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そうじょう
ふりがな文庫
“
騒擾
(
そうじょう
)” の例文
旧字:
騷擾
SO! あらゆる無恥と
邪悪
(
ヴァイス
)
と
騒擾
(
そうじょう
)
の
湾
(
ガルフ
)
——毎晩徹夜して、「黄色い貨物」のように忠実に僕はその渦紋の軸に立ちつくしたものだ。
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
一喝
(
いっかつ
)
して首筋を
掴
(
つか
)
みたる様子にて、
場
(
じょう
)
の内外
一方
(
ひとかた
)
ならず
騒擾
(
そうじょう
)
し、表門警護の看守巡査は、いずれも
抜剣
(
ばっけん
)
にて非常を
戒
(
いまし
)
めしほどなりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
その発端は、一種の恐るべき快活さが交じった
驚駭
(
きょうがい
)
のみである。初めはただ
騒擾
(
そうじょう
)
であり、商店は閉ざされ、商品の陳列棚は姿を消す。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
然るにそれを考えずして草木のものをいうとあるのは民衆の
騒擾
(
そうじょう
)
することだというように解釈するのは、上代人の心理を知らないため
神代史の研究法
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
内より門を開いて迎え、同時に城中を
攪乱
(
こうらん
)
して、
騒擾
(
そうじょう
)
のうちに駙馬をうかがわば、手捕りになること物をつかむ如しとすすめるのです。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
交響曲
(
シンフォニー
)
が済むと、聴衆の皮肉な冷淡さに対抗するため、彼は熱狂的な
喝采
(
かっさい
)
をした。それから
騒擾
(
そうじょう
)
のおりになると、彼は我を忘れた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
桟敷の手摺りをたたく者がある、しまいには
鬨
(
とき
)
をつくって
囃
(
はや
)
し立てるという
未曾有
(
みぞう
)
の
騒擾
(
そうじょう
)
を演出したので、他の観客もおどろかされた。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
交代で夜を
警
(
いま
)
しめている武士以外は、皆死んだように熟睡するので、晝間の
騒擾
(
そうじょう
)
と活動が激しければ激しい程、夜は無気味に静かになる。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
するといつの間にか、この
騒擾
(
そうじょう
)
が知れ渡ったと見え、どろろんどろろんと、陰にこもった太鼓の響きが、遠く近く、聞えて来る。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
こう穏やかでない時勢であるから
輦下
(
れんか
)
の
騒擾
(
そうじょう
)
をしずめ
叡慮
(
えいりょ
)
を安んじ奉らんがためであることはいずれも承知するところであろう。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私はむしろいつもうろうろと休息を知らない私のたましいのふつつかな
騒擾
(
そうじょう
)
があなたの生活をみだすことをおそれています。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
今の猫と鼠の話のあった前後の頃おい(確か十五の年)は徳川氏の世の末で、時勢の変動激しく、何かと
騒擾
(
そうじょう
)
が引き続く。
幕末維新懐古談:18 一度家に帰り父に誡められたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
また軍艦中
騒擾
(
そうじょう
)
の様子を
看
(
み
)
ば、急に乗附き梯子を架して飛乗り、腰刀にて手詰めに夷輩を鏖殺し軍艦を奪うべし〔何ぞ蒙古襲来の役に類する〕。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
嘉永癸丑米艦浦賀ニ入ル。海内
騒擾
(
そうじょう
)
。聖天子
旰食
(
かんしょく
)
寧
(
やす
)
カラズ。幕吏国家ノ大計ヲ以テ
模棱
(
もりょう
)
コレニ処セント欲ス。天下ノ志士切歯
憤惋
(
ふんわん
)
セザル者ナシ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
やっと「
騒擾
(
そうじょう
)
」という言葉が使用されたが、それもはっきり「
叛乱
(
はんらん
)
」を意味するものとは思えないことであった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
彼が
戸外
(
おもて
)
へ出ると、外はもう宵よりも混乱の度を加えていた。そのうえ時々、タウベが落す爆弾の炸裂する声が、激しい
騒擾
(
そうじょう
)
に更に恐怖と不安とを加えた。
勲章を貰う話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
……しかしながら、その根本の原因はどこでも同じことなので、すなわち貧乏の存在とその痛苦にほかならぬ。これが社会的
騒擾
(
そうじょう
)
の中心であり中核である*
