口上こうじやう)” の例文
大入おほいり評判ひやうばんだ四はんだ五ばん傑作けつさくぢや大作たいさくぢや豊年ほうねんぢや万作まんさくぢやと口上こうじやう咽喉のどらし木戸銭きどせん半減はんまけにしてせる縁日えんにち見世物みせもの同様どうやう
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
「さうか。」東組与力瀬田済之助せいのすけ、同小泉淵次郎えんじらうの二人が連判れんぱんに加はつてゐると云ふことは、平山の口上こうじやうにもあつたのである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「お銀を殺しさうなのは先づ四人ある。一人は口上こうじやうの萬之助、二人目は木戸番の傳六、三人目は主人の百太夫、四人目はその女房のお徳だ」
道中だうちうつかひふるしの蟹目かにめのゆるんだ扇子あふぎでは峠下たふげした木戸きどしやがんで、秋田口あきたぐち観光客くわんくわうきやくを——らはい、と口上こうじやうひさうで、照覧せうらんあれはことをかしい。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はるやうやく一段落いちだんらくいた」とかたつてゐた。そこへきよ坂井さかゐからの口上こうじやういだので、御米およねをつとかほ微笑びせうした。宗助そうすけ茶碗ちやわんいて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
以て八山やつやまなる旅館へ申遣しけるおもぶきは此度天一坊樣御下向ごげかうついては重役の者一とう相伺あひうかゞひ申たきこそ有ば明日五ツどき伊豆守御役宅へ御出あらせられたしとの口上こうじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
青年作家の文章が丁度西洋人の日本語を口真似する手品使ひの口上こうじやうのやうに思はれ、又日本文を読み得る或外国人には矢張り現代の青年作家が日本文の間々あひだ/\に挿入する外国語の意味が
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「よして頂戴ちやうだい、そんな口上こうじやうは‥‥」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
さつき云ひ聞かせた口上こうじやうも忘れるなよ。
近松半二の死 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
づる大黒傘だいこくがさうへゆきつもるといふもなきばかりすみやかに立歸たちかへりて出入でいり車宿くるまやど名殘なごりなく出拂ではらひて挽子ひきこ一人ひとりをりませねばおどくさまながらと女房にようばう口上こうじやうそのまゝのかへごとらばなにとせんおたくにおあんじはあるまじきに明早朝みやうさうてう御歸館ごきくわんとなされよなど親切しんせつめられるれど左樣さうもならず
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
平次一行の姿を見ると、おびえたやうにコソコソと物蔭に隱れたのは、横幅の方が廣い怪奇な人間。これは萬之助と言つて、口上こうじやう言ひの一寸法師です。
使つかひ口上こうじやうちがひまして、ついれませぬこと下根げこんのものにわすれがちにござります、よく、拜見はいけんしておぼえますやうに。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひそめ町奉行大岡越前守より使者の來る筈は無しと不審ふしんに思へば伊賀亮が居間に到り只今町奉行大岡越前守公用人平石次右衞門と申すものきたり某しに面會し主人越前が口上こうじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御新姐樣ごしんぞさまうへ御無理ごむりは、たすけると思召おぼしめしまして、のおうた一寸ちよいとしたゝくださいまし、お使つかひ口上こうじやうちがひまして、ついれませぬこと下根げこんのものにわすれがちにござります
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
口上こうじやうの筋はなか/\まとまつたもので、かん成帝せいていに寵愛を受けた美女飛燕のことなどを例に引いて、さて、燕女の身輕さの非凡なことを一とくさり、最後にその藝當の番組の數々を紹介して
遣ひなくしたりといつはり又々五百兩程在所ざいしよへ取りに遣はしたれば此金は見せ難しとの口上こうじやうゆゑ松葉屋桐屋は金を遣はせるが商賣しやうばひに付き然樣さやうに候はゞ御預り申さんと云ふを客はねんため御兩所より一札を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
方々かた/″\様子やうすみなほゞわかつた、いづれも、それ/″\お役者やくしやである。が、白足袋しろたびだつたり、浴衣ゆたかでしよたれたり、かひくちよこつちよだつたり、口上こうじやう述損のべそこなつたり……一たいそれはなにものだい。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)