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上衣
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うはぎ
ふりがな文庫
“
上衣
(
うはぎ
)” の例文
張箍
(
はりわ
)
の
女袴
(
をんなばかま
)
を
穿
(
は
)
いた
官女
(
くわんぢよ
)
よ、
橡
(
とち
)
の
木
(
き
)
よ、
三葉形
(
みつばがた
)
の
縫
(
ぬひ
)
を置いて、鳥の
羽根
(
はね
)
の飾をした
上衣
(
うはぎ
)
を
曳
(
ひき
)
ずる
官女
(
くわんぢよ
)
よ、
大柄
(
おほがら
)
で
權高
(
けんだか
)
で、
無益
(
むやく
)
の
美形
(
びけい
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
黒絹
(
くろぎぬ
)
の
上衣
(
うはぎ
)
は壁に掛けてあつた。泥の
汚點
(
しみ
)
は綺麗に落されてゐる、濡れて出來た皺も延ばしてある、すつかりきちんとしてゐたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ジヤケツの
上衣
(
うはぎ
)
の長いのや
裳
(
も
)
の大きく
拡
(
ひろ
)
がつたのなどは、昔長崎へ来た
和蘭船
(
オランダぶね
)
の絵の女を見る様に古風である
丈
(
だけ
)
今日
(
こんにち
)
の目には
田舎
(
ゐなか
)
臭い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
眺め廻す
中
(
うち
)
に、女は早や帽子を
脱
(
と
)
り、
上衣
(
うはぎ
)
を脱ぎ、白く短き
下衣
(
シユミーズ
)
一ツになりて、余が
傍
(
かたへ
)
なる椅子に腰掛け、巻煙草を喫し始め候。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
金線にかざられた黒い四角な帽子をかぶり、
真白
(
まつしろ
)
な服の上に、赤と金との模様のついた
上衣
(
うはぎ
)
をつけて、太い長い珠数を手にしてゐました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
長い廊下の果に、主人の
花紋
(
くわもん
)
を
印
(
いん
)
した
上衣
(
うはぎ
)
の後影が隠れた。上衣の裾は
軽
(
かろ
)
く廊下の大理石の上を曳いて、跡には
麝香
(
じやかう
)
と
竜涎香
(
りうえんかう
)
との匂を残した。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
其處
(
そこ
)
で「アウト」「ストライキ」の
聲
(
こゑ
)
は
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
空
(
そら
)
に
響
(
ひゞ
)
いて、
審判者
(
アンパイヤー
)
の
上衣
(
うはぎ
)
の
一人
(
ひとり
)
黒
(
くろ
)
いのも
目立
(
めだ
)
つて
見
(
み
)
える。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
手品師はするりと
上衣
(
うはぎ
)
をぬぎ
棄
(
す
)
てた。彼は快活に周囲を見廻し、それから心持
昂揚
(
かうやう
)
した声でかう云つた。
手品師
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
その傍にはトムさんの夢にも忘れることの出来ない可愛ゆいお嫁さんが、今ではりつぱなお妃となつてみな白鳥でできた、純白の
上衣
(
うはぎ
)
をきて、坐つてゐるではありませんか。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「暑い、暑い」と、渠は洋服の
上衣
(
うはぎ
)
を脱ぎ棄て、「おい、お君、氷をあつらへて來ないか?」かう云つて、直ぐ、にこ/\しながら、碁盤を座敷へ取り出し、「どうだ、君?」
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
『あいつ等、
上衣
(
うはぎ
)
を洗つたんで寒いんですよ。それであゝして歩いてゐるんですよ……』
一少女
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
そして糊の附いた上シヤツを
上衣
(
うはぎ
)
の上へはおつて、シヤツの裾を振り廻しながら出て来た。母親はふいと振り向いて見て、腰に両手を支へて笑つてゐたが、目からは涙が出て来た。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
又、寒い風が吹いて来て、お猫さんの
上衣
(
うはぎ
)
を、川の中へふきとばしました。お猫さんは二
町
(
ママ
)
四方位にひゞきわたる程、大きく「ハクシヨン、ハクシヨン。」と、くしやみをしました。
川の中へおつこちたお猫さん
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
丁度クリストフは手鼻をかんだ処で、そのとばしりが地の透くやうになつた
上衣
(
うはぎ
)
に掛かつてゐるのを、丁寧にゴチツク形の指で弾いてゐる。クリストフは想像の出来ぬ程衰弱してゐる。
老人
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
記者はそんな折に
例
(
いつ
)
もするやうに煙草を
喫
(
ふか
)
さうと思つて
上衣
(
うはぎ
)
のポケツトに手を入れた。指先に触つたのは煙草では無くて、矢張その頃の文士の一人フランソア・コツペエの詩集であつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さすがに焼けトタンを張りめぐらした壕舎を見て、彼女は、思つたよりもひどい家だとびつくりしたにちがひない——流行の
裾
(
すそ
)
の短いチンチクリンのモンペの
上衣
(
うはぎ
)
を羽織のやうに着てゐた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
金絲の
綉
(
ぬひはく
)
をした
上衣
(
うはぎ
)
を
日
(
ひ
)
に
煌
(
きらめ
)
かして
行
(
ゆ
)
く
大買人
(
おほあきんど
)
もあれば、
重
(
おも
)
さうな荷物を
脊負
(
しよつ
)
てゆく
人足
(
にんそく
)
もある、
香料
(
かうれう
)
の
妙
(
たへ
)
なる
薫
(
かほり
)
が
折
(
を
