山鳥やまどり)” の例文
「これから、いろいろのとりが、うらはやしへくる。ゆきると、山鳥やまどりもうさぎもくる。そうしたら、ってやるぞ。」といわれました。
おかまの唄 (新字新仮名) / 小川未明(著)
紹介状もたずさえずに、取次を通じて、面会を求めるので、座敷へしょうじたら、青年は大勢いる所へ、一羽の山鳥やまどりげて這入はいって来た。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なんぼ山鳥やまどりのおろのかゞみで、頤髯あごひげでたところで、えだで、のこぎり使つかひ/\、さるあしならんだしりを、したからせてはつこちねえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日の出前に城に上り、浅黄木綿のぶっさきの羽織のうしろから、山鳥やまどりの尾のように大刀のこじりをつきだし、思入れ深く、姫山ひめやまにつづく草むらを歩きまわっていた。
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
新兵衛の女房の介錯かいぞえで、お菊を隣村の夜祭りへ連れ出したことや、雉子きじが鳴いたり、山鳥やまどりが飛んだりする
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
となうには雷上動らいじょうどうというゆみ黒鷲くろわしはねではいた水破すいはというと、山鳥やまどりはねではいた兵破ひょうはというたせました。早太はやたには骨食ほねくいという短刀たんとうふところれてもたせました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
勝手元かってもと御馳走ごちそう仕度したくだ。人夫がって来た茶盆大ちゃぼんだい舞茸まいたけは、小山の如くむしろまれて居る。やがて銃をうてアイヌが帰って来た。腰には山鳥やまどりを五羽ぶら下げて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あしひきの山鳥やまどりしだなが長夜ながよ一人ひとりかも宿む 〔巻十一・二八〇二〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
鳥で申せばきじ山鳥やまどりは蛇を食べますから雉と山鳥は冬の寒い時に殺してからやっぱり一週間の後でなければ食用になりません。雉や山鳥の肉も猪の肉と同じように腫物や疵口は膿を持たせます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
影におぼるゝ山鳥やまどり
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
その草染くさぞめの左の袖に、はらはらと五片三片いつひらみひらくれないを点じたのは、山鳥やまどり抜羽ぬけはか、あらず、ちょうか、あらず、蜘蛛くもか、あらず、桜の花のこぼれたのである。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木の葉を被り、草に突伏つッぷしても、すくまりましても、きじ山鳥やまどりより、心のひけめで、見つけられそうに思われて、気が気ではありません。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
したがけに、山鳥やまどりいた蜃氣樓しんきろうごと白壁造しらかべづくり屋根やねいしさへ群青ぐんじやういは斷片かけららす。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……いまのおんな門外もんそとまで、それを送ると、入違いに女中が、端近はしぢかへ茶盆を持って出て、座蒲団をと云った工合で?……うしろに古物こぶつ衝立ついたてが立って、山鳥やまどりの剥製が覗いている。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されば水筋みづすぢゆるむあたり、水仙すゐせんさむく、はなあたゝかかをりしか。かりあとの粟畑あはばたけ山鳥やまどり姿すがたあらはに、引棄ひきすてしまめからさら/\とるをれば、一抹いちまつ紅塵こうぢん手鞠てまりて、かろちまたうへべり。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つたかつら山鳥やまどりよ。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)