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しゆつぱつ
讀者諸君は
未だ
御記臆だらう。
我が
弦月丸が
將に子ープルス
港を
出發せんとした
時、
何故ともなく
深く
私の
眼に
留つた
一隻の
怪の
船を。
お
蔭で
名譽は
助かつた。もう
出發しませう。
這麼不徳義極る
所に一
分だつて
留つてゐられるものか。
掏摸ども
奴、
墺探ども
奴。
以上略述した
如く、
日本家屋が
木造を
以て
出發し、
木造を
以て
發達したのは、
國土に
特産する
豊富なる
木材のためであつて、
地震の
爲ではない。
さて、
取るものも
取りあへず
福井の
市を
出發した。これが
鎭守府の
病院に、
夫を
見舞ふ
首途であつた。
兩者ともに
震原から
同時に
出發し、
同じ
途を
通つて
來るのであるけれども、
初期微動は
速度大に、
主要動はそれが
小なるために
斯く
前後に
到着することになるのである。
いよ/\といふ
日が
來た。
荷物といふ
荷物は、すつかり
送られた。まづ
男が
一足先きに
出發して
先方の
都合を
整へ、それから
電報を
打つて
彼女と
子供を
招ぶといふ
手筈であつた。
大佐閣下、
鐵車も
見事に
出來ましたれば、
善は
急げで
今から
直ぐと
紀念塔を
建てに
出發しては
如何でせう、すると
氣も
晴々しますから。
これは
近時建築に
對する
世人の
態度が
極めて
眞面目になり、
徹底的に
建築の
根本義を
解決し、
夫れから
出發して
建築を
起さうと
云ふ
考へから
出たことで
友は
態々休暇を
取つて、
恁く
自分と
共に
出發したのでは
無いか。
深き
友情によつてゞは
無いか、
親切なのでは
無いか。
然し
實に
是程有難迷惑の
事が
又と
有らうか。
降參だ、
眞平だ。