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謁
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えっ
ふりがな文庫
“
謁
(
えっ
)” の例文
その頃は申告の
為方
(
しかた
)
なんぞは
極
(
き
)
まっていなかったが、
廉
(
かど
)
あって上官に
謁
(
えっ
)
する時というので、着任の挨拶は正装ですることになっていた。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そのうえ江戸邸の中に住み、幼君に
謁
(
えっ
)
し、盃までもらったということは、主家の仕置を無視するばかりでなく
嘲弄
(
ちょうろう
)
するに等しい。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
高見権右衛門が
討手
(
うって
)
の総勢を率いて引き上げて来て、松野右京の
邸
(
やしき
)
の書院の庭で主君の
光尚
(
みつひさ
)
に
謁
(
えっ
)
して討手の状況を
言上
(
ごんじょう
)
する一段のところで
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
三たび大王に
謁
(
えっ
)
す その翌十一日午前十時半に約のごとく大王の内殿の接客室に参りますと、四、五名の将校と一人の書記官が居りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
内々のご評議やら、またこれを父のお立場から、
准后
(
じゅんごう
)
の
阿野廉子
(
あのやすこ
)
にもおはかりになった結果か。——再度、坊門ノ清忠が信貴山の宮に
謁
(
えっ
)
して
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
中原
(
ちゅうげん
)
、また鹿を
逐
(
お
)
うて、筆を投げすてて
戎軒
(
じゅうけん
)
を事とす。縦横の
計
(
はかりごと
)
は
就
(
な
)
らざれども、
慷慨
(
こうがい
)
の志は
猶
(
な
)
お存せり。
策
(
つえ
)
を
仗
(
つ
)
いて天子に
謁
(
えっ
)
し、馬を駆って関門を
出
(
い
)
ず。
面
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
孔子が魯から衛に入った時、召を受けて霊公には
謁
(
えっ
)
したが、夫人の所へは別に
挨拶
(
あいさつ
)
に出なかった。南子が
冠
(
かんむり
)
を曲げた。
早速
(
さっそく
)
人を
遣
(
つか
)
わして孔子に言わしめる。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ヘンデルは音楽をお好きなうえ、
自
(
みずか
)
らクラヴサンをよく演奏した女王アンに
謁
(
えっ
)
した後、超人的に天才を発揮してわずかに十四日間で歌劇「リナルド」を書き下して上演した。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
胸のあたりは北風の吹き抜けで、
肋骨
(
ろっこつ
)
の枚数は自由に読めるくらいだ。この釈迦が
尊
(
たっと
)
ければこの兵士も
尊
(
たっ
)
といと云わねばならぬ。
昔
(
むか
)
し
元寇
(
げんこう
)
の
役
(
えき
)
に
時宗
(
ときむね
)
が
仏光国師
(
ぶっこうこくし
)
に
謁
(
えっ
)
した時、国師は何と云うた。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
されど妾の一念
翻
(
ひるがえ
)
すべくもあらずと見てか、
強
(
し
)
いても言わず、とかくは板垣伯に会い東上の趣意を
陳
(
の
)
べよとあるに、妾は
諾
(
うべな
)
いて遂に伯に
謁
(
えっ
)
し、東上の趣意さては将来の目的など申し聞えたるに
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
井伊の陣屋の
騒
(
さわ
)
がしいことはおのずから
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
の耳にもはいらない
訣
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かなかった。のみならず直孝は家康に
謁
(
えっ
)
し、古千屋に
直之
(
なおゆき
)
の
悪霊
(
あくりょう
)
の乗り移ったために誰も皆恐れていることを話した。
古千屋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
郡主は燕王の
従姉
(
じゅうし
)
なり。燕王
聴
(
き
)
かずして曰く、皇考の分ちたまえる
吾
(
わが
)
地
(
ち
)
も
且
(
かつ
)
保つ
能
(
あた
)
わざらんとせり、何ぞ更に地を
割
(
さ
)
くを望まん、たゞ
奸臣
(
かんしん
)
を得るの後、
孝陵
(
こうりょう
)
に
謁
(
えっ
)
せんと。六月、燕師
浦子口
(
ほしこう
)
に至る。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
別後の情を細叙するにもいとまあらず、引かれて大臣に
謁
(
えっ
)
し、
委托
(
いたく
)
せられしは
独逸語
(
ドイツご
)
にて
記
(
しる
)
せる
文書
(
もんじょ
)
