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悲痛
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ひつう
ふりがな文庫
“
悲痛
(
ひつう
)” の例文
街頭
(
がいとう
)
へ
身
(
み
)
をさらし、
雪
(
ゆき
)
まじりの
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
く
中
(
なか
)
で、バイオリンを
弾
(
ひ
)
き、
悲痛
(
ひつう
)
の
唄
(
うた
)
をうたって、
道
(
みち
)
ゆく
人
(
ひと
)
の
足
(
あし
)
を
止
(
と
)
めようとしました。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
兄が
呶鳴
(
どな
)
っています。とても
悲痛
(
ひつう
)
な叫び声です。今までにあんな声を兄が出したことを知りません。恐ろしい一大事が
勃発
(
ぼっぱつ
)
したに違いありません。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
赤裸々
(
せきらゝ
)
に、
眞面目
(
まじめ
)
に、
謙遜
(
けんそん
)
に
悔
(
く
)
ゐることの、
悲痛
(
ひつう
)
な
悲
(
かな
)
しみと、しかしながらまた
不思議
(
ふしぎ
)
な
安
(
やすら
)
かさとをも
併
(
あは
)
せて
經驗
(
けいけん
)
した。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
大伴
(
おおとも
)
ノ
御行
(
みゆき
)
、粗末な
狩猟
(
かり
)
の
装束
(
しょうぞく
)
で、左手より登場。中年男。
荘重
(
そうちょう
)
な歩みと、
悲痛
(
ひつう
)
な表情をとり
繕
(
つくろ
)
っているが、時として彼のまなざしは
狡猾
(
こうかつ
)
な輝きを
露呈
(
ろてい
)
する。………
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
あらゆる
醜状
(
しゅうじょう
)
を
世間
(
せけん
)
にさらした
生
(
い
)
きがいなき
不幸
(
ふこう
)
な母と思いつめると、ありし世の
狂母
(
きょうぼ
)
の
惨状
(
さんじょう
)
やわが
身
(
み
)
の
過去
(
かこ
)
の
悲痛
(
ひつう
)
やが、いちいち
記憶
(
きおく
)
から
呼
(
よ
)
び起こされるのである。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
烈
(
はげ
)
しい
西風
(
にしかぜ
)
が
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えぬ
大
(
おほ
)
きな
塊
(
かたまり
)
をごうつと
打
(
う
)
ちつけては
又
(
また
)
ごうつと
打
(
う
)
ちつけて
皆
(
みな
)
痩
(
やせ
)
こけた
落葉木
(
らくえふぼく
)
の
林
(
はやし
)
を一
日
(
にち
)
苛
(
いぢ
)
め
通
(
とほ
)
した。
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
は
時々
(
とき/″\
)
ひう/\と
悲痛
(
ひつう
)
の
響
(
ひゞき
)
を
立
(
た
)
てゝ
泣
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
こけももがいつかなくなって
地面
(
じめん
)
は
乾
(
かわ
)
いた
灰
(
はい
)
いろの
苔
(
こけ
)
で
覆
(
おお
)
われところどころには赤い苔の花もさいていました。けれどもそれはいよいよつめたい高原の
悲痛
(
ひつう
)
を
増
(
ま
)
すばかりでした。
インドラの網
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
他のものはこれを
護衛
(
ごえい
)
して、左門洞にひきあげた、しかし道は
平坦
(
へいたん
)
ではない、たんかは
動揺
(
どうよう
)
した、そのたびに
架上
(
かじょう
)
のドノバンは、
悲痛
(
ひつう
)
な
呻吟
(
しんぎん
)
をもらした、このうめきをきく富士男の心は
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
と、努めて
悲痛
(
ひつう
)
なものを自分の声にあらわすまいとするもののようにいった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久慈の、
悲痛
(
ひつう
)
なる叫びごえは、そこではたと
杜絶
(
とだ
)
えた。通信機の前を彼が離れたのであった。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
文麻呂 (
悲痛
(
ひつう
)
な声をしぼって)小野ッ! 何を云うんだッ! 待ってくれ!……小野ッ!
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
然
(
しか
)
しそれで
居
(
ゐ
)
ながら
彼
(
かれ
)
は
悲痛
(
ひつう
)
から
來
(
く
)
る
憤懣
(
ふんまん
)
の
情
(
じやう
)
が、
只
(
たゞ
)
其
(
その
)
瘡痍
(
きず
)
を
何人
(
なんぴと
)
にも
實際
(
じつさい
)
以上
(
いじやう
)
に
重
(
おも
)
く
見
(
み
)
せもし
見
(
み
)
られもしたい
果敢
(
はか
)
ない
念慮
(
ねんりよ
)
を
湧
(
わ
)
かしむることより
外
(
ほか
)
に
何物
(
なにもの
)
をも
有
(
も
)
たなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
風
(
かぜ
)
は、いちだんと
悲痛
(
ひつう
)
な
調子
(
ちょうし
)
になって
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
悲痛
(
ひつう
)
な声が、
血煙
(
ちけむり
)
のなかに残った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と次郎が
悲痛
(
ひつう
)
な声でさけんだ。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
彼
(
かれ
)
は一
度
(
ど
)
でもおつぎが
自分
(
じぶん
)
を
離
(
はな
)
れたことを
發見
(
はつけん
)
し
或
(
あるひ
)
は
意識
(
いしき
)
しては一
種
(
しゆ
)
の
嫉妬
(
しつと
)
を
感
(
かん
)
ぜずには
居
(
を
)
られなかつた。
彼
(
かれ
)
はさうして
悲痛
(
ひつう
)
の
感
(
かん
)
に
責
(
せ
)
め
訶
(
さいな
)
まれた。
村落
(
むら
)
の
若者
(
わかもの
)
は
彼
(
かれ
)
の
爲
(
ため
)
には
仇敵
(
きうてき
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と検事は
悲痛
(
ひつう
)
な
面持
(
おももち
)
で、あらぬ方を見つめた。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
巽小文治
(
たつみこぶんじ
)
は、
悲痛
(
ひつう
)
なこえでいった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかにも
悲痛
(
ひつう
)
な色をうかべた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悲
常用漢字
小3
部首:⼼
12画
痛
常用漢字
小6
部首:⽧
12画
“悲”で始まる語句
悲
悲哀
悲惨
悲鳴
悲愴
悲歎
悲壮
悲愁
悲劇
悲嘆