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鵲
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かささぎ
ふりがな文庫
“
鵲
(
かささぎ
)” の例文
肥後守は侘助椿のほかにも、肩の羽の真つ白な
鵲
(
かささぎ
)
や、虎の毛皮や、いろんな珍しい物をあちらから持ち帰つたやうに
噂
(
うはさ
)
せられてゐる。
侘助椿
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
白楊
(
ポプラ
)
は、梢に、狼の頭のように突っ立った
鵲
(
かささぎ
)
の古巣をつけ、空にかかっている雲、
蜘蛛
(
くも
)
の巣よりも細い雲を、掃いているかのよう。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
燈に
丁字頭
(
ちょうじがしら
)
が立つと銭を儲けるとて拝し、
鵲
(
かささぎ
)
が
噪
(
さわ
)
げば行人至るとて餌をやり、蜘蛛が集まれば百事
嘉
(
よろこ
)
ぶとてこれを放つ、
瑞
(
ずい
)
は宝なり、信なり。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
次第に山に近く、右は切っ立ての岩壁に、直下のアルヴ Arve の渓も深く、タンネの林に
鵲
(
かささぎ
)
の飛ぶのも山らしい。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
白砂だから濡れても白い。……
鵲
(
かささぎ
)
の橋とも、
白瑪瑙
(
しろめのう
)
の欄干とも、風の
凄
(
すさま
)
じく、真水と潮の戦う中に、夢見たような、——これは
可恐
(
おそろし
)
い誘惑でした。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
鳩は、
鵲
(
かささぎ
)
の巣を借りて、いつのまにか鵲を追って巣を自分の物にしてしまう。
亡父
(
ちち
)
の遺志を思い出して、袁兄弟も、後には鳩に化けないこともない。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
愉快な
鵲
(
かささぎ
)
のようにしゃべりながら、父の手に自分の手を重ねたり、父の腕にさわったりして、話してることをよく聞かせようとした。ジャンナン氏は黙っていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ヂューヂャは土地を貸したり、街道の小料理屋を経営したり、タールや蜂蜜から、家畜、
鵲
(
かささぎ
)
まで商って、もう千八百ほど蓄め込んだ。それは町の銀行に預けてある。
女房ども
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
趣向嘘なれば趣も絲瓜も有之不申、蓋しそれはつまらぬ嘘なるからにつまらぬにて、上手な嘘は面白く候。例へば「
鵲
(
かささぎ
)
のわたせる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける」
歌よみに与ふる書
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
烏や
鵲
(
かささぎ
)
が下りて来ると、彼等は身を
僂
(
ちぢ
)
めて
後脚
(
あとあし
)
で地上に強く弾みを掛け、ポンと一つ跳ね上る有様は、さながら一団の雪が舞い上ったようで、烏や鵲はびっくりして逃げ出す。
兎と猫
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
支那の『
墨子
(
ぼくし
)
』という本にも、公輸という発明家が、竹で作った
鵲
(
かささぎ
)
を墨子に示して、この
玩具
(
おもちゃ
)
は空へ放つと三日も飛びまわります、と自慢したところが、墨子は、にがい顔をして
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これは七宝に
山鵲
(
さんじゃく
)
の飛んでいる図であった(山鵲という鳥はちょっと
鵲
(
かささぎ
)
に似て、羽毛に文系があり、白冠で、赤い
嘴
(
くちばし
)
、尾が白くて長い。渡り鳥の一種で、姿の上品な趣のある鳥です)
幕末維新懐古談:52 皇居御造営の事、鏡縁、欄間を彫ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
乾いた手拭で身体をふきながら、彼は、すぐ眼の前の、梨の木の枝に、
鵲
(
かささぎ
)
が一羽止って、こちらを見ているのに気がついた。嘴の黒い、胸の白い、両翼の紫色をした朝鮮
鴉
(
がらす
)
であった。
プウルの傍で
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「
今朝
(
けさ
)
、
鵲
(
かささぎ
)
が鳴いたと思いましたら、お父さまのお出ましがありました」
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その菜園には処々に林檎その他の果樹が植えてあって、それには
鵲
(
かささぎ
)
