵馬であり、この炎暑にも疲労して、やがてかえって、自らの数に苦しむときが来るだろう。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頭
(
こうべ
)
をあげて
山川
(
さんせん
)
を見
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ふたりの
振分
(
ふりわけ
)
まで自分の
肩
(
かた
)
に持ってやって、もくもくとあるき、もくもくとあたりの山をながめ、時には立ちどまって、地理
山川
(
さんせん
)
をふところ
紙
(
がみ
)
にうつしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とまれ古くから山伏類似のそんな不動行者もあって諸国の
山川
(
さんせん
)
を
跋渉
(
ばっしょう
)
していたにはちがいあるまい。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俄然
(
がぜん
)
、口をひらいて、それらの花器や茶入れの渡って来るところの
明
(
みん
)
という国がらについて、その風俗、気候、
山川
(
さんせん
)
、地域の広さなどを、見て来たように
得々
(
とくとく
)
と語り出した。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
君らは蜀の
山川
(
さんせん
)
がいかなる
嶮岨
(
けんそ
)
か知らないとみえる。いったい蜀を過小評価していることが、魏の患いというべきだ。帝にはよくご存じあるはずである。なんでさような軽挙を
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
耳をすまして、対岸から流れてくる石工や人夫の掛け声、
種々
(
さまざま
)
な物音をつつんだ音響、また築城の進みようなど注意しておればわかる。
山川
(
さんせん
)
みな兵となって働いているような活気だ。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山川
(
さんせん
)
峨々
(
がが
)
として樹林深く、道はひどくけわしかった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“山川”の意味
《名詞》
山と川。
山の中を流れる川。
(出典:Wiktionary)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
“山川”で始まる語句
山川草木
山川菊栄
山川村庄
山川浦路
山川険谷
山川廣
山川地理
山川捨松
山川村里
山川皆兵