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めうじ
ふりがな文庫
“
苗字
(
めうじ
)” の例文
「何、何んといふことだ。町方役人とは申せ、私も
苗字
(
めうじ
)
帶刀を許されて居る身分ですぞ、——伯父が死んで、儲かるとは何事ツ」
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
苗字
(
めうじ
)
が「けら」といふのだとかで蟲のやうな面白い人ですねとお秋さんがいつた男である。此男が來なかつたので何故だか心持がよかつた。
炭焼のむすめ
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
明治
(
めいぢ
)
のはじめを
御維新
(
ごゐつしん
)
の
時
(
とき
)
と
言
(
い
)
ひまして、あの
御維新
(
ごゐつしん
)
の
時
(
とき
)
から、どんなお
百姓
(
ひやくしやう
)
でも
立派
(
りつぱ
)
な
苗字
(
めうじ
)
をつけることに
成
(
な
)
つたさうです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
後藤とか遠藤などといふやうな字画のごた/\した
苗字
(
めうじ
)
は細字になるほど難物だと思ひ、ちよつと心は臆したが、もう引つこみがつかなかつた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
御家人といふのは天滿宮の祭神の家來筋といふことで、昔から
苗字
(
めうじ
)
帶刀を許されて、
郷士
(
がうし
)
のやうな格になつてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
も
分與
(
わけあた
)
へし所
數月
(
すげつ
)
無實
(
むじつ
)
の罪にて入
牢
(
らう
)
致し居し段
不便
(
ふびん
)
に
思召
(
おぼしめさ
)
れ且つ至孝の者に付
苗字
(
めうじ
)
帶刀
(
たいたう
)
差許
(
さしゆる
)
す樣領主へ仰付らる之に
依
(
よつ
)
て村役の儀は前々之通り心得べし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ヨーロツパでもハンガリーなどでは
即
(
すなは
)
ちマギアール
族
(
ぞく
)
で
東洋民族
(
とうやうみんぞく
)
であるから、
苗字
(
めうじ
)
を
先
(
さき
)
にし、
名
(
な
)
を
後
(
あと
)
にする。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
この徳蔵には
可笑
(
をか
)
しい話が幾つあつたかわかりません。その中でも
未
(
いまだ
)
に思ひ出すのは
苗字
(
めうじ
)
の話でございます。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
上杉
(
うえすぎ
)
といふ
苗字
(
めうじ
)
をば
宜
(
よ
)
いことにして
大名
(
だいめう
)
の
分家
(
ぶんけ
)
と
利
(
き
)
かせる
見得
(
みえ
)
ぼうの
上
(
うへ
)
なし、
下女
(
げじよ
)
には
奧樣
(
おくさま
)
といはせ、
着物
(
きもの
)
は
裾
(
すそ
)
のながいを
引
(
ひ
)
いて、
用
(
よう
)
をすれば
肩
(
かた
)
がはるといふ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
番付
(
ばんづけ
)
には
流石
(
さすが
)
にわが
實
(
まこと
)
の
苗字
(
めうじ
)
をしるさんことの恥かしくて、假にチエンチイと
名告
(
なの
)
りたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
妾山内氏の生んだ女子には婿養子が出來て、南部家に仕へた。内山善吉と云ふ二百石取がそれである。栗山の名は人に故主の非を思はせるからと云つて、利章がわざと外戚の
苗字
(
めうじ
)
を
冒
(
をか
)
させた。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
苗字
(
めうじ
)
は若林つていふんですが、はて名前はなんていふのかなあ……」
嘘をつく日
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「よろしい。
苗字
(
めうじ
)
は?」
仔猫の裁判
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
奈良屋三郎兵衞は五十五六、江戸の大町人で、
苗字
(
めうじ
)
帶刀
(
たいたう
)
を許されて居るといふにしては、
好々爺
(
かう/\や
)
といふ感じのする仁體でした。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの
人達
(
ひとたち
)
はお
前達
(
まへたち
)
の
祖父
(
おぢい
)
さんのことを『お
師匠
(
ししやう
)
さま、お
師匠
(
ししやう
)
さま』と
呼
(
よ
)
んで
居
(
ゐ
)
ました。あの
人達
(
ひとたち
)
が
苗字
(
めうじ
)
をつける
時
(
とき
)
のことを
今
(
いま
)
から
思
(
おも
)
ひますと
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
上杉といふ
苗字
(
めうじ
)
をば宜いことにして大名の分家と
利
(
き
)
かせる見得ぼうの上なし、下女には奥様といはせ、着物は
裾
(
すそ
)
のながいを引いて、用をすれば肩がはるといふ
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
渡世
(
とせい
)
に致居るやと有に主税之助多兵衞は渡り
徒士
(
かち
)
を
業
(
げふ
)
と仕つり候と言へば所は何處にて
苗字
(
めうじ
)
は何と申やと
問
(
とは
)
るゝに住所は
小柳
(
こやなぎ
)
町一丁目にて
切首
(
きりくび
)
多兵衞と
稱
(
となへ
)
候と申を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
苗字
(
めうじ
)
は
個人
(
こじん
)
の
家
(
いへ