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
……こんなことは君に言うまでもないことだが、これは僕が昔
騒擾
(
そうじょう
)
で一年くった時に痛感したことだもんだから
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
「御上意のように討手を差向けましては
騒擾
(
そうじょう
)
がひろがり、お家の大変になりかねません」と代二郎は云った
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
町内の者をはじめ各山車山車の
騒擾
(
そうじょう
)
はいうまでもないこと、物見高いやじうまが黒山のごとくそれをおっ取り巻いて、さながら現場は戦争騒ぎでありましたが
右門捕物帖:05 笛の秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
恐怖、叫喚、
騒擾
(
そうじょう
)
、地震における惨状は馬車の
中
(
うち
)
に
顕
(
あら
)
われたり。冷々然たるはひとりかの怪しき美人のみ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
静まり返っていた見物席に、恐ろしい
騒擾
(
そうじょう
)
が起こった。劇場当事者をののしる怒号が、合唱のように
湧
(
わ
)
き立った。男性のわめき声、女の金切り声、子供の悲鳴。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「この人はわが国の民を惑わし、貢をカイザルに納むるを禁じた」とか、「ユダヤ全国に教えをなして民を煽動し、
騒擾
(
そうじょう
)
を惹起す」とか(ルカ二三の二、五)。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
騒擾
(
そうじょう
)
など
企
(
くわだ
)
てる様子もなく、それに見境もなく火を放って、江戸の町人を苦しめるということは切支丹にしてもありそうもないことのように考えられるのでした。
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
凶年に病人多く世間
騒擾
(
そうじょう
)
するはもちろんだが、この文に拠ればその頃飛騨で猴神を田畑の神としたのだ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
日比谷
(
ひびや
)
には
騒擾
(
そうじょう
)
が起り、電車焼打ちがあって、市内目抜きの場所の交番、警察署、御用新聞社の打
壊
(
こわ
)
しなどがはじまり、忠良なために義憤しやすき民衆は狂暴にされ
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
遠く人馬の
騒擾
(
そうじょう
)
が闇の中から聞えて来た。
訶和郎
(
かわろ
)
と
香取
(
かとり
)
は戸外に立って
峠
(
とうげ
)
を見ると、
松明
(
たいまつ
)
の輝きが、河に流れた月のように長くちらちらとゆらめいて宮の方へ流れて来た。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
彼は、もうかれこれ十日あまりも、町の
騒擾
(
そうじょう
)
を見てくらしているのだった。彼は、ショーウインドーらしき大きな
硝子
(
ガラス
)
をとおして、一部始終を眺めて暮らしているのだった。
見えざる敵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
兵馬
騒擾
(
そうじょう
)
の前後に、旧幕府の洋学校は無論、他の私塾家塾も
疾
(
と
)
く
既
(
すで
)
に廃して跡を留めず、新政府の学事も容易に
興
(
おこ
)
るべきに
非
(
あら
)
ず、
苟
(
いやしく
)
も洋学と
云
(
い
)
えば日本国中
唯
(
ただ
)
一処の慶應義塾
〔気品の泉源、智徳の模範〕
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
米艦が
浦賀
(
うらが
)
に
入
(
い
)
ったのは、二年
前
(
ぜん
)
の嘉永六年六月三日である。翌安政元年には正月に
艦
(
ふね
)
が再び浦賀に来て、六月に
下田
(
しもだ
)
を去るまで、江戸の
騒擾
(
そうじょう
)
は名状すべからざるものがあった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかし、競輪には八百長が多いというところに便乗して、八百長くさいと独断するや、モッブ化して
騒擾
(
そうじょう
)
を起し、売上金を強奪するに至っては、これは逆に素人衆の賭場荒しである。
便乗型の暴力:――競輪その他――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
されば、人心
恟々
(
きょうきょう
)
として、安き心も無く、後日、釣船の宿にて聴く所によれば、
騒擾
(
そうじょう
)
の三日間ばかりは、釣に出づる者とては絶えて無く、全く休業同様なりしといふ。
左
(
さ
)
もあるべし。
東京市騒擾中の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
その
士
(
ひと
)
は、用たしの帰りにでもこの
騒擾
(
そうじょう
)
にまきこまれたらしく、かえりを急ぐとみえて、いらいらしていた。仲間は、手の、定紋入りの
提燈
(
ちょうちん
)