の急を要するを翻訳せよとの事なり。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これが
大垣
(
おおがき
)
に近づくにつれて、大垣の城主
氏家行広
(
うじいえゆきひろ
)
も来て合し、曾根の城主稲葉一鉄も参加し、秀吉に
謁
(
えっ
)
して
麾下
(
きか
)
に属した。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
再び大王殿下に
謁
(
えっ
)
す 暫く経って大王殿下は親兵百余人に前後を
護
(
まも
)
らせつつ内殿から出て大門の横に在る別殿に行かれた。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
二 板垣伯に
謁
(
えっ
)
す
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
そして、呂布に
謁
(
えっ
)
し、
云々
(
しかじか
)
と仔細を告げて、玄徳から曹操へ宛てた返簡を見せると、呂布は、
鬢髪
(
びんぱつ
)
をふるわせて、激怒した。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
甲子夜話
(
かっしやわ
)
」には、
慶長
(
けいちょう
)
十二年の朝鮮の使にまじっていた徳川家の旧臣を、
筧又蔵
(
かけいまたぞう
)
だとしてある。林春斎の「
韓使来聘記
(
かんしらいへいき
)
」等には、家康に
謁
(
えっ
)
した上々官を
金
(
きん
)
、
朴
(
ぼく
)
の二人だけにしてある。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
第百四十六回 ネパール国王に
謁
(
えっ
)
す
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
清忠は、勅をかしこんで、さっそく、信貴山へ登ってゆき、親しく、大塔ノ宮に
謁
(
えっ
)
して、お胸どおりを、つたえ上げた。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「足下も旗を巻いて、それがしと共に、孫権に
謁
(
えっ
)
し給え。呉侯はまだ若くて将来があるし、しかもなかなか名君らしい」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし
賜謁
(
しえつ
)
は、上々の首尾で、義貞は身にあまる思いにくるまれ、さらにべつな庭では、
准后
(
じゅんごう
)
三位ノ
廉子
(
やすこ
)
にも
謁
(
えっ
)
した。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とのことだったので、彼はさっそく、二条城へ登って、信長に
謁
(
えっ
)
し、秀吉の書を呈したうえ、ありのまま、報告した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが明ける早々、年頭の賀をのべるため、彼は岐阜城におもむいて、信長に
謁
(
えっ
)
し、さらに数日のいとまを賜ったので、その足で
洲股
(
すのまた
)
へと廻ったのである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と呟いて、何十年間の道境三昧の
廬
(
ろ
)
を出て、京都
紫竹
(
しちく
)
村の
鷹
(
たか
)
ヶ
峰
(
みね
)
の陣屋で、初めて、大御所に
謁
(
えっ
)
したのであった。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
淮南
(
わいなん
)
に着いて、
袁術
(
えんじゅつ
)
に
謁
(
えっ
)
し、呂布の書簡を呈してやがて戻ってきた
許汜
(
きょし
)
、
王楷
(
おうかい
)
の二使は、そうは行かなかった。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
常なら、
近習
(
きんじゅう
)
、または表役人を通じて
謁
(
えっ
)
すべきなのに、いきなり、各〻
作事
(
さくじ
)
支度のわらじばきで、庭先へ平伏したのは、よほど何か
狼狽
(
ろうばい
)
しているとみえる。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歳暮
(
せいぼ
)
、新春の御祝儀をかねて、多忙の陣中から上府し、右大臣家に
謁
(
えっ
)
し、一両日は滞在はすれど、すぐにもふたたび中国の御陣へ帰らねばならぬ身ゆえ——
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人は、家康に
謁
(
えっ
)
すると、
諄々
(
じゅんじゅん
)
と、利害を説き、秀吉の意を
諭
(
さと
)
して、大坂への入京をすすめた。ことばの裏には、多分に、丁重なる
威嚇
(
いかく
)
もふくまれている。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「右大臣家(秀忠)とは、大徳寺でも、二度ほど会うているし、大御所には、しばしば
謁
(
えっ
)
しておるが、つい江戸には、こん度が初めて。——して、お
許
(
もと
)
には」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陸遜は、召しに依って、急遽、建業へ帰って、呉王に
謁
(
えっ
)
した。そして呉王から、この大任をうけて、汝よくそれに
応
(
こた
)
うる自信ありや、と問われると、陸遜は
