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裝
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よそほ
ふりがな文庫
“
裝
(
よそほ
)” の例文
新字:
装
彼は長らく
嚴
(
きび
)
しく私を見詰めた。私は彼から眼をそらして、火の方を見詰めて、靜かな、落着いた樣子を
裝
(
よそほ
)
ひ保たうとつとめた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
蒼白い顏が少し弱々しく見えますが、粗末な
身扮
(
みなり
)
に似合はぬ美しさで、存分に
裝
(
よそほ
)
はせたら、お喜多に
劣
(
おと
)
らぬ
容貌
(
きりやう
)
になるでせう。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こゝには神も人に
交
(
まじは
)
つて人間の姿人間の情を
裝
(
よそほ
)
つた。されば流れ出づる感情は往く處に往き、
止
(
とゞま
)
る處に止りて毫も
狐疑
(
こぎ
)
踟蹰
(
ちゝう
)
の態を學ばなかつた。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
與力
(
よりき
)
の
中
(
なか
)
でも、
盜賊方
(
たうぞくがた
)
と
地方
(
ぢかた
)
とは、
實入
(
みい
)
りが
多
(
おほ
)
いといふことを、
公然
(
こうぜん
)
の
祕密
(
ひみつ
)
にしてゐるだけあつて、
其
(
そ
)
の
裝
(
よそほ
)
ひでもまた
一際
(
ひときは
)
目立
(
めだ
)
つて
美々
(
びゝ
)
しかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
宗助
(
そうすけ
)
はさういふ
方面
(
はうめん
)
に
丸
(
まる
)
で
經驗
(
けいけん
)
のない
男
(
をとこ
)
ではなかつたので、
強
(
し
)
ひて
興味
(
きようみ
)
を
裝
(
よそほ
)
ふ
必要
(
ひつえう
)
もなく、たゞ
尋常
(
じんじやう
)
な
挨拶
(
あいさつ
)
をする
所
(
ところ
)
が、
却
(
かへ
)
つて
主人
(
しゆじん
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
るらしかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
右
(
みぎ
)
の
裝
(
よそほ
)
ひでスリツパで
芝生
(
しばふ
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
秋空
(
あきぞら
)
を
高
(
たか
)
く
睫毛
(
まつげ
)
に
澄
(
すま
)
して、やがて
雪見燈籠
(
ゆきみどうろう
)
の
笠
(
かさ
)
の
上
(
うへ
)
にくづほれた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おつぎの
裝
(
よそほ
)
ひは
側
(
そば
)
では
疎末
(
そまつ
)
であつても、
處々
(
ところ/″\
)
ちらり/\と
白
(
しろ
)
い
穗先
(
ほさき
)
が
覗
(
のぞ
)
いて
大抵
(
たいてい
)
はまだ
冴
(
さ
)
え/″\として
只
(
たゞ
)
一
枚
(
まい
)
の
青疊
(
あをだゝみ
)
を
敷
(
し
)
いた
樣
(
やう
)
な
田圃
(
たんぼ
)
の
間
(
あひだ
)
をくつきりと
際立
(
きはだ
)
つて
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しかし、これらの
甲胄
(
かつちゆう
)
をどういふふうに
着
(
つ
)
けてゐたかといふことは、あの
埴輪人形
(
はにわにんぎよう
)
に
甲胄
(
かつちゆう
)
を
裝
(
よそほ
)
ふたのが
遺
(
のこ
)
つてをりますので、それを
見
(
み
)
て
大體
(
だいたい
)
の
恰好
(
かつこう
)
を
想像
(
そうぞう
)
することが
出來
(
でき
)
ます。(
第六十九圖
(
だいろくじゆうくず
)
)
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
裝
(
よそほ
)
ひ
似
(
に
)
ざるうれたさに、
宮
(
みや
)
にまゐりて
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
十二人の内四人は將軍と同じ
裝
(
よそほ
)
ひをした近習連、四人は
鷹匠
(
たかしやう
)
、あとの四人は警衞の士で、微行とは言ひ乍ら、此時代にしては恐ろしく手輕です。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女は何一つ話すこともなく、一度席に坐ると、まるで
壁龕
(
へきがん
)
の中の彫像のやうに、身動きもしないでゐた。姉妹は、二人共、純白の
裝
(
よそほ
)
ひをしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
前栽
(
せんざい
)
の
強物
(
つはもの
)
の、
花
(
はな
)
を
頂
(
いたゞ
)
き、
蔓手綱
(
つるたづな
)
、
威毛
(
をどしげ
)
をさばき、
裝
(
よそほ
)
ひに
濃
(
こ
)
い
紫
(
むらさき
)
を
染
(
そめ
)
などしたのが、
夏
(
なつ
)
の
陽炎
(
かげろふ
)
に
幻影
(
まぼろし
)
を
顯
(
あら
)
はすばかり、
聲
(
こゑ
)
で
活
(
い
)
かして、
大路
(
おほぢ
)
小路
(
こうぢ
)
を
縫
(
ぬ
)
つたのも
中頃
(
なかごろ
)
で、やがて
月見草
(
つきみさう
)
、
待
(
まつ
)
よひ
草
(
ぐさ
)
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
脅
(
おびやか
)
す
假
(
かり
)
裝
(
よそほ
)
ひに
松明
(
たいまつ
)
の
焔
(
ほのほ
)
つづきぬ。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
しかしそろ/\と
入
(
はひ
)
つて來た時には、何だか、もつとずつと人數が多いやうな氣がした。その中の幾人かは非常に脊が高く、大抵の人は白い
裝
(
よそほ
)
ひをしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
まだ
菜
(
な
)
の花も咲かず蝶々も出ないのですが、路傍の
蓬
(
よもぎ
)
や
田芹
(
たぜり
)
が芽ぐんで、森の蔭、
木立
(
こだち
)
の中に、眞珠色の
春霞
(
はるがすみ
)
が棚引いて、まだ
陽炎
(
かげろふ
)
は燃えませんが、早春の
裝
(
よそほ
)
ひは申し分もありません。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人
(
ひと
)
に
其
(
そ
)
の
生命
(
せいめい
)
あることを
知
(
し
)
らせ
顏
(
がほ
)
に
裝
(
よそほ
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
獨り友なく
大峰
(
おほみね
)
に
裝
(
よそほ
)
ひうかび
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
見よげな
袷
(
あはせ
)
に着換へさせ、頬を撫でたり、襟を直したり、髮を掻き上げたりしてゐる二人の年増女、——娘の死の
裝
(
よそほ
)
ひに餘念もなくひたりきつて、悲しみの底に
鎭
(
しづ
)
まり返つて居た二人の女が
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さはあれ
皐月
(
さつき
)
さかりの
裝
(
よそほ
)
ひ
棄
(
す
)
て
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
裝
部首:⾐
13画
“裝”を含む語句
扮裝
身裝
裝飾
服裝
旅裝
裝束
衣裝
裝置
武裝
裝填
表裝
旅裝束
着裝
變裝
行裝
裝甲
御裝束
盛裝
裝飾品
假裝
...