“狂母”の読み方と例文
読み方割合
きょうぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あらゆる醜状しゅうじょう世間せけんにさらしたきがいなき不幸ふこうな母と思いつめると、ありし世の狂母きょうぼ惨状さんじょうやわが過去かこ悲痛ひつうやが、いちいち記憶きおくからび起こされるのである。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
今夜こんやはじつにこみいった感情かんじょうが、せまい女のむねににえくり返ったけれど、ともかくもじっと堪忍かんにんして、狂母きょうぼの死をげにきてくれた人たちに、それほどに礼儀れいぎを失わなかった。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
お政は長いあいだに思っていた狂母きょうぼが、きょう人なみに終わったと聞いて、一どはむねなでおろして安心したものの、さすがにわすれがたき母の死を感じては、こころさびしくもありかなしくもある。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)