トップ
>
空
>
へ
ふりがな文庫
“
空
(
へ
)” の例文
腹が
空
(
へ
)
っていると頭に利くから、稽古は食後に限ると教えてくれるものもあった。唯さえ陥り易い習癖を努めて実践躬行したのである。
善根鈍根
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
腹も
空
(
へ
)
っていた。寒気は、夜が深まるにつれて、身に迫って
疼
(
いた
)
めつけて来た。口を
利
(
き
)
けば、残り少ない元気が消えてしまうのを
怖
(
おそ
)
れた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
三「これは恐れ入りやすな、
私
(
わたくし
)
の腹の
空
(
へ
)
った顔が貴方にちゃんと解るなんてえのは驚きやしたなア、何うか頂戴致したいもので」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それで私はどうなる事かと思ってじっと目を閉じているうちに、外はすっかり夜になり、段々お腹は
空
(
へ
)
ってくるし。たまらなくなったのです。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
「さあ、もう元気を出して、食事にしよう。お父さんは、
莫迦
(
ばか
)
に腹が
空
(
へ
)
ったぞ」と父はわざと快活に言った。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
腹が
空
(
へ
)
ればどんなまづいものでも美味しくなる。又咽喉が渇けば一杯の冷水でも非常にうまい。そして又、疲れゝばちよつとした居眠りでもいい気持になる。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
が、場合が場合なので、腹が
空
(
へ
)
ったというようなことを明らさまにいいだしかねていたのであった。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「だが、餓鬼のこった。まさかに草鞋を
穿
(
は
)
くようなこともあるめえ。いずれ何処からか這い出して来るだろう。なにしろ、腹が
空
(
へ
)
って来た。そこらで蕎麦でも
手繰
(
たぐ
)
ろう」
半七捕物帳:19 お照の父
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あれはただ腹が
空
(
へ
)
った、かぶらの
茎
(
くき
)
、
噛
(
か
)
みつく、うまい、
厭
(
あ
)
きた、ねむり、起きる、鼻がつまる、ぐうと鳴らす、腹がへった、
麦糠
(
むぎぬか
)
、たべる、うまい、つかれた、ねむる
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
内に寝ていてさえ
空腹
(
ひだる
)
うてならぬ処へなまなか
遠路
(
とおみち
)
を
歩行
(
ある
)
いたりゃ、腰は
疼
(
いた
)
む、
呼吸
(
いき
)
は切れる、腹は
空
(
へ
)
る、精は尽きる、な、お前様、ほんにほんに九死一生で戻りやしたよ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして
一言
(
ひとこと
)
の云ひ返しも呟きもせず、出掛けて行つた。そのときは九時であつたが、彼が歸つて來たのはもう
眞夜中
(
まよなか
)
だつた。彼はすつかりお腹を
空
(
へ
)
らして、疲れ切つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ところが、煙草がなくなるころには、いつかマッチ箱の中の三銭も落してしまい、もう大福餅一つ買えなかった。それほど放心した歩き方だったのでしょう。腹は
空
(
へ
)
ってくる。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
腹が
空
(
へ
)
ってもひもじゅうない、というようなものには食わせなくてもよい。
味覚馬鹿
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
水牛を
豢
(
こ
)
うて乳を取るを専務とする、その伝説に昔は虎が昼間水牛を守り夜になって退いた、しかるに一日腹
空
(
へ
)
る事甚だしくついに腹立つ事甚だし、職掌柄やむをえず夕方水牛を村へ連れ帰る途上
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「へエ、十手の手前か。飛んだ腹の
空
(
へ
)
る意地だね、親分」
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……しゃべったら腹が
空
(
へ
)
った……
三の酉
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
重「はい大きに有難う、誠に
遠
(
とお
)
ッ
処
(
とこ
)
に御苦労さま、婆アさま腹ア
空
(
へ
)
ったろう、何もないがお
飯
(
まんま
)
ア喰って
往
(
い
)
くが
宜
(
え
)
い」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
擦り
空
(
へ
)
った石段の上に立った私は襟のつまった黒い服を着た老婦人に、仏蘭西人の事を訊ねると
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
「要するに
発句
(
ほっく
)
なんてものは現代生活に没交渉だという証明さ。あゝ、腹が
空
(
へ
)
った」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
気持よい空腹を感じながら、心づくしの食卓につくことが楽しみだった以前とはちがって、今のは、単に
胃腑
(
いのふ
)
が空っぽになった動物のひもじさに過ぎないけれど、とにかく腹は
空
(
へ
)
っていた。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
腹は
空
(
へ
)
るし、
喉
(
のど
)
は渇くし、暑さで眼も
眩
(
くら
)
みそうな気がしました。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
