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靴下
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くつした
ふりがな文庫
“
靴下
(
くつした
)” の例文
尤
(
もっと
)
も
靴下
(
くつした
)
もポケットに入ってゐるし必ず下らなければならないといふことはない、けれどもやっぱりこっちを行かう。あゝいゝ気持だ。
台川
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山路で、
大原女
(
おはらめ
)
のように頭の上へ枯れ枝と
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
を一度に束ねたのを載っけて、
靴下
(
くつした
)
をあみながら歩いて来る女に会いました。
先生への通信
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
殊に
脚
(
あし
)
は、——やはり銀鼠の
靴下
(
くつした
)
に
踵
(
かかと
)
の高い靴をはいた脚は鹿の脚のようにすらりとしている。顔は美人と云うほどではない。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それから、
靴下
(
くつした
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐところも見ます。白くて固い、かわいらしい小さな
脚
(
あし
)
が現われてきます。ほんとにキスをしてやりたいような足です。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
晩には、もう気力もつきはてて、ほとんど口もきかず、食事を済すと、
靴下
(
くつした
)
を
繕
(
つくろ
)
いながら、
椅子
(
いす
)
にかけたまま居眠りをした。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
靴
(
くつ
)
も、
靴下
(
くつした
)
も、
腓
(
ふくらはぎ
)
も
真黒
(
まっくろ
)
です。緑の
草原
(
くさはら
)
の
精
(
せい
)
が、いいつけを
守
(
まも
)
らない四人の者に、こんな
泥
(
どろ
)
のゲートルをはかせたのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
けれども、そうしているうちに、もう一羽のカラスが飛んできて、こんどは
靴下
(
くつした
)
をひっぱりましたので、ニールスは地べたにたおされてしまいました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
彼は快活な背の低い老人で、教服をまくって下から赤い
靴下
(
くつした
)
を出していた。その特長は、大百科辞典をきらうことと、
撞球
(
たまつき
)
に夢中になることとであった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
怪しい男は、うずくまって
靴下
(
くつした
)
をぬいだと思うと、こんどは
上着
(
うわぎ
)
をぬぎ、チョッキのボタンをはずしはじめた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「
靴
(
くつ
)
ばかりぢやない。
家
(
うち
)
の
中
(
なか
)
迄
(
まで
)
濡
(
ぬ
)
れるんだね」と
云
(
い
)
つて
宗助
(
そうすけ
)
は
苦笑
(
くせう
)
した。
御米
(
およね
)
は
其晩
(
そのばん
)
夫
(
をつと
)
の
爲
(
ため
)
に
置炬燵
(
おきごたつ
)
へ
火
(
ひ
)
を
入
(
い
)
れて、スコツチの
靴下
(
くつした
)
と
縞羅紗
(
しまラシヤ
)
の
洋袴
(
ずぼん
)
を
乾
(
かわ
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで、しめている
帯
(
おび
)
をなげてやりました。これでもまだだめなので、
靴下
(
くつした
)
どめをなげてやりました。
六羽の白鳥
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
けれども脚は、ほっそりしていて、絹の
靴下
(
くつした
)
は、やけに薄い。男が来た。ポマードを顔にまで塗ってるみたいな男だ。女は、にっと笑って立ち上った。僕は顔をそむけた。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それも以前なら手紙を書く時間でございましたのに、
只今
(
ただいま
)
は子供たちの大きな穴や小さな穴のあいた
靴下
(
くつした
)
の
這入
(
はい
)
った
籠
(
かご
)
を持ち出して来て、それにかかりきりの始末でございます。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
おかあさんはそれから、
一晩
(
ひとばん
)
のうちにたくさんの
藤
(
ふじ
)
のつるで、
着物
(
きもの
)
と
袴
(
はかま
)
と、
靴
(
くつ
)
から
靴下
(
くつした
)
まで
織
(
お
)
って、
編
(
あ
)
んで、
縫
(
ぬ
)
って、その上にやはり
藤
(
ふじ
)
のつるで、
弓
(
ゆみ
)
と
矢
(
や
)
をこしらえて
下
(
くだ
)
さいました。
春山秋山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
硬
(
こは
)
いのがごそりと
脱
(
ぬ
)
げると……
靴下
(
くつした
)
ならまだ
可
(
い
)
い「
何
(
なに
)
、
體裁
(
ていさい
)
なんぞ、そんな
事
(
こと
)
。」
邊幅
(
へんぷく
)
を
修
(
しう
)
しない
男
(
をとこ
)
だから、
紺足袋
(
こんたび
)
で、おや
指
(
ゆび
)
の
尖
(
さき
)
に
大
(
おほ
)
きな
穴
(
あな
)
のあいたのが、
油蟲
(
あぶらむし
)
を
挾
(
はさ
)
んだ
如
(
ごと
)
く
顯
(
あら
)
はれた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
シューラの
身体
(
からだ
)
はぐるぐる
廻
(
まわ
)
されたり、
探
(
さぐ
)
りちらかされたりして、
隈
(
くま
)
なく
検査
(
けんさ
)
された。おまけに少しずつ
裸
(
はだか
)
にされた。
小使
(
こづかい
)
は
長靴
(
ながぐつ
)
をぬがして、ふるって見た。万一のために、
靴下
(
くつした
)
もはいでみた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
去年のお正月には
靴下
(
くつした
)
を編んであげたし、それからハンケチの縁を縫ってあげたし、それからまだ毛糸の手袋だの、腕ぬきだの、それどころか今年の御年始には赤い毛糸でシャツまで編んであげたに
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
○
繕
(
つくろ
