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澄渡
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すみわた
ふりがな文庫
“
澄渡
(
すみわた
)” の例文
改札口
(
かいさつぐち
)
を
冷
(
つめた
)
く
出
(
で
)
ると、
四邊
(
あたり
)
は
山
(
やま
)
の
陰
(
かげ
)
に、
澄渡
(
すみわた
)
つた
湖
(
みづうみ
)
を
包
(
つゝ
)
んで、
月
(
つき
)
に
照返
(
てりかへ
)
さるゝ
爲
(
ため
)
か、
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
く
艶
(
つや
)
やかに、
黒
(
くろ
)
く、
且
(
か
)
つ
玲瓏
(
れいろう
)
として
透通
(
すきとほ
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
艦長松島海軍大佐
(
かんちやうまつしまかいぐんたいさ
)
の
號令
(
がうれい
)
はいよ/\
澄渡
(
すみわた
)
つて
司令塔
(
しれいたふ
)
に
高
(
たか
)
く、
舵樓
(
だらう
)
には
神變
(
しんぺん
)
不可思議
(
ふかしぎ
)
の
手腕
(
しゆわん
)
あり。二千八百
噸
(
とん
)
の
巡洋艦
(
じゆんやうかん
)
操縱
(
さうじゆう
)
自在
(
じざい
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
天
(
あま
)
の
川
(
がわ
)
の
澄渡
(
すみわた
)
った空に
繁
(
しげ
)
った木立を
聳
(
そびや
)
かしている
今戸八幡
(
いまどはちまん
)
の前まで来ると、蘿月は
間
(
ま
)
もなく並んだ軒燈の間に
常磐津文字豊
(
ときわずもじとよ
)
と
勘亭流
(
かんていりゅう
)
で書いた妹の家の
灯
(
ひ
)
を認めた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
折柄
(
おりから
)
の
上潮
(
あげしお
)
に、
漫々
(
まんまん
)
たる
秋
(
あき
)
の
水
(
みず
)
をたたえた
隅田川
(
すみだがわ
)
は、
眼
(
め
)
のゆく
限
(
かぎ
)
り、
遠
(
とお
)
く
筑波山
(
つくばやま
)
の
麓
(
ふもと
)
まで
続
(
つづ
)
くかと
思
(
おも
)
われるまでに
澄渡
(
すみわた
)
って、
綾瀬
(
あやせ
)
から千
住
(
じゅ
)
を
指
(
さ
)
して
遡
(
さかのぼ
)
る
真帆方帆
(
まほかたほ
)
が
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
と
眩
(
まぶ
)
しさうに
仰向
(
あをむ
)
いた。
月
(
つき
)
は
時
(
とき
)
に
川浪
(
かはなみ
)
の
上
(
うへ
)
に
打傾
(
うちかたむ
)
き、
左右
(
さいう
)
に
薄雲
(
うすぐも
)
の
手
(
て
)
を
伸
(
の
)
べては、
思
(
おも
)
ふまゝに
光
(
ひかり
)
を
投
(
な
)
げ、
水
(
みづ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
十日
(
とをか
)
の
影
(
かげ
)
が
澄渡
(
すみわた
)
る。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
夫人
(
ふじん
)
と
少年
(
せうねん
)
とを
其
(
その
)
船室
(
キヤビン
)
に
送
(
おく
)
つて、
明朝
(
めうてう
)
を
契
(
ちぎ
)
つて
自分
(
じぶん
)
の
船室
(
へや
)
に
歸
(
かへ
)
つた
時
(
とき
)
、
八點鐘
(
はつてんしよう
)
の
號鐘
(
がうしよう
)
はいと
澄渡
(
すみわた
)
つて
甲板
(
かんぱん
)
に
聽
(
きこ
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
天
(
あま
)
の
川
(
がは
)
の
澄渡
(
すみわた
)
つた空に繁つた
木立
(
こだち
)
を
聳
(
そびや
)
かしてゐる
今戸八幡
(
いまどはちまん
)
の前まで来ると、
蘿月
(
らげつ
)
は
間
(
ま
)
もなく並んだ
軒燈
(
けんとう
)
の間に
常磐津
(
ときはづ
)
文字豊
(
もじとよ
)
と
勘亭流
(
かんていりう
)
で書いた妹の家の
灯
(
ひ
)
を認めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
茫
(
ぼっ
)
となって、辻に立って、前夜の雨を
怨
(
うら
)
めしく、空を
仰
(
あお
)
ぐ、と
皎々
(
こうこう
)
として
澄渡
(
すみわた
)
って、銀河一帯、近い山の
端
(
は
)
から
玉
(
たま
)
の橋を
町家
(
まちや
)
の屋根へ投げ懸ける。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夏の日は
已
(
すで
)
に沈んで、空一面の夕焼は堀割の
両岸
(
りょうがん
)
に立並んだ土蔵の白壁をも一様に薄赤く染めなしていると、その
倒
(
さかさま
)
なる家の影は更に美しく満潮の
澄渡
(
すみわた
)
った川水の中に漂い動いている。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
白菊
(
しらぎく
)
の
咲
(
さ
)
く
頃
(
ころ
)
、
大屋根
(
おほやね
)
へ
出
(
で
)
て、
棟瓦
(
むねがはら
)
をひらりと
跨
(
また
)
いで、
高
(
たか
)
く、
高
(
たか
)
く、
雲
(
くも
)
の
白
(
しろ
)
きが、
微
(
かすか
)
に
動
(
うご
)
いて、
瑠璃色
(
るりいろ
)
に
澄渡
(
すみわた
)
つた
空
(
そら
)
を
仰
(
あふ
)
ぐ
時
(
とき
)
は、あの、
夕立
(
ゆふだち
)
の
夜
(
よ
)
を
思出
(
おもひだ
)
す……そして
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
うらゝかに
澄渡
(
すみわた
)
りて
狭霧
(
さぎり
)
なき空気に
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
きのふは
仲秋
(
ちうしう
)
十五夜
(
じふごや
)
で、
無事
(
ぶじ
)
平安
(
へいあん
)
な
例年
(
れいねん
)
にもめづらしい、
一天
(
いつてん
)
澄渡
(
すみわた
)
つた
明月
(
めいげつ
)
であつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
棟瓦
(
むねがわら
)
をひらりと
跨
(
また
)
いで、高く、高く、雲の白きが、
微
(
かすか
)
に動いて、
瑠璃色
(
るりいろ
)
に
澄渡
(
すみわた
)
った空を仰ぐ時は、あの、夕立の夜を
思出
(
おもいだ
)
す……そして、美しく清らかな母の懐にある
幼児
(
おさなご
)
の身にあこがれた。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時に
蒼空
(
あおぞら
)
の
澄渡
(
すみわた
)
った
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
澄
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
渡
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“澄”で始まる語句
澄
澄明
澄切
澄江
澄徹
澄憲
澄透
澄心
澄見
澄澈