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天晴
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あつぱれ
ふりがな文庫
“
天晴
(
あつぱれ
)” の例文
君の御馬前に
天晴
(
あつぱれ
)
勇士の名を
昭
(
あらは
)
して
討死
(
うちじに
)
すべき
武士
(
ものゝふ
)
が、何處に二つの命ありて、歌舞優樂の遊に
荒
(
すさ
)
める所存の程こそ知られね。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
右
(
みぎ
)
相濟
(
あひすみ
)
屑屋長八は娘お幸の
戻
(
もど
)
りしを喜び
頓
(
やが
)
て
聟
(
むこ
)
を
娶
(
とり
)
て小切店に
商賣替
(
しやうばいがへ
)
をなし家内益々
繁昌
(
はんじやう
)
しけるとぞ又大橋文右衞門は
心懸
(
こゝろがけ
)
天晴
(
あつぱれ
)
なる者に
付
(
つき
)
目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幼君
(
えうくん
)
其時
(
そのとき
)
「これにてよきか」と
彼
(
か
)
の
者
(
もの
)
に
尋
(
たづ
)
ねたまへり。「
天晴
(
あつぱれ
)
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
く
候
(
さふらふ
)
」と
只管
(
ひたすら
)
に
賞
(
ほ
)
め
稱
(
たゝ
)
へつ。
幼君
(
えうくん
)
かさねて、「いかに
汝
(
なんじ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
協
(
かな
)
へるか、」
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
げに
天晴
(
あつぱれ
)
なる廣言なるかな。逍遙子をばまことに何人もえ倒さゞるべし。後沒理想論をばまことに誰もえ破らざるべし。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
隆三は恩人に報ゆるにその短き
生時
(
せいじ
)
を
以
(
もつ
)
て
慊
(
あきた
)
らず思ひければ、とかくはその忘形見を
天晴
(
あつぱれ
)
人と成して、彼の一日も忘れざりし志を継がんとせるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
ぬかれるね。いやはや、どうも、敵ながら
天晴
(
あつぱれ
)
な武芸者だ。あんたはたしかに忍びの術の心得があるね
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
佐太夫は
天晴
(
あつぱれ
)
、粋の女王なり。然れども余は佐太夫を得て、明治文学の為に泣かざるを得ず。
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
此頃も奥様の御不在の節、私を御部屋へ
御招
(
おまねき
)
になりまして、雪の
紀念
(
かたみ
)
の梅だから、何卒
天晴
(
あつぱれ
)
な
婿
(
むこ
)
を取らせたいと思ふんで、松島は少こし年を取過ぎて
且
(
か
)
つは後妻と云ふのだから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
その父は、半歳程経つて、近所に火事のあつた時、人先に水桶を
携
(
も
)
つて会堂の屋根に上つて、足を辷らして落ちて死んだ。
天晴
(
あつぱれ
)
な殉教者だと口を極めて布教師は作松の徳を讃へた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ひとりとは面白し。汝も
天晴
(
あつぱれ
)
なる少年なり。我と共に法皇の護衞に入らずや。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
天晴
(
あつぱれ
)
、汝チュウクロス、覇者テラモーンのいみじき子
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
兎
(
と
)
ても角ても叶はぬ命ならば、御所の
礎
(
いしずゑ
)
枕
(
まくら
)
にして、
魚山
(
ぎよさん
)
の
夜嵐
(
よあらし
)
に
屍
(
かばね
)
を吹かせてこそ、
散
(
ち
)
りても
芳
(
かんば
)
しき
天晴
(
あつぱれ
)
名門
(
めいもん
)
の
末路
(
まつろ
)
なれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
閉
(
とぢ
)
て控へたり此時
名主
(
なぬし
)
甚左衞門進出て申す樣只今願の
趣
(
おもむ
)
き
委細
(
ゐさい
)
承知
(
しようち
)
致したり扨々驚き入たる
心底
(
しんてい
)
幼年には勝りし
發明
(
はつめい
)
天晴