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉は其処で、秀吉に
謁
(
えっ
)
するために、賤ヶ嶽から
急遽
(
きゅうきょ
)
降って来た、
丹羽長秀
(
にわながひで
)
に会った。長秀は客将分である。彼にたいして秀吉の礼が
篤
(
あつ
)
いのはいうまでもない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
糜竺
(
びじく
)
兄弟は、さっそく通って、二夫人に
謁
(
えっ
)
し、また、関羽に会って、こもごも、
久濶
(
きゅうかつ
)
の情を
叙
(
じょ
)
した。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが聞えると、オルガンチノは、右近を伴って南蛮寺を出、天野山の陣へ行って、信長に
謁
(
えっ
)
した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天子に
謁
(
えっ
)
し、その折、ご下問によって、初めて、わが家の家系をお耳に達しましたところ、天子には直ちに、朝廷の系譜をお調べになり、まぎれもなく、劉玄徳が祖先は
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——では、安土へ行くと仰せあるは、信長公に
謁
(
えっ
)
して、その罪を自首する思し召ですか」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孔明は、諸臣の代表として、法正を伴い、ある時、改まって、玄徳に
謁
(
えっ
)
した。そして
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それがしは、魏の部将
鄭文
(
ていぶん
)
という者です。
丞相
(
じょうしょう
)
に
謁
(
えっ
)
してお願いしたいことがある」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幾たびか
謁
(
えっ
)
し、この官兵衛も、胸打ち割って、あれほどに心底を申しあげ、
且
(
か
)
つは、主家小寺家のあらゆる困難な事情を排し、父宗円を始め、一家中のものの運命をも賭し、併せては
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「かねて、お噂は承っていますが、まだ機縁がなく、
謁
(
えっ
)
したことはございません」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次の日張松は、成都に入り、劉璋に
謁
(
えっ
)
して、使いの結果をつぶさに復命した。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
めでたく新春に会い、今日を無事に過ごし、信長に
謁
(
えっ
)
して賀を述べられる
冥加
(
みょうが
)
として、百文ぐらいな年賀税は徴してもよろしかろう。——堀久太郎、
蒲生右兵衛
(
がもううひょうえ
)
、ふたりして明日は奉行せい
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なるほど、君の信義もあるのか。袁紹は恩友のかたきでもあれば、——というわけだな。よろしい、明朝、相伴うて天子に
謁
(
えっ
)
し、君の望みを奏上しよう。君が赴いてくれれば予も気づよい」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かた肥りに肉の
緊
(
しま
)
ったからだをしている。背は並である。どこか異相にはちがいないが、彼に
謁
(
えっ
)
したことのない者がよく、どんな怖ろしいお方かなどというが、そんな近づき難いひとではない。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鷹ヶ峰の
麓
(
ふもと
)
で初めて家康に
謁
(
えっ
)
した時は——自分と兵庫と、そして兄の五郎右衛門とが、三人してお目見得したものをと、宗矩は当時のことも思い合せながら、その姿の見えない座中を見まわして
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉は直家を
伴
(
ともな
)
って、彼に
謁
(
えっ
)
し、ついに信忠のとりなしで、信長も
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上る途中にはまた、必ず鎌倉へ立ちよって、頼朝に
謁
(
えっ
)
し、各〻
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「貴公は、呉侯のお妹君に、
謁
(
えっ
)
したことがありはしないか」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はさっそく太守の孫堅に
謁
(
えっ
)
して、その無謀を諫めた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正月、
朝
(
ちょう
)
にのぼって彼は天子に
謁
(
えっ
)
し、賀をのべた後で
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
謁
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“謁”を含む語句
謁見
拝謁
拜謁
面謁
賜謁
御謁
拝謁簿
郷高取謁見格
謁見式
謁見室
謁聖
謁者
請謁
相謁
一謁
御面謁
御拝謁
女謁
名謁
別謁
...