しかもそれも、ある朝、教会へ出かけて行く途中で、彼のブルテリヤが僕の踝にかじりついてね、そんな偶然な出来事からだったんだ。
グロリア・スコット号 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
ガラッ八の踝の桃などは、あまりケチなんで吹き出させてしまいましたが、不思議なことに銭形平次の文身はちょっと当てました。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
鋪石はその道床から弛んでひどくがたがたになり、その間から高い草が生い茂って足や踝の周りに延びていた。崩れた家が往来を塞いでいた。
ペスト王:寓意を含める物語 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
頸は「頭の根」〔?〕と呼ばれる。踝と手頸とを区別する、明瞭な名は無く、脚と手との「クビ」で、踝の隆起点は「黒い隆起」〔クロブシ〕と呼ばれる。
日本その日その日:03 日本その日その日 (新字新仮名) / エドワード・シルヴェスター・モース(著)
栗毛の、白い斑点のある肥えた、ふさ/\した豊かな耳と、人間の眼のように表情深い眼をもったポチは、彼の足をなめてはふさ/\した頭を彼の踝におしつけた。
骨灰の中に、ズブズブと踝まで隠してやって来る小坊主の腰で、その鈴が鳴りつづけているのです。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
飛礫はかれの踝にあたった。かれは倒れた。私はかれをそのさきの日のように撲った。沢山の学友らは私らをとり捲いていたが、誰も手出しをしなかった。それほど私はみなから敬遠されていた。
踝くらいまでより水の来ない所に立っていても、その水が退いてゆく時にはまるで急な河の流れのようで、足の下の砂がどんどん掘れるものですから、うっかりしていると倒れそうになる位でした。
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
そこでは何回も踝の上までもずぶずぶと沈んだ。
宝島:02 宝島 (新字新仮名) / ロバート・ルイス・スティーブンソン(著)
鋭き石は踝のほとり右脛を猛に*打つ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
私は彼女の、柔かい踝に接唇した
ランボオ詩集 (新字旧仮名) / ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー(著)
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
鐘塔の悪魔 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
文学はどこかにもっと堅固な骨格や踝をもって、少くとも歩行に耐えるものでなければならないと思っているものだから。ヘミングウェイなんか実に暗示にとんで居ります。
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
日本その日その日:03 日本その日その日 (新字新仮名) / エドワード・シルヴェスター・モース(著)