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わらわ
ふりがな文庫
“
童
(
わらわ
)” の例文
それをのぞいて
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
が後ろの建物のほうへ来て、『
右近
(
うこん
)
さん、早くのぞいてごらんなさい、中将さんが通りをいらっしゃいます』
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
法皇になろうとは思うが坊主になるのは面白くない、主上になろうと思うが
童
(
わらわ
)
になるのは困る。どうじゃ、それなら関白になろうと思うが
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
朝
(
あした
)
より
夕
(
ゆうべ
)
に至るまで、
腕車
(
くるま
)
、
地車
(
じぐるま
)
など一輌も
過
(
よ
)
ぎるはあらず。美しき
妾
(
おもいもの
)
、富みたる
寡婦
(
やもめ
)
、おとなしき
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
など、夢おだやかに日を送りぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
の小雪というのが眼をさまして
厠
(
かわや
)
へ立った。彼女は
紙燭
(
しそく
)
をともして長い廊下を伝ってゆくと、紙燭の火は風もないのにふっと消えた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
童
(
わらわ
)
かとすれば年老いてその
貌
(
かお
)
にあらず、法師かと思えばまた髪は
空
(
そら
)
ざまに
生
(
お
)
い
上
(
あが
)
りて
白髪
(
はくはつ
)
多し。よろずの
塵
(
ちり
)
や
藻屑
(
もくず
)
のつきたれども打ち払わず。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
ゲンゲンの花太きたばにこしらえて自ら手に持ちたらんも、何となくめめしく恥かしくてちひさき女の
童
(
わらわ
)
にやりたるも嬉し。
わが幼時の美感
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
食べ物を野天でこしらえるということは、大人でも興味を持つほどの珍しい事件なのに、ましてやこれに携わった者がいつの世からともなく
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
であった。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そして、その物語では女は
二階堂左衛門尉政宣
(
にかいどうさえもんのじょうまさのぶ
)
の
息女
(
そくじょ
)
弥子
(
いやこ
)
となり、政宣が京都の乱に
打死
(
うちじに
)
して家が衰えたので、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
と
万寿寺
(
ばんじゅじ
)
の
辺
(
ほとり
)
に住んでいると荻原に云った。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この時、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
に
襖
(
ふすま
)
を引かせて、茶碗を目八分に捧げて入って来たのは、峠宗寿軒の娘お小夜です。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女の
童
(
わらわ
)
さえ、
黄金瓶
(
きんびん
)
に、銀の盃を二つ添えたのを、そこに差し置いたまま去ってしまった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
おれは娘の病気の
平癒
(
へいゆ
)
を祈るために、ゆうべここに
参籠
(
さんろう
)
した。すると夢にお告げがあった。左の
格子
(
こうし
)
に寝ている
童
(
わらわ
)
がよい守本尊を持っている。それを借りて拝ませいということじゃ。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一年ばかりのあとには、女のもとにはもう幼い
童
(
わらわ
)
が一人しか残っていなかった。
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「義朝、義平、そのほかを皆斬っていながら、なぜあの
童
(
わらわ
)
一人を助けたか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長い廊を、数人の
童
(
わらわ
)
が続いて来る。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
大将軍範頼が義経にこれを伝えたので、院へ伺いを立てて助命を請われたところ、院の御所の公卿殿上人を始め、局の女房、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
にいたるまで
現代語訳 平家物語:09 第九巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
とばかりありて、仮花道に乱れ敷き、支え懸けたる、見物の
男女
(
なんにょ
)
が
袖肱
(
そでひじ
)
の込合うたる中をば、飛び、飛び、
小走
(
こばしり
)
に
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
一人、しのぶと言うなり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨年の秋
鳥部寺
(
とりべでら
)
の
賓頭盧
(
びんずる
)
の
後
(
うしろ
)
の山に、
物詣
(
ものもう
)
でに来たらしい女房が一人、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
と一しょに殺されていたのは、こいつの
仕業
(
しわざ
)
だとか申して居りました。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大臣家で生まれた若君は馬に乗せられていて、一班ずつを
揃
(
そろ
)
えの
衣裳
(
いしょう
)
にした幾班かの馬添い
童
(
わらわ
)
がつけられてある。
源氏物語:14 澪標
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
