“秋霧”の読み方と例文
読み方割合
あきぎり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春雨はるさめの明けの朝、秋霧あきぎりの夕、此杉の森のこずえがミレージの様にもやから浮いて出たり、棚引く煙をしゃの帯の如くまとうて見たり、しぶく小雨に見る/\淡墨うすずみの画になったり、梅雨にはふくろうの宿
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
大洋の中にいると同様に、わたしたちの日は遠い秋霧あきぎりの中に消えている地平線までとどいていた。ひたすら広漠こうばく単調たんちょうが広がっている灰色はいいろの野のほかに、なにも目をさえぎるものがなかった。
秋霧あきぎりをかされ給うて——
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)