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慘憺
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さんたん
ふりがな文庫
“
慘憺
(
さんたん
)” の例文
新字:
惨憺
間斷
(
かんだん
)
なく
消耗
(
せうまう
)
して
行
(
ゆ
)
く
肉體
(
にくたい
)
の
缺損
(
けつそん
)
を
補給
(
ほきふ
)
するために
攝取
(
せつしゆ
)
する
食料
(
しよくれう
)
は一
椀
(
わん
)
と
雖
(
いへど
)
も
悉
(
こと/″\
)
く
自己
(
じこ
)
の
慘憺
(
さんたん
)
たる
勞力
(
らうりよく
)
の一
部
(
ぶ
)
を
割
(
さ
)
いて
居
(
ゐ
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
平次は
筵
(
むしろ
)
を取りました。その下にある死骸は、
醜
(
みにく
)
い恰好に崩折れた若黨の三次で、小意氣な男前も斯うなつては
慘憺
(
さんたん
)
たるものです。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたくし
)
は
此時
(
このとき
)
まで
殆
(
ほと
)
んど
喪心
(
そうしん
)
の
有樣
(
ありさま
)
で、
甲板
(
かんぱん
)
の
一端
(
いつたん
)
に
屹立
(
つゝた
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
此
(
この
)
慘憺
(
さんたん
)
たる
光景
(
ありさま
)
に
眼
(
まなこ
)
を
注
(
そゝ
)
いで
居
(
を
)
つたが、ハツと
心付
(
こゝろつ
)
いたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いはゆる
文化的都市
(
ぶんくわてきとし
)
が
發達
(
はつたつ
)
すればするほど、
災害
(
さいがい
)
が
慘憺
(
さんたん
)
となる。
從
(
したが
)
つて
震災
(
しんさい
)
に
對
(
たい
)
しても
防備
(
ばうび
)
の
考
(
かんが
)
へが
起
(
お
)
こる。が、これも
比較的
(
ひかくてき
)
新
(
あた
)
らしい
時代
(
じだい
)
に
屬
(
ぞく
)
する。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
ブリキの鐵瓶に
入
(
い
)
れて、ゴトリ/\と
煮
(
に
)
て、いや、うでて、そつと
醤油
(
したぢ
)
でなしくづしに
舐
(
な
)
めると
言
(
い
)
ふ。——
恁
(
か
)
う
成
(
な
)
つては、
湯豆府
(
ゆどうふ
)
も
慘憺
(
さんたん
)
たるものである。……
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
其の時、周三の頭に、
幻
(
まぼろし
)
の
如
(
ごと
)
く映ツたのは、都會生活の
慘憺
(
さんたん
)
たる
状態
(
じやうたい
)
だ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
一足入ると、此處は更に
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣です。かなり取亂した中に床を敷いて、町内の外科が、新助の傷の手當をして居るところへ
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さうかといつて
其
(
そ
)
れ
等
(
ら
)
の
肥料
(
ひれう
)
なしには
到底
(
たうてい
)
一
般
(
ぱん
)
に
定
(
さだ
)
められてある
小作料
(
こさくれう
)
を
支拂
(
しはら
)
ふ
丈
(
だけ
)
の
收穫
(
しうくわく
)
は
得
(
え
)
られないので
慘憺
(
さんたん
)
たる
工夫
(
くふう
)
が
彼等
(
かれら
)
の
心
(
こゝろ
)
を
往來
(
わうらい
)
する。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
左舷
(
さげん
)
の
當番
(
たうばん
)
水夫
(
すゐふ
)
は
今
(
いま
)
や
確
(
たしか
)
に
星火
(
せいくわ
)
迸
(
ほとばし
)
り、
火箭
(
くわせん
)
飛
(
と
)
ぶ
慘憺
(
さんたん
)
たる
難破船
(
なんぱせん
)
の
信號
(
しんがう
)
を
認
(
みと
)
めて
居
(
を
)
るには
相違
(
さうゐ
)
ないのだが、
何故
(
なぜ
)
か
平然
(
へいぜん
)
として
動
(
どう
)
ずる
色
(
いろ
)
もなく、
籠手
(
こて
)
を
翳
(
かざ
)
して
其方
(
そなた
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
るのみ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
中はまことに
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣で、檢屍前の死骸は、僅かに隣りの部屋に取込んでありますが、
盃盤
(
はいばん
)
と血潮と、手のつけやうのない混亂です。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
塲内
(
じやうない
)
の
光景
(
くわうけい
)
は
實
(
じつ
)
に
慘憺
(
さんたん
)
たるもので、
濁浪
(
だくらう
)
怒濤
(
どたう
)
は
一方
(
いつぽう
)
の
岩壁
(
いわかべ
)
を
突破
(
つきやぶ
)
つて、
奔流
(
ほんりう
)
の
如
(
ごと
)
く
其處
(
そこ
)
から
浸入
(
しんにふ
)
したものと
見
(
み
)
へ、
其
(
その
)
直
(
す
)
ぐ
側
(
そば
)
の、
兼
(
かね
)
て
發動藥液
(
はつどうやくえき
)
の
貯藏
(
ちよぞう
)
せられて
居
(
を
)
つた
小倉庫
(
せうさうこ
)
の
鐵
(
てつ
)
の
扉
(
とびら
)
は
微塵
(
みぢん
)
に
碎
(
くだ
)
かれて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
大刀を引きつけて、クワツと眼を
剥
(
む
)
いたのは、凡そ
