)” の例文
新字:
この時市の忍齒おしはの王相率あともひて、淡海にいでまして、その野に到りまししかば、おのもおのもことに假宮を作りて、宿りましき。
いま松野まつのてゝ竹村たけむらきみまれれにまれ、开所そこだめなばあはれや雪三せつざうきやうすべし、わが幸福かうふくもとむるとて可惜あたら忠義ちうぎ嗤笑ものわらひにさせるゝことかは
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
われはあはれなる少女の、獨りいかなる道のうづくまり居るかを思ひ遣りぬ。
石のほほ散花ちりばな數ふえて梅雨つゆの日癖の雨期に入りにし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
又思ふ、路のをあさりゆく物乞ものごひ漂浪人さすらひびと
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ずやとも越賀こがまつ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
梅が香ぞする海の
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
思に堪へで磯の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
天皇、御歳一百六十八歳ももぢあまりむそぢやつ、(戊寅の年の十二月に崩りたまひき。)御陵は、やまみちまがりをか一九にあり。
もとは檀家だんかの一にんなりしがはやくに良人おつとうしなひてなき暫時しばらくこゝにおはりやとひ同樣どうやうくちさへらさせてくださらばとてあらそゝぎよりはじめておさいごしらへはもとよりのこと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
足一つあがり、雲のす。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
この天皇、葛城かづらき曾都毘古そつびこの子、葦田あしだの宿禰が女、名は黒比賣くろひめの命に娶ひて、生みませる御子、いち忍齒おしはの王、次に御馬みまの王、次に妹青海あをみの郎女、またの名は飯豐いひとよの郎女三柱。
ほかのなきなるを、いもとともむすめとも斷念あきらめて、おしたてられなばうれしきぞと、松野まつのひざゆりうごかしてなみだぐめば、雪三せつざう退しさりてかしらげつゝ、ぶんにあまりしおほせおこたへの言葉ことばもなし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この天皇、葛城かずらきのソツ彦ののアシダの宿禰の女の黒姫くろひめの命と結婚しておみになつた御子みこは、いちのオシハの王・ミマの王・アヲミの郎女いらつめ、又の名はイヒトヨの郎女のお三かたです。
振向ふりむひててくれねば此方こちらひかけてそでらへるにおよばず、それならせとてりにりまする、相手あいてはいくらもあれども一せうたのひといのでござんすとてなげなる風情ふぜい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なき御身おんみあはれやとのじやうやう/\ちやうじては、一人ひとりをばあましたたのもしびとにして、一にも松野まつの二にも松野まつのと、だてなく遠慮ゑんりよなくあまへもしつ㑃強すねもしつ、むつれよるこゝろあいらしさよとおもひしが
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)