)
った
靴下
(
くつした
)
でも
穿
(
は
)
くときは
皺
(
しわ
)
の寄らないように。
現代若き女性気質集
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
裂
(
き
)
れた
靴下
(
くつした
)
縫つてゐる……
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
しかし両脚のない悲しさには容易に腰を上げることも出来ない。そのうちに下役は彼の
側
(
そば
)
へ来ると、白靴や
靴下
(
くつした
)
を
外
(
はず
)
し出した。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
またこんども、一羽がニールスのえりをつかみ、もう一羽が
靴下
(
くつした
)
をつかんで、つれていくつもりとみえます。そこで、ニールスはあわてて言いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
彼はいつも立っていて、あざやかに化粧をし紫の
靴下
(
くつした
)
をはき、明らかにその小さなカラーをよく見せんためであろうが、戸に背を向けていたものである。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それにしても
神保町
(
じんぼうちょう
)
の夜の露店の照明の下に背を並べている
円本
(
えんぽん
)
などを見る感じはまずバナナや
靴下
(
くつした
)
のはたき売りと実質的にもそうたいした変わりはない。
読書の今昔
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
かがんで
炉
(
ろ
)
に
靴下
(
くつした
)
を
乾
(
かわ
)
かしていたせいの
低
(
ひく
)
い犬の
毛皮
(
けがわ
)
を着た農夫が、
腰
(
こし
)
をのばして立ちあがりました。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あなたの
靴下
(
くつした
)
をあむんでしょう? それなら、もう、八つふやさなければ、はくとき窮屈よ」
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ところがまず眼の前の机、書物、
手拭
(
てぬぐい
)
、
座蒲団
(
ざぶとん
)
から順々に進行して
行李
(
こうり
)
鞄
(
かばん
)
靴下
(
くつした
)
までいったが、いっこうそれらしい物に出合わないうちに、とうとう一時間経ってしまった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
朝になって寝床から引き起こされても、ぼんやり我れを忘れていて、裸のままの小さい両足を寝台の外にたれたり、またしばしば、一方の足に
靴下
(
くつした
)
を二枚ともはいたりした。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そうすると、一ぴきが
燈火
(
あかり
)
をもってハンスを
寝間
(
ねま
)
へつれて行く、一ぴきが靴をぬがせる、一ぴきが
靴下
(
くつした
)
をぬがせる、そしていちばんおしまいに、一ぴきが燈火を吹きけしました。
かわいそうな粉ひきの若いものと小猫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
靴下
(
くつした
)
の脚を寒そうに曲げて坐っていた光代は、
流石
(
さすが
)
に今日は慎しんでいるようであったが、光ちゃん、いやに大人しいねと、御牧に盛んに杯をさされて、今日はそんなにいじめないでよ
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ああっ! やつは
靴
(
くつ
)
をぬいだぞ、
靴下
(
くつした
)
もぬいだ。あれっ! 足がない」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
なぜって、
靴下
(
くつした
)
しかはいていないのですからね。オーレ・ルゲイエは、そっとドアをあけて、子供たちの目の中に、シュッと、あまいミルクをつぎこみます。でも、ほんの、ほんのちょっぴりですよ。
眠りの精
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼は絹の
靴下
(
くつした
)
をはきバイオリンをささげて襲撃が行なわれたレリダ市の攻囲のおりの勇士のひとりだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
玄関
(
げんかん
)
に出たとき、じぶんの
木靴
(
きぐつ
)
はどこにあるかと見まわしました。いままで部屋の中では、
靴下
(
くつした
)
しかはいていなかったのですからね。少年は心のうちに思いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
もしも誰か
途中
(
とちゅう
)
で止っていてはわるい。
尤
(
もっと
)
も
靴下
(
くつした
)
もポケットに入っているし
必
(
かなら
)
ず下らなければならないということはない、けれどもやっぱりこっちを行こう。ああいい
気持
(
きもち
)
だ。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼は書物の前にすわって、
眉
(
まゆ
)
をしかめテーブルに両
肱
(
ひじ
)
をついて、何にも聞こえないように
拳
(
こぶし
)
を両耳に押しあてていた。ジャンナン夫人は
靴下
(
くつした
)
を繕いながら、
老婢
(
ろうひ
)
と話をしていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
二人だけが長い行列に
遮
(
さえぎ
)
られて外の人達と離れてしまったのであったが、その時橋寺氏は、とある雑貨店の飾窓が眼に付いたので、僕、
靴下
(
くつした
)
を買いたいんですが、一緒に行って見てくれませんかと
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
偶然出会う何でもない婦人の白い
靴下
(
くつした
)
を見せられる方が、彼にとってはまだしもいやでなかったろう。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
一人は白粉をぬりたてた女で、半ズボンに黒い半
靴下
(
くつした
)
をはいていた。他の二人はフランネルの服をつけた男で、暑さにうんざりして、言葉を忘れたかのようにときどき
唸
(
うな
)
り声を出していた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“靴下”の解説
靴下(くつした、英語:sock)とは、足(脚)の保護や保温などの機能をもつフートウエアの一種である。フートウエアには靴下のほかに足袋や脚絆があるがそれぞれ別個のものとして扱われる。
(出典:Wikipedia)
靴
常用漢字
中学
部首:⾰
13画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“靴下”で始まる語句
靴下留
靴下穿
靴下吊具