)
の
名
(
な
)
で、
多
(
おほ
)
くは
土地
(
とち
)
の
名
(
な
)
を
取
(
と
)
つたものである。
例
(
たと
)
へば那須の
與
(
よ
)
一、熊谷の
直實
(
なほざね
)
、秩父の
重忠
(
しげたゞ
)
、鎌倉の
權
(
ごん
)
五
郎
(
らう
)
、三浦の
大介
(
おほすけ
)
、佐野の
源左衛門
(
げんざゑもん
)
といふの
類
(
るゐ
)
である。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
秤座役人は
苗字
(
めうじ
)
帶刀
(
たいたう
)
を許され、
僅少
(
きんせう
)
乍
(
なが
)
ら幕府の手當を受け、相當の見識も持つて居りますが、斯うなると町方の御用聞に
縋
(
すが
)
る外はありません。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『お
師匠
(
ししやう
)
さま、
孫子
(
まごこ
)
に
傳
(
つた
)
はることでございますから、どうかまあ
私共
(
わたしども
)
にも
好
(
よ
)
ささうな
苗字
(
めうじ
)
を一つお
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
します。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
わが
輩
(
はい
)
の
名
(
な
)
は
伊東忠太
(
いとうちうた
)
であつて、
忠太伊東
(
ちうたいとう
)
ではない。
苗字
(
めうじ
)
と
名
(
な
)
とを
連接
(
れんせつ
)
した
伊東忠太
(
いとうちうた
)
といふ一つの
固有名
(
こいうめい
)
を二つに
切斷
(
せつだん
)
して、これを
逆列
(
ぎやくれつ
)
するといふ
無法
(
むはふ
)
なことはない
筈
(
はず
)
である。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
聞れ大岡殿ナニ
苗字
(
めうじ
)
は切首と申かと言れて主税之助ハツト
赤面
(
せきめん
)
して是は甚だ
惡敷
(
あしき
)
事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
賣
(
う
)
れ
口
(
くち
)
よければ
仕入
(
しいれ
)
あたらしく
新田
(
につた
)
と
呼
(
よ
)
ぶ
苗字
(
めうじ
)
そのまゝ
暖簾
(
のれん
)
にそめて
帳場格子
(
ちやうばがうし
)
にやに
下
(
さが
)
るあるじの
運平
(
うんぺい
)
不惑
(
ふわく
)
といふ
四十男
(
しじふをとこ
)
赤
(
あか
)
ら
顏
(
がほ
)
にして
骨
(
ほね
)
たくましきは
薄醤油
(
うすじやうゆ
)
の
鱚
(
きす
)
鰈
(
かれひ
)
に
育
(
そだ
)
ちて
世
(
よ
)
のせち
辛
(
がら
)
さなめ
試
(
こゝろ
)
みぬ
附
(
つ
)
け
渡
(
わた
)
りの
旦那
(
だんな
)
株
(
かぶ
)
とは
覺
(
おぼ
)
えざりけり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「十二
社
(
そう
)
の近所に、
楢井
(
ならゐ
)
山左衞門といふ大名主があるが、
苗字
(
めうじ
)
帶刀
(
たいたう
)
まで許された
家柄
(
いへがら
)
で、主人の山左衞門は三月ばかり前にポツクリ亡くなつた——」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
石川良右衞門は
苗字
(
めうじ
)
帶刀
(
たいたう
)
を許された大町人で、五十前後の立派な仁體、これは武家の出だといふことで、進退動作何んとなく節度に叶つて居ります。
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
從つて漆原家の屋敷といふのは、小大名の下屋敷ほどの宏大なもので、士分ではないにしても、漆原といふ
苗字
(
めうじ
)
を堂々と名乘つて通る家柄だつたのです。
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
最近
堀留
(
ほりどめ
)
の
穀物
(
こくもつ
)
問屋で、諸藩のお金御用も勤め
苗字
(
めうじ
)
帶刀
(
たいたう
)
まで許されて居る、大川屋孫三郎が、全然新しく建てて寄進することになり、材木まで用意して
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「清水和助といふ町一番の大地主で、
苗字
(
めうじ
)
まで名乘る家の
掛
(
かゝ
)
り
人
(
うど
)
、お夏といふ十八になる娘が盜まれましたよ」
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
能役者くづれと言つても、大藩のお抱へ、
苗字
(
めうじ
)
まで名乘つて士分に準ずる待遇を受けたには間違ひありません。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相生町二丁目の阿波屋榮之助の家といふのは、雜穀問屋には相違ありませんが、何百年續いた町名主で、何んとかいふ
苗字
(
めうじ
)
まで許されて居り、竪川に臨んで、一町内を
睥睨
(
へいげい
)
する宏大な構へでした。
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鈴川主水は、能役者とは言つても、
苗字
(
めうじ
)
帶刀
(
たいたう
)
を許され、將軍の御前にまで出られる、立派な士分でした。今は浪々の身であつても、町方の御用聞に、かれこれ言はせないだけの見識はあつたのです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“苗字(
名字
)”の解説
名字または苗字(みょうじ、英語: surname)は、日本の家(家系、家族)の名のこと。法律上は氏(民法750条、790条など)、通俗的には姓(せい)ともいう。
(出典:Wikipedia)
苗
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
字
常用漢字
小1
部首:⼦
6画
“苗字”で始まる語句
苗字帯刀
苗字帶刀
苗字帯刀御免