や雀を防ぐための網がかぶせてあるが、殊に雀は、雲でも垂れさがって来るような大群をなして、あちらこちらへ渡り移っていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
冬楡
(
ふゆにれ
)
のしみみか
黝
(
ぐろ
)
きほづえには
鵲
(
かささぎ
)
らしき巣もあらはなり
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しら樺の
折木
(
をれき
)
を秋の雨うてば山どよみして
鵲
(
かささぎ
)
鳴くも
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
さうして
鵲
(
かささぎ
)
のやうな黒と白との帽子の下から
ジャム、君の家は
(旧字旧仮名)
/
シャルル・ゲラン
(著)
鵲
(
かささぎ
)
も
稀
(
まれ
)
に飛ぶのみ大夏野
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
肥後守は佗助椿のほかにも、肩の羽の真白な
鵲
(
かささぎ
)
や、虎の毛皮や、いろんな珍らしい物をあちらから持帰つたやうに噂せられてゐる。
独楽園
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そう言えば、
鵲
(
かささぎ
)
は、
弾機
(
ばね
)
仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は生垣のなかに隠れ、
初々
(
ういうい
)
しい
仔馬
(
こうま
)
は
槲
(
かしわ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に身を寄せる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
いかにも日本古来虎豹なく、羊は後世入ったが、今に多く殖えず、
鵲
(
かささぎ
)
は両肥両筑に多いと聞けど昔もそうだったか知らぬ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
偶
(
ふ
)
と思出したことがあって、三造は並木の
梢
(
こずえ
)
——松の裏を高く仰いで見た。
鵲
(
かささぎ
)
の尾の、しだり尾の
靡
(
なび
)
きはせずや。……
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして時々、彼は例の
四川弓
(
しせんきゅう
)
を持って、
鵲
(
かささぎ
)
や
雉子
(
きじ
)
を
射
(
い
)
に出かけた。また谷へおりては、川魚や
川苔
(
かわのり
)
を採って帰った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
趣向嘘なれば趣も
糸瓜
(
へちま
)
も
有之不申
(
これありもうさず
)
、けだしそれはつまらぬ嘘なるからにつまらぬにて、上手な嘘は面白く候。例へば「
鵲
(
かささぎ
)
のわたせる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ
更
(
ふ
)
けにける」
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
翼の折れた一羽の
鵲
(
かささぎ
)
が、ぴょこぴょこ人道を飛び歩いて、門番小屋のほうから彼のところへやって来た。そして店の入り口の階段のいちばん上に立ち止まって、古靴屋をながめた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
茶膳房雪ちらつけば
鵲
(
かささぎ
)
の声うちみだり松に
来
(
く
)
るかに
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鳥の中でも、
鵲
(
かささぎ
)
とか、かけすとか、
鶇
(
つぐみ
)
とか、まちょうとか、腕に覚えのある猟師なら相手にしない鳥がある。わたしは腕に覚えがある。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
髪は
鵲
(
かささぎ
)
の尾のごときものの
刎
(
は
)
ね出でたる
都髷
(
みやこまげ
)
というに結びて、歯を染めしが、ものいう時、
上下
(
うえした
)
の歯ぐき白く見ゆる。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
湯殿口のわきに、
筧
(
かけひ
)
の水がとうとうと溢れている。
鵲
(
かささぎ
)
のように行儀わるく辺りへ水を跳ね散らしながら、そこでごしごしと顔を洗っている者が官兵衛であった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
趣向嘘なれば趣も
糸瓜
(
へちま
)
も
有之不申
(
これありもうさず
)
、けだしそれはつまらぬ嘘なるからにつまらぬにて、上手な嘘は面白く候。例えば「
鵲
(
かささぎ
)
のわたせる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける」
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
鼻は太く、歯並みや
賤
(
いや
)
しく、
清楚
(
せいそ
)
なところが少なく、ただ眼だけは生き生きとしてかなり
