“いちりん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一輪81.3%
一厘18.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
にわかに気をかわして、娘の方に振向いて、「さあ。どうだろう。少し休んで、あの梅の枝を手折たおって来てね、ちょっと工夫して、一輪いちりんざしにけて見せてくれないか。」
枕元まくらもとを見ると、八重の椿つばき一輪いちりんたゝみの上に落ちてゐる。代助だいすけ昨夕ゆふべとこなかで慥かに此花の落ちるおとを聞いた。彼の耳には、それが護謨毬ごむまりを天井裏から投げ付けた程に響いた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
合点がてんならねば、是是これこれ御亭主、勘違い致さるゝな、お辰様をいとしいとこそ思いたれ女房に為様しようなぞとは一厘いちりんも思わず、忍びかねて難義をたすけたるばかりの事、旅の者に女房授けられてははなはだ迷惑。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)