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ごりやうしん
既にそれは
人も
知つて
居る
事なり
遺書によつて
明かではないか、
考へ
直して
正氣になつて、
其後の
事はお
前の
心に
任せるから
思ふまゝの
世を
經るが
宜い、
御兩親のある
事を
忘れないで
主從の
間に
氣の
毒などゝの
御懸念ある
筈なし、お
前さまのおん
身に
御病氣その
外何事ありても、
夫はみな
小生が
罪なり、
御兩親さまのお
位牌さては
小生が
亡兩親に
對して
雪三何の
申譯なければ
お
前が
此樣に
本心を
取亂して
御兩親に
歎をかけると
言ふは
解らぬではないか、
彼れに
對してお
前の
處置の
無情であつたも
彼れは
決して
怨んでは
居なかつた、
彼れは
道理を
知つて
居る
男であらう、な