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鼻柱
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はなばしら
ふりがな文庫
“
鼻柱
(
はなばしら
)” の例文
そこで
衆人
(
みんな
)
の
心持
(
こゝろもち
)
は、せめて
畫
(
ゑ
)
でなりと
志村
(
しむら
)
を
第
(
だい
)
一として、
岡本
(
をかもと
)
の
鼻柱
(
はなばしら
)
を
挫
(
くだ
)
いてやれといふ
積
(
つもり
)
であつた。
自分
(
じぶん
)
はよく
此
(
この
)
消息
(
せうそく
)
を
解
(
かい
)
して
居
(
ゐ
)
た。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
並
(
なら
)
んだ二
台
(
だい
)
に、
頭
(
あたま
)
からざつと
浴
(
あび
)
せて、
軒
(
のき
)
の
雨
(
あめ
)
の
篠
(
しの
)
つくのが、
鬣
(
たてがみ
)
を
敲
(
たゝ
)
いて、
轡頭
(
くつわづら
)
を
高
(
たか
)
く
挙
(
あ
)
げた、二
頭
(
とう
)
の
馬
(
うま
)
の
鼻柱
(
はなばしら
)
に
灌
(
そゝ
)
ぐ
風情
(
ふぜい
)
だつたのも、
谷
(
たに
)
が
深
(
ふか
)
い。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
代助は斯んな話を聞く
度
(
たび
)
に、
勇
(
いさ
)
ましいと云ふ気持よりも、まづ怖い方が先に
立
(
た
)
つ。度胸を買つてやる前に、
腥
(
なま
)
ぐさい
臭
(
にほひ
)
が
鼻柱
(
はなばしら
)
を抜ける様に
応
(
こた
)
へる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はっきりした日差しに
苔
(
こけ
)
の上に木の影が
踊
(
おど
)
って私の手でもチラッと見える
鼻柱
(
はなばしら
)
でも我ながらじいっと見つめるほどうす赤い、
奇麗
(
きれい
)
な色に輝いて居る。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
火事場の稼ぎにもゴムの
鎧
(
よろい
)
に身を固むることを忘れざれば
天狗
(
てんぐ
)
の
鼻柱
(
はなばしら
)
遂に落るの憂なく、老眼今なほ燈下に
毛蝨
(
けじらみ
)
を
捫
(
ひね
)
つて当世の事を談ずるの気概あり。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
ギュッと
喉笛
(
のどぶえ
)
をしめつけられ、さらにうらみかさなる
拳
(
こぶし
)
の雨が、ところきらわずに
乱打
(
らんだ
)
してきそうなので、いまは強がりンぼの
鼻柱
(
はなばしら
)
がくじけたらしく
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「泣いてるわよ。大粒の涙が、そら、
鼻柱
(
はなばしら
)
をつたって、鼻の先から落ちたじゃアないの。そら、また。」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
その時清盛がまたけったので父は
鼻柱
(
はなばしら
)
が
砕
(
くだ
)
けて黒血がたれた。その時清盛は二人の武士に命じて左右から父の手を捕えて地べたにねじ伏せさせ、「彼にわめかせろ」と言ったそうです。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
足下
(
きみ
)
は
昨夜
(
ゆうべ
)
はマブ
媛
(
ひめ
)
(夢妖精)とお
臥
(
ね
)
やったな!
彼奴
(
あいつ
)
は
妄想
(
もうざう
)
を
産
(
う
)
まする
産婆
(
さんば
)
ぢゃ、
町年寄
(
まちどしより
)
の
指輪
(
ゆびわ
)
に
光
(
ひか
)
る
瑪瑙玉
(
めなうだま
)
よりも
小
(
ちひ
)
さい
姿
(
すがた
)
で、
芥子粒
(
けしつぶ
)
の一
群
(
ぐん
)
に
車
(
くるま
)
を
牽
(
ひか
)
せて、
眠
(
ねぶ
)
ってゐる
人間
(
にんげん
)
の
鼻柱
(
はなばしら
)
を
横切
(
よこぎ
)
りをる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
虎
(
とら
)
が
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
して
谷
(
たに
)
の
水
(
みづ
)
を
呑
(
の
)
んでゐる
鼻柱
(
はなばしら
)
が
少
(
すこ
)
し
汚
(
けが
)
されたのを、
父
(
ちゝ
)
は
苛
(
ひど
)
く
氣
(
き
)
にして、
宗助
(
そうすけ
)
を
見
(
み
)
る
度
(
たび
)
に、
御前
(
おまへ
)
此所
(
こゝ
)
へ
墨
(
すみ
)
を
塗
(
ぬ
)
つた
事
(
こと
)
を
覺
(
おぼ
)
えてゐるか、
是
(
これ
)
は
御前
(
おまへ
)
の
小
(
ちひ
)
さい
時分
(
じぶん
)
の
惡戲
(
いたづら
)
だぞと
云
(
い
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小利口
(
こりこう
)
にきび/\と
立𢌞
(
たちまは
)
る、
朝
(
あさ
)
は
六
(
む
)
つ
前
(
まへ
)
から
起
(
お
)
きて、
氣輕
(
きがる
)
身輕
(
みがる
)
は
足輕
(
あしがる
)
相應
(
さうおう
)
、くる/\とよく
働
(
はたら
)
く
上
(
うへ
)
、
早
(
はや
)
く
江戸
(
えど
)
の
水
(
みづ
)
に
染
(
し
)
みて
早速
(
さつそく
)
に
情婦
(
いろ
)
を
一
(
ひと
)
つと
云
(
い
)
ふ
了簡
(
れうけん
)
から、
些
(
ち
)
と
高
(
たか
)
い
鼻柱
(
はなばしら
)
から
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
まで
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
些
(
ちつ
)
と
高
(
たか
)
い
鼻柱
(
はなばしら
)
から
手足
(
てあし
)
の
先
(
さき
)
まで
磨
(
みが
)
くこと
洗
(
あら
)
ふこと、
一日
(
いちにち
)
十度
(
とたび
)
に
及
(
およ
)
ぶ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“鼻柱”の意味
《名詞》
鼻の中のあなを左右に分ける部分。鼻中隔。
鼻筋を隆起させている軟骨。鼻梁。
うわべだけの元気。負けん気。鼻っ柱。はなっぱし。
(出典:Wiktionary)
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
柱
常用漢字
小3
部首:⽊
9画
“鼻”で始まる語句
鼻
鼻緒
鼻汁
鼻頭
鼻唄
鼻面
鼻梁
鼻息
鼻孔
鼻腔