)
り/\
生温
(
なまぬく
)
い風につれて
鼻
(
はな
)
を打つ、
兒童
(
こども
)
は
極樂
(
ごくらく
)
へでも
行
(
い
)
つた氣になつて
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
上衣
(
うはぎ
)
ぬぎ汗みづくなれやかく歎きしかく
言挙
(
ことあ
)
げ君ひたすらに (内田訓導)
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
古い型のモオニングの
上衣
(
うはぎ
)
は兎に角、ズボンがひどく窮屈であつた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
裏通りを三四丁
来
(
き
)
た所で、平岡が
先
(
さき
)
へ立つて
或家
(
あるいへ
)
に
這入
(
はい
)
つた。
座敷
(
ざしき
)
の
軒
(
のき
)
に
釣忍
(
つりしのぶ
)
が
懸
(
かゝ
)
つて、
狭
(
せま
)
い
庭
(
には
)
が水で一面に
濡
(
ぬ
)
れてゐた。平岡は
上衣
(
うはぎ
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、すぐ
胡坐
(
あぐら
)
をかいた。代助は左程
暑
(
あつ
)
いとも思はなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
湯あがりを
御風
(
みかぜ
)
めすなのわが
上衣
(
うはぎ
)
ゑんじむらさき人うつくしき
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
苺
(
いちご
)
の
色
(
いろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
可笑
(
をか
)
しな罪の恥と
赤面
(
せきめん
)
、
苺
(
いちご
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへの
上衣
(
うはぎ
)
を、ひとが
揉
(
も
)
みくちやにした、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
薔薇色
繻子
(
じゆす
)
の、非常に短かい、スカアトには出來るだけたつぷりと
襞
(
ひだ
)
がとつてある服が、今まで着てゐた茶色の
上衣
(
うはぎ
)
と代つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
二三日前、辰子が
上衣
(
うはぎ
)
のボタンがないと言つて妹の物を貰つて自分でつけてゐたから、お庭にボタンを落したのはあの子に違ひないです。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
主客
(
しゆかく
)
五人は翁の机に対し半円形を作つて語つた。翁は鼠色のアルパカの軽い背広の
上衣
(
うはぎ
)
に黒い
袴
(
パンタロン
)
を
穿
(
は
)
き、レジヨン・ドノオル(勲一等)の赤い略章を襟に附けて居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その友達は青服のズボンをはいて黒セルの
上衣
(
うはぎ
)
を着込んで、鳥打帽を
冠
(
かぶ
)
つて久しぶりに佐賀に帰つて来た。或る日手荷物を
提
(
さ
)
げて汽車から降りて来る姿を一目見て私は直ぐに彼れであることを知つた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
ひようとして寒き風来る山はなに
上衣
(
うはぎ
)
いそぎ着けぬ氷沢かも
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
みどりの
上衣
(
うはぎ
)
、しろづぼん。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
私は、一二軒の店に立寄り、手紙をポストに滑らせると、ひどい雨の中を、
上衣
(
うはぎ
)
をびしよ
濡
(
ぬ
)
れにして、しかしほつとした心持ちで歸つて來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
倫教
(
ロンドン
)
は
巴里
(
パリイ
)
に比べて北へ寄つて居る
所為
(
せゐ
)
か、七月になつても
薄寒
(
うすさむ
)
を覚える様な気候である。
巴里
(
パリイ
)
の様に
上衣
(
うはぎ
)
を脱いでコルサアジユ
丈
(
だけ
)
で歩く女を
未
(
ま
)
だ一人も見受けない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
張箍
(
はりわ
)
の
女袴
(
をんなばかま
)
を
穿
(
は
)
いた女、
高慢
(
かうまん
)
の
上衣
(
うはぎ
)
を着た女、わたしの悲しい心の
悦
(
よろこび
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
老びとの
紅
(
あか
)
き
上衣
(
うはぎ
)
はをさなくて
灯
(
ひ
)
にものがなし毛絲編みをる
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
猩猩緋
(
しやう/″\ひ
)
の
上衣
(
うはぎ
)
を黒の上に
著
(
き
)
た
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
老びとの
紅
(
あか
)
き
上衣
(
うはぎ
)
はをさなくて
灯
(
ひ
)
にものがなし毛糸編みをる
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
春が
著
(
き
)
て来た
上衣
(
うはぎ
)
をば
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
素朴な黒の
上衣
(
うはぎ
)
に赤木綿のバンドを占め
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
白
(
しろ
)
の
上衣
(
うはぎ
)
と髪の毛に
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“上衣”の意味
《名詞》
(じょうい)上半身に着る衣服。
うわぎ 参照。
(出典:Wiktionary)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
“上衣”で始まる語句
上衣兜