御兩親ごりやうしん)” の例文
新字:御両親
御兩親ごりやうしん御利益ごりやくで、まだ、まあうやつておほまかなところは、くもかすみと、見分みわけのきまするのが、つけものでござります。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
植村樣うゑむらさまはしてくださるか、むゝはしてる、んでもる、はやくなほつて御兩親ごりやうしん安心あんしんさせてれ、いかとへば、あゝ明日あしたなほりまするとはゞかりもなくひけり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
最惜いとしげな。はやくから御兩親ごりやうしんにおわかれなすつた貴下あなたでござります。格別かくべつのお心持こゝろもち、おはかまつかぜおとが、みねからして此處こゝまでなあ……なまいだぶ、なまいだぶ、なまいだぶ、……
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すでにそれはひとつてことなり遺書ゐしよによつてあきらかではないか、かんがなほして正氣しやうきになつて、其後そのごことはおまへこゝろまかせるからおもふまゝのるがい、御兩親ごりやうしんのあることわすれないで
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
主從しゆうじうあひだどくなどゝの御懸念ごけねんあるはずなし、おまへさまのおん御病氣ごびやうきそのほか何事なにごとありても、それはみな小生おのれつみなり、御兩親ごりやうしんさまのお位牌ゐはいさては小生おのれなき兩親おやたいして雪三せつざうなん申譯まうしわけなければ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まへ此樣このやう本心ほんしん取亂とりみだして御兩親ごりやうしんなげきをかけるとふはわからぬではないか、れにたいしておまへ處置しよち無情むじやうであつたもれはけつしてうらんではなかつた、れは道理だうりつてをとこであらう、な
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かゝらではもどらるゝことかはさるにても此病人このびやうにんのうへにこの生計くらしみぎひだりもおひとつにりかゝるよしさまが御心配ごしんぱいさぞなるべし尋常つねなみならば御兩親ごりやうしん見取みと看護かんごもすべき餘所よそ見聞みきくるしさよとかへなみだむねみてさしのぞかんとする二枚戸にまいど
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
或時あるとききしにおたかおなじくなみだになりてわたしこゝろるものは和女そなたばかりよしさまのことはおもりても御兩親ごりやうしん行末ゆくすゑ心配しんぱいなり明日あすえんきなばかく自由じいうかなふまじ其時そのときたのむは和女そなたぞかしとゝさまのおこゝろよくりて松澤まつざはさまとのなかむかしとほりにしてしゝひとつがおたのみぞとて兩手りやうて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)