(
あつぱれ
)
の心立なり斯迄
思込
(
おもひこみ
)
し事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
舟の横浜を離るるまでは、
天晴
(
あつぱれ
)
豪傑と思ひし身も、せきあへぬ涙に
手巾
(
しゆきん
)
を濡らしつるを我れ
乍
(
なが
)
ら怪しと思ひしが、これぞなか/\に我本性なりける。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一
(
ひとた
)
び罪を犯しても、かうして悔悟して自殺を為たのは、実に見上げた精神だ。さうなけりや成らん、
天晴
(
あつぱれ
)
だぞ。それでこそ始て人間たるの
面目
(
めんもく
)
が立つのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
るに
御家來
(
ごけらい
)
に
天晴
(
あつぱれ
)
器量人
(
きりやうじん
)
候
(
さふらふ
)
とな、
祝着
(
しふぢやく
)
申
(
まを
)
す。さて
其者
(
そのもの
)
を
取立
(
とりた
)
つるに
就
(
つ
)
きて、
御懸念
(
ごけねん
)
のほども
至極致
(
しごくいた
)
せり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
嗚呼過てり/\、
弓矢
(
ゆみや
)
の家に
生
(
う
)
まれし身の、
天晴
(
あつぱれ
)
功名手柄して、勇士の譽を後世に殘すこそ此世に於ける本懷なれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
も
厭
(
いと
)
ひなく是より兩人打連れ立ち松山
指
(
さし
)
てたどりけり
實
(
げ
)
に後藤秀盛の仁勇
天晴
(
あつぱれ
)
の武士と謂つべし扨又五左衞門は道すがら種々の物語りをなし半四郎の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
又お前にしても、学問を仕上げて、なう、
天晴
(
あつぱれ
)
の人物に成るのが第一の
希望
(
のぞみ
)
であらう。その志を
遂
(
と
)
げさへ為れば、宮と一所になる、ならんはどれ程の事でもないのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
文久二年に鹿太は十五歳で元服して、
額髪
(
ひたひがみ
)
を
剃
(
そ
)
り落した。骨組の
逞
(
たく
)
ましい、大柄な子が、
大綰総
(
おほたぶさ
)
に結つたので
天晴
(
あつぱれ
)
大人
(
おとな
)
のやうに見えた。通称四郎左衛門、
名告
(
なのり
)
は
正義
(
まさよし
)
となつた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
旅順
(
りよじゆん
)
の
吉報
(
きつぱう
)
傳
(
つた
)
はるとともに
幾干
(
いくばく
)
の
猛將
(
まうしやう
)
勇士
(
ゆうし
)
、
或
(
あるひ
)
は
士卒
(
しそつ
)
——
或
(
あるひ
)
は
傷
(
きず
)
つき
骨
(
ほね
)
も
皮
(
かは
)
も
散々
(
ちり/″\
)
に、
影
(
かげ
)
も
留
(
とゞ
)
めぬさへある
中
(
なか
)
に
夫
(
をつと
)
は
天晴
(
あつぱれ
)
の
功名
(
こうみやう
)
して、
唯
(
たゞ
)
纔
(
わづか
)
に
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
に
微傷
(
かすりきず
)
を
受
(
う
)
けたばかりと
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
刮目
(
くわつもく
)
して待つて
居
(
を
)
ると、
都
(
みやこ
)
の
花
(
はな
)
なる者が出た、本も
立派
(
りつぱ
)
なれば、
手揃
(
てぞろひ
)
でもあつた、
而
(
さう
)
して
巻頭
(
くわんたう
)
が
山田
(
やまだ
)
の文章、
憎
(
にく
)
むべき
敵
(
てき
)
ながらも
天晴
(
あつぱれ
)
書きをつた、
彼
(
かれ
)
の文章は
確
(
たしか
)
に二三
段
(
だん
)
進んだと見た
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
太吉は
天晴
(
あつぱれ
)
気を利かした積りで主人に言つた。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“天晴”の意味
《名詞》
天晴(テンセイ)
空が晴れわたること。天青。
《形容動詞・感動詞》
天晴(あっぱれ)
「あっぱれ」の漢字表記。
(出典:Wiktionary)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
晴
常用漢字
小2
部首:⽇
12画
“天晴”で始まる語句
天晴々々
天晴天晴
天晴武者振