をこわすまいとかばって、骨を折っていた。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
然
(
しか
)
るにこの小法師は、かくも平和な湖面に向って
騒擾
(
そうじょう
)
の罪を着せると共に、今度は、その罪を沿岸に向ってなすりつけてしまったが、波風の及ぶところはそこで止まるのではありません。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
騒擾
(
そうじょう
)
がもちあがったら、お祈りをするがよい。それにな、
倅
(
せがれ
)
(長老は好んで彼をこう呼んだ)このさきここは、おまえのいるべき場所ではないぞ。よいか、それをよく覚えておるがよい。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
彼がペテロでもサルフィユでもなかったので——彼は
騒擾
(
そうじょう
)
のなかに
咳
(
せき
)
をした。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
たゞ一婦人の身を以て兵を起し城を
屠
(
ほふ
)
り、
安遠侯
(
あんえんこう
)
柳升
(
りゅうしょう
)
をして征戦に労し、
都指揮
(
としき
)
衛青
(
えいせい
)
をして
撃攘
(
げきじょう
)
に
力
(
つと
)
めしめ、都指揮
劉忠
(
りゅうちゅう
)
をして
戦歿
(
せんぼつ
)
せしめ、山東の地をして一時
騒擾
(
そうじょう
)
せしむるに至りたるもの
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そうすると先日の洪水にも何か関係があり、市内に起る最近の
騒擾
(
そうじょう
)
はすべて彼に関係があるということが判るのですなア。恐ろしい男ですな。ロシアのラスプチンのような男ですぜ、あの男は
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
それから税関の
騒擾
(
そうじょう
)
に
吃驚
(
きっきょう
)
したり、馬車の御者が膝の上にも達する長い靴をはき、鞭をとり、
革嚢
(
かくのう
)
を持っているのを不思議がったり、初めてミミズを見たり、ノルマンヂイの痩せた豚で驚いたりした。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
時あたかも欧州の天地はナポレオン戦争のために震天動地の大
騒擾
(
そうじょう
)
を極めている時であって、この間の消息が初めて知れ、日本人は鎖国の夢から
醒
(
さ
)
めて、容易ならざる時局に際していることを自覚し
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
だが、山は、
忽
(
たちまち
)
一時の
騒擾
(
そうじょう
)
から、元の
緘黙
(
しじま
)
に戻ってしまった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
激動、不安、そして遂にあの馬鹿気きった
流言
(
るげん
)
と
騒擾
(
そうじょう
)
だ。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
間もなく
騒擾
(
そうじょう
)
部隊という名に変えられた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
己の内生活の
騒擾
(
そうじょう
)
を鎮めて、435
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
と
罵
(
のの
)
しる者もあったが、それでも、万一の
騒擾
(
そうじょう
)
を怖れてか、
門扉
(
もんぴ
)
は、固く閉じたまま、開きもしなければ、答えもしないのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
襲撃を受けてる居酒屋の恐ろしい
騒擾
(
そうじょう
)
の響きも、今や
漠然
(
ばくぜん
)
たるつぶやきの声のように、かすかに頭の上方に聞こえるきりだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
大問屋すじでは、びくびくして、今夜、夜が深まるのを迎えていたが、案の定、第二夜の
騒擾
(
そうじょう
)
は昨夜に輪をかけたものだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
そのうちに武田勢が
今庄
(
いまじょう
)
に到着したので、諸藩の
探偵
(
たんてい
)
は日夜織るがごとくであり、実にまれなる
騒擾
(
そうじょう
)
であったという。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして魂の底には、恐ろしい苦悩の
騒擾
(
そうじょう
)
が起こった——「広漠たる人なき空間にただ一人いる悩みの叫び」が……。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その夜、リザベッタは、市街の混乱と
騒擾
(
そうじょう
)
とを恐れて出演してはいなかった。彼女は極度に興奮していた。
勲章を貰う話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
“騒擾”の意味
《名詞》
騒擾(そうじょう)
騒ぎを起こして社会の秩序を乱すこと。
(出典:Wiktionary)
騒
常用漢字
中学
部首:⾺
18画
擾
漢検準1級
部首:⼿
18画
“騒擾”で始まる語句
騒擾者
騒擾事件