敏捷
(
びんしょう
)
で、また
仇気
(
あどけ
)
ない微笑をもっていた。彼女は
鵲
(
かささぎ
)
のようによくしゃべった。彼も快活に答えをした。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
鵲
(
かささぎ
)
の声行き向ふ北の
晴
(
はれ
)
北陵
(
ほくりよう
)
の空に雲ぞ明れる
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ルピック夫人は、これはまた、食事の時以外は
鵲
(
かささぎ
)
よりもおしゃべりなのだが、食卓につくと、
手真似
(
てまね
)
と顔つきでものをいいつけるのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
門外
(
おもて
)
の道は、
弓形
(
ゆみなり
)
に
一条
(
ひとすじ
)
、ほのぼのと白く、
比企
(
ひき
)
ヶ
谷
(
やつ
)
の
山
(
やま
)
から
由井
(
ゆい
)
ヶ
浜
(
はま
)
の
磯際
(
いそぎわ
)
まで、
斜
(
ななめ
)
に
鵲
(
かささぎ
)
の橋を渡したよう
也
(
なり
)
。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鳥の中でも、
鵲
(
かささぎ
)
とか、
樫鳥
(
かけす
)
とか、くろ
鶫
(
つぐみ
)
とか、鶫とか、腕に覚えのある猟師なら相手にしない鳥がある。私は腕に覚えがある。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
(栗の林へ
鵲
(
かささぎ
)
の橋が
懸
(
かか
)
りました。お月様はあれを渡って出なさいます。いまに峰を離れますとね、谷の雲が
晃々
(
きらきら
)
と、銀のような波になって、兎の飛ぶのが見えますよ。)
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鵲
(
かささぎ
)
は、それでも、
弾機
(
ばね
)
仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は
生籬
(
いけがき
)
の中に隠れている。そして、弱々しい
仔馬
(
こうま
)
が、柏の木蔭に身を寄せている。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
鵲
(
かささぎ
)
の橋を
辷
(
すべ
)
って
銀河
(
あまのがわ
)
を渡ったと思った、それからというものは、夜に
入
(
い
)
ってこの伊勢路へかかるのが、何か、雲の上の国へでも入るようだったもの、どうして、あの人形に
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と銀河を仰ぎ、
佩剣
(
はいけん
)
の秋
蕭殺
(
しょうさつ
)
として、
鵲
(
かささぎ
)
のごとく黒く行く。橋冷やかに、水が白い。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生豌豆
(
なまえんどう
)
を一つ
抛
(
ほう
)
るように、
気紛
(
きまぐ
)
れにぽいと
啼
(
な
)
いていた
鶫
(
つぐみ
)
、ペンキ塗りの
喉
(
のど
)
から、やたらにごろごろという声を
絞
(
しぼ
)
り出すところを、にんじんもさっきから見ていた山鳩、それから例の
鵲
(
かささぎ
)
の尾の
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
しかし、
恰好
(
かっこう
)
をいったら、烏が宿ったのと、
鵲
(
かささぎ
)
の渡したのと、まるで似ていないのはいうまでもない。また
真
(
まこと
)
の月と、
年紀
(
とし
)
のころを較べたら、そう、千年も二千年も三千年も
少
(
わか
)
かろう。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鵲
(
かささぎ
)
La Pie
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
往年
(
いんぬるとし
)
、雨上りの朝、ちょうどこの
辺
(
あたり
)
を
通掛
(
とおりかか
)
った時、松の
雫
(
しずく
)
に濡色見せた、
紺青
(
こんじょう
)
の尾を
豊
(
ゆたか
)
に、
樹
(
こ
)
の間の
蒼空
(
あおぞら
)
を
潜
(
くぐ
)
り潜り、
鵲
(
かささぎ
)
が急ぎもせず、翼で
真白
(
まっしろ
)
な雲を泳いで、すいと
伸
(
の
)
し、すいと伸して
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“鵲(カササギ)”の解説
カササギ(鵲、Pica pica)は、鳥綱スズメ目カラス科に分類される鳥類。近年はP. picaから、P. asirensis・P. bottanensis・P. mauritanica・P. sericaを分割する説が提唱されている。
(出典:Wikipedia)
鵲
漢検1級
部首:⿃
19画
“鵲”を含む語句
耆婆扁鵲
扁鵲
鵲豆
烏鵲
喜鵲
水鵲
烏鵲楼
鵲鉾
鵲橋
鵲尾坡
連鵲
病鵲
異鵲
柳鵲
扁鵲倉公列伝
山鵲
尾白鵲
婆鵲三秘