汚
(
きた
)
なづくりの、四十七八の浪人者、何をして暮してゐるのか、まこと
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣です。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今も開いて居る窓から、此
慘憺
(
さんたん
)
たる樣子を覗いたとしたら、これは若い娘に取つては、恐怖以上のシヨツクだつたでせう。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
逃げて行く二三人を追ひ掛けた幸七は、五六間も追つ驅けて、
漸
(
やうや
)
く提灯を一つ借りて來ると、
慘憺
(
さんたん
)
たる現場がマザマザと照らし出されるのでした。
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
死骸の側に進んだ平次は、その
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣に先づ息を呑みました。若樣有馬之助は、左の
顳顬
(
こめかみ
)
を割られ、顏が曲つたやうになつて死んで居るのです。
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大抵の人は一と通り拭いて居りますが、まだ洗ふ
隙
(
すき
)
はなかつたと見えて、若旦那の草之助や掛り人のお富の
華奢
(
きやしや
)
な手などは、まことに
慘憺
(
さんたん
)
たる泥まみれです。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣を眺めて、多之助の女房だつた、妖艶無比のお若は、部屋一パイに飛散る血を、滿山の花とでも思つたか、
雛毛氈
(
ひなまうせん
)
を敷いて、冷酒を
呷
(
あふ
)
り乍ら
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そんな事を言つてゐるうちに、先に立つた八五郎は、中から勇次郎の部屋を開けて、縁側に立つた平次に、
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣を一と目に見えるやうにしてやりました。
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
念佛氣のない八五郎も、思はず片手拜みに、あわてて蓋をさせたほど、それは
慘憺
(
さんたん
)
たるものでした。
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その上布團を掛けて押へたらしく床の亂れやうや、掛布團の
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣など、平次は念入りに調べた上、平次の眼は床の側に置いた血染の脇差とその
鞘
(
さや
)
に注がれました。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二階までは木口が古く、三階への
階子段
(
はしごだん
)
から上が、眞新しいのはその爲で、その眞新しい階子段から、もう血潮の洪水に浸つて、足の踏みども無いほどの
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣です。
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寶掘りといふものは、どんなに
慘憺
(
さんたん
)
たるものか、今の人は大方忘れてしまつたことでせう。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
慘憺
(
さんたん
)
たる中を一通り見て廻つた後で、平次は笹野新三郎と萬七を縁側に
誘
(
さそ
)
ひ出しました。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いづれも
天竺
(
てんぢく
)
の名木で作つたものでせう、
色彩
(
しきさい
)
も
剥落
(
はくらく
)
してまことに
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣ですが、男女二體の
彫像
(
てうざう
)
の内、男體の額に
鏤
(
ちりば
)
めた夜光の珠は
燦然
(
さんぜん
)
として
方丈
(
はうぢやう
)
の堂内を睨むのでした。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
木枯の吹いた後の雜木林のやうな淋しい世帶は、八五郎の巣よりも
慘憺
(
さんたん
)
たるものです。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
月にさらされた
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣を遠く眺めて、路地の外の彌次馬も聲を呑みました。
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
明る過ぎるほどの晝過ぎの陽を受けて、それは實に
慘憺
(
さんたん
)
たる姿でした。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ろくな親類もある筈はなく、町内附き合ひもいゝ加減で、合長屋の月番の老爺が、お義理だけの顏を出して、へゞれけの辰五郎のお
守
(
もり
)
を、迷惑さうにやつてゐるといふ、いかにも
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣です。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まことに二た目とは見られない、
慘憺
(
さんたん
)
たる死にやうです。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お縫の部屋の中は、豫想以上に
慘憺
(
さんたん
)
たるものでした。
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
徳三郎の指した光景は、全く
慘憺
(
さんたん
)
たるものです。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
慘
部首:⼼
14画
憺
漢検1級
部首:⼼
16画
“慘”で始まる語句
慘
慘害
慘酷
慘事
慘劇
慘殺
慘状
慘々
慘忍
慘澹