二十ばかりと見える美人が十四五ばかりの
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
に美しき
牡丹花
(
ぼたんのはな
)
の燈籠を持たして来たので、魂飛び心浮かれて
後
(
あと
)
になり
前
(
さき
)
になりして
跟
(
つ
)
いて往くと、女の方から声をかけたので
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
木戸の
傍
(
かたわら
)
、竹垣の内に一むらの山吹あり。この山吹もとは隣なる
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
の四、五年前に一寸ばかりの苗を持ち来て戯れに植ゑ置きしものなるが今ははや縄もてつがぬるほどになりぬ。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「なお不審なのは、
厩
(
うまや
)
に馬もいず、女房方や
童
(
わらわ
)
まで見えません」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「買うて来た子供はそれか。いつも買う
奴
(
やっこ
)
と違うて、何に使うてよいかわからぬ、珍らしい子供じゃというから、わざわざ連れて来させてみれば、色の
蒼
(
あお
)
ざめた、か細い
童
(
わらわ
)
どもじゃ。何に使うてよいかは、わしにもわからぬ」
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
作者は、
委
(
くわ
)
しく知らないが、
此
(
これ
)
は事実ださうである。
他
(
た
)
に
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
の影もない。比野卿の
御館
(
みたち
)
の
裡
(
うち
)
に、此の時卿を迎ふるのは、
唯
(
ただ
)
此の
方
(
かた
)
たちのみであつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
向こうでは
上手
(
じょうず
)
に隠せていると思いまして私が訪ねて行ってる時などに、女の
童
(
わらわ
)
などがうっかり言葉をすべらしたりいたしますと、いろいろに言い紛らしまして
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その
艶
(
えん
)
なのが、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
を従えた風で、
奴
(
やっこ
)
と
彳
(
たたず
)
む。……汀に寄って……
流木
(
ながれぎ
)
めいた板が一枚、ぶくぶくと浮いて、
苔塗
(
こけまみ
)
れに
生簀
(
いけす
)
の
蓋
(
ふた
)
のように見えるのがあった。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
左大臣の七男が
童
(
わらわ
)
の姿で
笙
(
しょう
)
の笛を吹いたのが珍しくおもしろかったので帝から御衣を賜わった。大臣は階下で舞踏の礼をした。もう夜明け近くなってから帝は常の御殿へお帰りになった。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
雪洞
(
ぼんぼり
)
の
真中
(
まんなか
)
を、蝶々のように
衝
(
つ
)
と抜けて、
切禿
(
きりかむろ
)
で
兎
(
うさぎ
)
の顔した、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
が、袖に
載
(
の
)
せて捧げて来た。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
みだれし
風采
(
とりなり
)
恥かしや、早これまでと思うらん。落した手毬を、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
の、拾って抱くのも顧みず、よろよろと
立
(
たち
)
かかった、蚊帳に姿を引寄せられ、
褄
(
つま
)
のこぼれた立姿。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立花が
徒
(
いたずら
)
に、
黒白
(
あやめ
)
も分かず焦り
悶
(
もだ
)
えた時にあらしめば、たちまち驚いて倒れたであろう、一間ばかり
前途
(
ゆくて
)
の路に、
袂
(
たもと
)
を
曳
(
ひ
)
いて、厚い
袘
(
ふき
)
を
踵
(
かかと
)
にかさねた、二人、
同一
(
おなじ
)
扮装
(
いでたち
)
の
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何、牛に乗らないだけの
仙家
(
せんか
)
の
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
の
指示
(
しめし
)
である……もっと山高く、草深く
分入
(
わけい
)
ればだけれども、それにはこの陽気だ、
蛇体
(
じゃたい
)
という
障碍
(
しょうげ
)
があって、望むものの方に、
苦行
(
くぎょう
)
が足りない。
若菜のうち
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その時打向うた
卓子
(
テエブル
)
の上へ、
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
は、
密
(
そっ
)
と
件
(
くだん
)
の将棋盤を据えて、そのまま、
陽炎
(
かげろう
)
の
縺
(
もつ
)
るるよりも、身軽に前後して樹の蔭にかくれたが、
枝折戸
(
しおりど
)
を開いた
侍女
(
こしもと
)
は、二人とも立花の
背後
(
うしろ
)
に
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夫人を先に、亀姫、薄と
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
等、
皆行
(
ゆ
)
く。五人の侍女と朱の盤あり。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“童”の意味
《名詞》
(わらべ)幼児、幼い子供。
(出典:Wiktionary)
童
常用漢字
小3
部首:⽴
12画
“童”を含む語句
童女
童子
小童
河童
女童
児童
侍童
童謡
童児
大童
京童
頑童
童男
使童
牧童
酒顛童子
童形
童貞
兒童
童話
...