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一輪
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いちりん
ふりがな文庫
“
一輪
(
いちりん
)” の例文
美女
(
たをやめ
)
は、やゝ
俯向
(
うつむ
)
いて、
其
(
そ
)
の
駒
(
こま
)
を
熟
(
じつ
)
と
視
(
なが
)
める
風情
(
ふぜい
)
の、
黒髪
(
くろかみ
)
に
唯
(
たゞ
)
一輪
(
いちりん
)
、……
白
(
しろ
)
い
鼓草
(
たんぽゝ
)
をさして
居
(
ゐ
)
た。
此
(
こ
)
の
色
(
いろ
)
の
花
(
はな
)
は、
一谷
(
ひとたに
)
に
他
(
ほか
)
には
無
(
な
)
かつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もっとも相手の夫婦づれは、格別迷惑らしい
容子
(
ようす
)
もなく、
一輪
(
いちりん
)
挿
(
ざ
)
しの桜を隔てながら、大阪弁で
頻
(
しきり
)
に
饒舌
(
しゃべ
)
っていた。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
俄
(
にわ
)
かに気を
交
(
かわ
)
して、娘の方に振向いて、「さあ。どうだろう。少し休んで、あの梅の枝を
手折
(
たお
)
って来てね、ちょっと工夫して、
一輪
(
いちりん
)
ざしに
活
(
い
)
けて見せてくれないか。」
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
枕元
(
まくらもと
)
を見ると、八重の
椿
(
つばき
)
が
一輪
(
いちりん
)
畳
(
たゝみ
)
の上に落ちてゐる。
代助
(
だいすけ
)
は
昨夕
(
ゆふべ
)
床
(
とこ
)
の
中
(
なか
)
で慥かに此花の落ちる
音
(
おと
)
を聞いた。彼の耳には、それが
護謨毬
(
ごむまり
)
を天井裏から投げ付けた程に響いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
東京はこのとおり焼けてしまって、どこをみまわしても
一輪
(
いちりん
)
の花さえみあたらない。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
さても
好
(
この
)
みの
斯
(
か
)
くまでに
上手
(
じやうず
)
なるか、
但
(
たゞ
)
しは
此人
(
このひと
)
の
身
(
み
)
に
添
(
そ
)
ひし
果報
(
くわはう
)
か、
銀
(
しろかね
)
の
平打
(
ひらうち
)
一つに
鴇色
(
ときいろ
)
ぶさの
根掛
(
ねがけ
)
むすびしを、
優
(
いう
)
にうつくしく
似合
(
にあ
)
ひ
給
(
たま
)
へりと
見
(
み
)
れば、
束髮
(
そくはつ
)
さしの
花
(
はな
)
一輪
(
いちりん
)
も
中々
(
なか/\
)
に
愛
(
あい
)
らしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一輪
(
いちりん
)
花の咲けかしと
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
一枝
(
ひとえだ
)
の
桂
(
かつら
)
を
折
(
を
)
れ、
一輪
(
いちりん
)
の
花
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
め。
奚
(
なん
)
ぞみだりに
妻
(
つま
)
に
仇
(
あだ
)
して、
我
(
われ
)
をして
避
(
さ
)
くるに
処
(
ところ
)
なく、
辞
(
じ
)
するに
其
(
そ
)
の
術
(
すべ
)
なからしむる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一輪
(
いちりん
)
ざし
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
既
(
すで
)
に目も
眩
(
くら
)
んで倒れそうになると、
禍
(
わざわい
)
はこの辺が絶頂であったと見えて、
隧道
(
トンネル
)
を抜けたように、
遥
(
はるか
)
に
一輪
(
いちりん
)
のかすれた月を拝んだのは、蛭の林の出口なので。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雲
(
くも
)
は
白
(
しろ
)
く
山
(
やま
)
は
蒼
(
あを
)
く、
風
(
かぜ
)
のやうに、
水
(
みづ
)
のやうに、
颯
(
さつ
)
と
青
(
あを
)
く、
颯
(
さつ
)
と
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えるばかりで、
黒髪
(
くろかみ
)
濃
(
こ
)
い
緑
(
みどり
)
、
山椿
(
やまつばき
)
の
一輪
(
いちりん
)
紅色
(
べにいろ
)
をした
褄
(
つま
)
に
擬
(
まが
)
ふやうな
色
(
いろ
)
さへ、
手
(
て
)
がゝりは
全然
(
まるで
)
ない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
木
(
き
)
も
草
(
くさ
)
も、あはれ、
廢屋
(
はいをく
)
の
跡
(
あと
)
の
一輪
(
いちりん
)
の
紫
(
むらさき
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
もあらば、それがどんなに、と
思
(
おも
)
ふ。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
婦
(
をんな
)
が
言
(
い
)
つた、
土蜘蛛
(
つちぐも
)
の
如
(
ごと
)
く、
横這
(
よこば
)
ひに、
踞
(
しやが
)
んだなりで、
坂
(
さか
)
をずる/\と
摺
(
ず
)
つては、
摺
(
ず
)
つては
來
(
き
)
て、
所々
(
ところ/″\
)
、
一本
(
ひともと
)
、
一輪
(
いちりん
)
、
途中
(
とちう
)
へ
棄
(
す
)
てた、いろ/\の
花
(
はな
)
を
取
(
と
)
つては
嗅
(
か
)
ぎ、
嘗
(
な
)
めるやうに
嗅
(
か
)
いでは
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
これ
)
は……しかし、
菖蒲
(
あやめ
)
、
杜若
(
かきつばた
)
は——
翌日
(
よくじつ
)
、
湯
(
ゆ
)
の
山
(
やま
)
の
水
(
みづ
)
を
處々
(
ところ/″\
)
見
(
み
)
た、
其處
(
そこ
)
にも、まだ
一輪
(
いちりん
)
も
咲
(
さ
)
かなかつた。
蕾
(
つぼ
)
んだのさへない。——
盛
(
さかり
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
一月
(
ひとつき
)
おくれる。……
六月
(
ろくぐわつ
)
の
中旬
(
ちうじゆん
)
だらうと
言
(
い
)
ふのである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こゝには、
銀
(
ぎん
)
の
月
(
つき
)
一輪
(
いちりん
)
。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一輪”の意味
《名詞》
一輪(いちりん)
咲いた一つの花。
一つの車輪。
満月。
(出典:Wiktionary)
“一輪”の解説
『一輪』(いちりん)は、相田翔子が2011年12月7日にアップフロントワークスから公式発表され、同日iTunes Store、およびレコチョク、アップフロント着信。フルにおいて配信されたデジタル・ダウンロードシングルである。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
輪
常用漢字
小4
部首:⾞
15画
“一輪”で始まる語句
一輪挿
一輪花瓶
一輪揷
一輪瓶