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単調
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たんちょう
ふりがな文庫
“
単調
(
たんちょう
)” の例文
旧字:
單調
青
(
あお
)
い
草
(
くさ
)
もない、
単調
(
たんちょう
)
な
砂漠
(
さばく
)
の
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いてゆくときでも、
二人
(
ふたり
)
の
話
(
はなし
)
はよく
合
(
あ
)
って、べつに
退屈
(
たいくつ
)
を
感
(
かん
)
ずるということがなかったのです。
トム吉と宝石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、
彼
(
かれ
)
は
年月
(
としつき
)
の
経
(
た
)
つと
共
(
とも
)
に、この
事業
(
じぎょう
)
の
単調
(
たんちょう
)
なのと、
明瞭
(
あきらか
)
に
益
(
えき
)
の
無
(
な
)
いのとを
認
(
みと
)
めるに
従
(
したが
)
って、
段々
(
だんだん
)
と
厭
(
あ
)
きて
来
(
き
)
た。
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
うたのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「南無阿弥陀ァ仏——南無阿弥陀ァ仏」
単調
(
たんちょう
)
な村の
哀
(
かなしみ
)
の
譜
(
ふ
)
は、村の静寂の中に油の様に流れて、眠れよ休めよと云う様に棺を墓地へと導く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何
(
なに
)
を考えるともなくぼんやり
夢想
(
むそう
)
している時でも——彼はいつも、
口
(
くち
)
を
閉
(
と
)
じ、
頬
(
ほほ
)
をふくらし、
唇
(
くちびる
)
をふるわして、つぶやくような
単調
(
たんちょう
)
な
音
(
おと
)
をもらしていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
だが少年の心は
単調
(
たんちょう
)
を喜ばぬ、かれらはそろそろゴルドンがいやになってきた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
大洋の中にいると同様に、わたしたちの日は遠い
秋霧
(
あきぎり
)
の中に消えている地平線まで
届
(
とど
)
いていた。ひたすら
広漠
(
こうばく
)
と
単調
(
たんちょう
)
が広がっている
灰色
(
はいいろ
)
の野のほかに、なにも目をさえぎるものがなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
それから
訊
(
たず
)
ねらるるままに、
私
(
わたくし
)
は
母
(
はは
)
に
向
(
むか
)
って、
帰幽後
(
きゆうご
)
こちらの
世界
(
せかい
)
で
見聞
(
けんぶん
)
したくさぐさの
物語
(
ものがたり
)
を
致
(
いた
)
しましたが、いつも一
室
(
しつ
)
に
閉
(
と
)
じこもって、
単調
(
たんちょう
)
なその
日
(
ひ
)
その
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
って
居
(
お
)
る
母
(
はは
)
にとりては
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
自分
(
じぶん
)
は、
明
(
あ
)
けても、
暮
(
く
)
れても、この
単調
(
たんちょう
)
な
景色
(
けしき
)
を
見
(
み
)
るのに
飽
(
あ
)
きてしまった。やがて、
広
(
ひろ
)
い
野原
(
のはら
)
は、
雪
(
ゆき
)
におおわれることであろう。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ゆるやかな
単純
(
たんじゅん
)
な
幼稚
(
ようち
)
な歌で、重々しい
寂
(
さび
)
しげな、そして少し
単調
(
たんちょう
)
な足どりで、決して
急
(
いそ
)
がずに進んでゆく——時々長い間やすんで——それからまた
行方
(
ゆくえ
)
もかまわず進み
出
(
だ
)
し
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
或時
(
あるとき
)
徒然
(
つれづれ
)
なるに
任
(
まか
)
せて、
書物
(
しょもつ
)
の
明細
(
めいさい
)
な
目録
(
もくろく
)
を
編成
(
へんせい
)
し、
書物
(
しょもつ
)
の
背
(
せ
)
には
札
(
ふだ
)
を一々
貼付
(
はりつ
)
けたが、こんな
機械的
(
きかいてき
)
な
単調
(
たんちょう
)
な
仕事
(
しごと
)
が、
却
(
かえ
)
って
何故
(
なにゆえ
)
か
奇妙
(
きみょう
)
に
彼
(
かれ
)
の
思想
(
しそう
)
を
弄
(
ろう
)
して、
興味
(
きょうみ
)
をさえ
添
(
そ
)
えしめていた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
らくだや、
羊
(
ひつじ
)
に、
荷
(
に
)
をつけて、
彼
(
かれ
)
らは、
砂漠
(
さばく
)
の
中
(
なか
)
をあるいていきました。
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
同
(
おな
)
じような
単調
(
たんちょう
)
な
景色
(
けしき
)
がつづきました。そして、むし
熱
(
あつ
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いていました。
砂漠の町とサフラン酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この六
号室程
(
ごうしつほど
)
単調
(
たんちょう
)
な
生活
(
せいかつ
)
は、どこを
尋
(
たず
)
ねても
無
(
な
)
いであろう。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いつしか、あたりは、
暗
(
くら
)
くなっていった。そして、
谷川
(
たにがわ
)
の
水
(
みず
)
が、あいかわらず、
単調
(
たんちょう
)
な
歌
(
うた
)
をうたっているのが、あたりが、しんとすると、いっそうはっきりと
聞
(
き
)
こえてきました。
美しく生まれたばかりに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なんという
単調
(
たんちょう
)
で、
変化
(
へんか
)
のない
光景
(
こうけい
)
であったでしょう。よくも、
電燈
(
でんとう
)
が、こうして、
同
(
おな
)
じ
光景
(
こうけい
)
を
照
(
て
)
らし、また
見
(
み
)
つめているものだと
考
(
かんが
)
えられました。しかし、
老工夫
(
ろうこうふ
)
は、
休息
(
きゅうそく
)
を
欲
(
ほっ
)
していた。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
が
風
(
かぜ
)
に
光
(
ひか
)
っていたり、とんぼが
飛
(
と
)
んでいるのを
見
(
み
)
るよりほかに、
変化
(
へんか
)
のない
景色
(
けしき
)
は
物憂
(
ものう
)
く、
単調
(
たんちょう
)
でありましたから、たまたまあめ
売
(
う
)
りの
笛
(
ふえ
)
の
音
(
ね
)
を
聞
(
き
)
くと、
楽
(
たの
)
しいものでも
見
(
み
)
つかったように
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まったく、まりは、いまは
雲
(
くも
)
の
上
(
うえ
)
にいて
安全
(
あんぜん
)
でありましたけれど、
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
仕事
(
しごと
)
もなく、
運動
(
うんどう
)
もせず、
単調
(
たんちょう
)
に
倦
(
あ
)
いていました。そして、だんだん
地
(
ち
)
の
上
(
うえ
)
が
恋
(
こい
)
しくなりはじめたのでありました。
あるまりの一生
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
北
(
きた
)
の
国
(
くに
)
の
王
(
おう
)
さまは、なにか
目
(
め
)
をたのしませ、
心
(
こころ
)
を
喜
(
よろこ
)
ばせるような、おもしろいことはないものかと
思
(
おも
)
っていられました。
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
同
(
おな
)
じような、
単調
(
たんちょう
)
な
景色
(
けしき
)
を
見
(
み
)
ることに
怠屈
(
たいくつ
)
されたのであります。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
単
常用漢字
小4
部首:⼗
9画
調
常用漢字
小3
部首:⾔
15画
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