要求する食物に
不味
(
まず
)
いものなしだから腹が
空
(
へ
)
るにかぎる。
味覚馬鹿
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
腹が
空
(
へ
)
りはしませんか。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
恭「あの親方がもう止せってえから、羽根を突くのは
明日
(
あした
)
におしよ、日が暮れると暗く成るよ、お
飯
(
まんま
)
を喰べないと腹が
空
(
へ
)
るとさ、早く寐ないと眠く成るとさ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
晩
(
おそ
)
くなった。晩くなった。あゝ、腹が
空
(
へ
)
った」
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「腹が
空
(
へ
)
ったろう、弁当でも食わんけゃ?」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
へえゝ
釣堀
(
つりぼり
)
さまとは。小「
何
(
なん
)
だね
釣堀
(
つりぼり
)
だね。梅「
有難
(
ありがた
)
い……
私
(
わたし
)
は二十一
日
(
にち
)
御飯
(
ごぜん
)
を
食
(
た
)
べないので、
腹
(
はら
)
の
空
(
へ
)
つたのが
通
(
とほ
)
り
過
(
す
)
ぎた
位
(
くらゐ
)
なので、小「ぢやア
合乗
(
あひの
)
りで
往
(
ゆ
)
かう。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「行こう。腹が
空
(
へ
)
った」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
小「お前さんは酒を三杯飲んだろうが、私は待ってる間にお
餅
(
かちん
)
を二タ切焼いて呉れたぎりだから腹が
空
(
へ
)
って仕様がない、もう直に
戌刻
(
よつ
)
になりますから早く
往
(
い
)
きましょう」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
常陸
(
ひたち
)
の国に
知己
(
しるべ
)
があるから金の無心に行ったが
当
(
あて
)
は外れ、少しでも金があれば
素
(
もと
)
より女郎でも買おうという
質
(
たち
)
、一文なしで腹が
空
(
へ
)
って怪しい物を着て、小短いのを
帯
(
さ
)
して
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
怖々
(
こわ/″\
)
四辺
(
あたり
)
を見ると、瓜番小屋に人もいない様だから、まア
好
(
い
)
い塩梅と腹が
空
(
へ
)
って
堪
(
たま
)
らぬから真桑瓜を食しましたが、庖丁がないから皮ごと
喫
(
かじ
)
り、空腹だから続けて
五個
(
いつつ
)
ばかり
喫
(
た
)
べ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わし
)
が重役と中の悪い処から此の様に浪人致し、お前は何も知らない身分で、住み馴れぬ裏家住居、
私
(
わし
)
に
内証
(
ないしょう
)
で
肌着
(
はだぎ
)
までも売ったようだが、腹の
空
(
へ
)
った顔も見せず、孝行を尽して呉れるに
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お供だで少し加減をすれば宜かったが、急いで
飲
(
や
)
っつけたで、えら腹が
空
(
へ
)
ったから、二合出たのを
皆
(
み
)
な
酌飲
(
くんの
)
んじまい、酔ぱらいになって、つい身体が横になったところから不調法をして
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
ど
)
うも
私
(
わたくし
)
は
腹
(
はら
)
が
空
(
へ
)
つて歩かれませぬ、
其上
(
そのうへ
)
塩梅
(
あんばい
)
が
悪
(
わる
)
うございまして。と
云
(
い
)
ふから
仕方
(
しかた
)
なしに
握飯
(
むすび
)
の
二個
(
ふたつ
)
に
銭
(
ぜに
)
の百か二百
遣
(
や
)
ると
当人
(
たうにん
)
は喜んで
其場
(
そのば
)
を
立退
(
たちの
)
くといふ。
是
(
これ
)
が
商売
(
しやうばい
)
になつて
居
(
ゐ
)
ました。
行倒の商売
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家は
無
(
ね
)
えんで、ふてっくされ
猪武者
(
いぬしゝむしゃ
)
、取っただけは飲んでしまっても仲間の
交際
(
つきあい
)
と云うものは妙なもんで、何うか斯うか腹ア
空
(
へ
)
れば飯い食ってまア……無理にという訳じゃアないんでげすが
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わし
)
ゃア
無一国
(
むいっこく
)
な人間で、
忌
(
いや
)
にお
侍
(
さむれえ
)
へ上手を
遣
(
つか
)
ったり、窮屈におっ
坐
(
つわ
)
る事が出来ねえから、
矢張
(
やっぱり
)
胡坐
(
あぐら
)
をかいて
草臥
(
くたび
)
れゝば寝転び、腹が
空
(
へ
)
ったら胡坐を掻いて、塩引の
鮭
(
しゃけ
)
で茶漬を
掻込
(
かっこ
)
むのが
旨
(
うめ
)
えからね
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
子供は
葭簀張
(
よしずッぱり
)
に並べてある大福餅を見附け、腹が
空
(
へ
)
ったと見え
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“空”の解説
空(そら、霄、en: sky)とは、地上から見上げたときに頭上に広がる空間のこと。天。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
“空”を含む語句
空腹
空洞
空虚
空想
空手
虚空
空間
蒼空
空嘯
空々
青空
空中
碧空
大空
空地
中空
空気
空車
空隙
空室
...