をさ)” の例文
彼我に、邪宗のをさ等その各流の宗徒とともにこゝにあるなり、またこれらの墓の中には汝の思ふよりも多くの荷あり 一二七—一二九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
盡しけるに母も父が七回忌くわいきあたとし病死なしければ傳吉の愁傷しうしよう大方ならずかつ親類しんるゐは只當村たうむらをさ上臺憑司かみだいひようじ而已のみなれ共是は傳吉の不如意をきらひ出入を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
祭司のをさだつたカヤパにも後代の憎しみは集つてゐる。彼はクリストを憎んでゐたであらう。が、必しもこの憎しみは彼一人にあつたわけではない。
続西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ダニエル書の中に、ダニエルが示現まぼろしを見たところに「をさたる君の一なるミカエル来たりて我を助けたれば、我勝ち留りてペルシヤの王たちの傍にをる。」
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
彼もその仲間の内の最もいやしい一人に屬してゐる、あの地上教會のをさが『ちて、我に從ひ來れ!』といふ言葉を下し給ふその日のみを切望するのです。
聖経はエルサレムの神殿を以て神のおはすところとせり、其神殿に聖所あり、至聖所あり、至聖所には祭司のをさほか之に入ることを得るもの甚だ稀なりと伝ふ。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
起きよ、我儕われら往くべし。我をわたすもの近づきたり、此如かくいへるとき十二の一人ひとりたるユダつるぎと棒とを持ちたる多くの人人とともに祭司のをさと民の長老としよりもとより来る。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
おみむらじ国造くにのみやつこ県主あがたぬしなど、勢力のある氏のをさが、土地人民を私有してゐたので、天皇は、氏の長を率ゐて居られるだけで、直接の御領地以外は、人民全体から、税なども
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
われは高く朗なる聲して歌ひしに、人々聞きて善き聲なりといひき。或る時英吉利イギリス人の一家族、我歌を聞きて立ちとまり、歌ひをはるを待ちて、をさらしき人われに銀貨一つ與へき。
玉蟲染たまむしぞめ天鵞絨びろうどのやうな薔薇ばらの花、あかの品格があつて、人のをさたる雅致がちがある玉蟲染たまむしぞめ天鵞絨びろうどのやうな薔薇ばらの花、成上なりあがりの姫たちが着る胴着どうぎ似而非えせ道徳家もはおりさうな衣服きもの僞善ぎぜんの花よ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
先年其古跡をたづねんとてしも越後にあそびし時、新道しんだう村のをさ飯塚知義いひつかともよしはなしに、一年ひとゝせ夏の頃あまこひために村の者どもをしたが米山よねやまへのぼりしに、薬師やくしへ参詣の人山こもりするために御鉢おはちといふ所に小屋二ツあり
さらにはげしく舌打ちて、 をさぞまなこをそらしぬと
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
町のをさそのおいゆゑに山峡の小峡をがひの関に空翔けくだる
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
われは檳榔びらうの影ひたる南の海の船のをさ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
麦秋やいたちくなるをさがもと
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
ドラギニヤッツォもまたその脛を打たんとしければ、彼等のをさはまなざしするどくあまねくあたりをみまはしぬ 七三—七五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ユダ橄欖かんらんの林を歩める時、悪魔彼に云ひけるは、「イエスを祭司のをさたちにわたせ。すれば三十枚の銀子ぎんすを得べし。」
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
先年其古跡をたづねんとてしも越後にあそびし時、新道しんだう村のをさ飯塚知義いひつかともよしはなしに、一年ひとゝせ夏の頃あまこひために村の者どもをしたが米山よねやまへのぼりしに、薬師やくしへ参詣の人山こもりするために御鉢おはちといふ所に小屋二ツあり
時しもあれやさんとして、 身を顫はする学のをさ
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
たゞ撃つばかりに目をまろばしゐたるファールファレルロにむかひ、大いなるをさ曰ひけるは、惡しき鳥よ退すされ 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
高志こし大蛇をろちを退治した素戔嗚すさのをは、櫛名田姫くしなだひめめとると同時に、足名椎あしなつちが治めてゐた部落のをさとなる事になつた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしてよろづ被造物つくられしものをさなりしかの第一の不遜者ふそんじやが光を待たざるによりてまざる先におとし事よくこれをあかしす 四六—四八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ユダは誰よりも彼自身を憎んだ。十字架に懸つたクリストも勿論彼を苦しませたであらう。しかし彼を利用した祭司のをさたちの冷笑もやはり彼をいきどほらせたであらう。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
大いなるをさの前にてわがいひあらはすを許す恩惠めぐみ、願はくは我をしてよくわが思ひを述ぶるをえしめよ。 五八—六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「イエスを祭司のをさたちにわたせ。らずばなんぢもイエスと共に、かならず十字架にけらるべし。」
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかして問質とひたゞしつゝかく枝より枝に我をみちびき、はや我とともに梢に近づきゐたるをさ 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
逾越すぎこしと云へる「たね入れぬ麺包パンまつり」近づけり。祭司さいしをさ学者たち、如何いかにしてかイエスを殺さんとうかがふ。ただ民をおそれたり。さて悪魔十二のうちのイスカリオテととなふるユダにきぬ。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
雅歌五・一〇—一一に曰、わが愛する者は白く且つ紅にして萬人のをさなりその頭は精金のごとし
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
が、クリストは明らかに誰にでも売られる危機に立つてゐた。祭司のをさたちはユダの外にも何人かのユダを数へてゐたはずである。唯ユダはこの道具になるいろいろの条件を具へてゐた。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)