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白髪頭
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しらがあたま
ふりがな文庫
“
白髪頭
(
しらがあたま
)” の例文
旧字:
白髮頭
私は番人夫婦に
向
(
むか
)
って、「お前さん達は長年この別荘に雇われていなさるのかね」と、何気なく尋ねると、夫の方は
白髪頭
(
しらがあたま
)
を撫でて
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
縁側の障子の
隙間
(
すきま
)
からは、泣き
濡
(
ぬ
)
れた
白髪頭
(
しらがあたま
)
の老女が頼み少ない姿で拝んでいるのが、平次の眼にまざまざと映るのでした。
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
白髪頭
(
しらがあたま
)
を振り立てて川破りの小男に向って来て、なだめるように次のような理解を試みたのを、白雲は、村役の白髪頭と共に耳にうつしとって
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
見ると隣家の
金蔵
(
きんぞう
)
であった。
白髪頭
(
しらがあたま
)
がしかもはげあがって、見ちがえるほどじじになっていた。向こうでも自分の老いたのに驚いたようである。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
それも道理、道夫がもう大丈夫ですと答えると、その老人は帽子を脱ぎ、それから
白髪頭
(
しらがあたま
)
を脱いで机上に置き、頬につけていた
髯
(
ひげ
)
をむしりとった。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
田舎娘は今日か明日かとお迎へを待つてゐるうちに、とうと八十年の月日を過して、
白髪頭
(
しらがあたま
)
の婆さんになつてしまつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
○「へえー
肋骨
(
あばらぼね
)
が出て、歯のまばらな
白髪頭
(
しらがあたま
)
の
婆
(
ばゞあ
)
が、片手に
鉈
(
なた
)
見たような物を持って出たんだね、一つ
家
(
や
)
の婆で、上から石が落ちたんでげしょう」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
下人の眼は、その時、はじめてその死骸の中に
蹲
(
うずくま
)
っている人間を見た。
檜皮色
(
ひわだいろ
)
の着物を着た、背の低い、
痩
(
や
)
せた、
白髪頭
(
しらがあたま
)
の、猿のような老婆である。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その先頭第一に御紹介致しまするは、最前から赤煉瓦塀の横で畠を打っております、あの
白髪頭
(
しらがあたま
)
の老人で御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「そうでございましょうか。」と、おじいさんは、
白髪頭
(
しらがあたま
)
をかしげて、あたらしくいれた
茶
(
ちゃ
)
を
助役
(
じょやく
)
の
前
(
まえ
)
へ
出
(
だ
)
しました。
助役
(
じょやく
)
は
茶
(
ちゃ
)
わんをとり
上
(
あ
)
げながら
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
親達が失望して情ながる
面
(
かお
)
は手紙の上に浮いて見えるけれど、こうなると妙に
剛情
(
ごうじょう
)
になって、因襲の
陋見
(
ろうけん
)
に
囚
(
とら
)
われている年寄の
白髪頭
(
しらがあたま
)
を冷笑していた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
買って自身ではいりましたんで、まことに
藪
(
やぶ
)
から
棒
(
ぼう
)
のようなお話ですが、真実真銘、この
白髪頭
(
しらがあたま
)
に免じて——
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
顔を
覗
(
のぞ
)
き込むがごとくに土間に立った、物腰のしとやかな、婆々は、客の胸のあたりへその
白髪頭
(
しらがあたま
)
を差出したので、
面
(
おもて
)
を背けるようにして、客は
外
(
と
)
の
方
(
かた
)
を
視
(
なが
)
めると
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『あの子供達は、決してろくなものにならないね、』フィリーモンは
白髪頭
(
しらがあたま
)
を振りながら言いました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
爺さんはいつでも手拭を
後鉢巻
(
うしろはちまき
)
に結んでいるので、
禿頭
(
はげあたま
)
か
白髪頭
(
しらがあたま
)
か、それも楽屋中知るものはない。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それは五十を越した、中背の、がっしりした体格の男で、
白髪頭
(
しらがあたま
)
に大きな
禿
(
はげ
)
があった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
老母は雪のような
白髪頭
(
しらがあたま
)
をまっすぐに起こして一同を見まわした、その気高くきざんだ顔のしわじわが波のようにふるえると、あわててハンケチをふところからだして顔にあてた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
この予期すべき出来事を、桂屋へ知らせに来たのは、ほど遠からぬ
平野町
(
ひらのまち
)
に住んでいる太郎兵衛が女房の母であった。この
白髪頭
(
しらがあたま
)
の
媼
(
おうな
)
の事を桂屋では平野町のおばあ様と言っている。
最後の一句
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
老爺だ、六十ばかりの
白髪頭
(
しらがあたま
)
の老爺が笹の中に長くなって顔を
腑伏
(
うつぶ
)
せて眠っている。「オーイ、どうした、オーイ。」と声を挙げて呼んで見ると、「ウーム」といいながら身を起す。
木曽御嶽の両面
(新字新仮名)
/
吉江喬松
(著)
降らすとなれば、大公儀のお咎めは何とある? 間違えば福知山三万石のお家は断絶じゃぞ! それでも臣下の本分が相立つならこの
白髪頭
(
しらがあたま
)
の作左衛門から血祭りにして斬り込まれい
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軍服の上へムク/\する如き糸織の
大温袍
(
おほどてら
)
フハリ
被
(
かぶ
)
りて、がぶり/\と
麦酒
(
ビール
)
傾け居るは当時実権的海軍大臣と新聞に
謡
(
うた
)
はるゝ松島大佐、
対
(
むか
)
ひ合へる
白髪頭
(
しらがあたま
)
の
肥満漢
(
ふとつちよう
)
は
東亜滊船
(
きせん
)
会社の社長
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
そこで、くるりと廻れ右をして、
白髪頭
(
しらがあたま
)
を二つ並べながら、また戻って来る。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
おおかた十五も年上の老い
女房
(
にょうぼう
)
をわずかの持参金を目当てにもらい、その金もすぐ使い果し、ぶよぶよ太って
白髪頭
(
しらがあたま
)
の女房が横
坐
(
ずわ
)
りに坐って鼻の頭に汗を
掻
(
か
)
きながら
晩酌
(
ばんしゃく
)
の相手もすさまじく
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それが
其家
(
そこ
)
の主人の
昔
(
むか
)
し書生をしていた家の御嬢さんなので、主人はもちろん妻君も驚ろいたという話がある。次に背中合せの裏通りへ出ると、
白髪頭
(
しらがあたま
)
で
廿
(
はたち
)
ぐらいの妻君を持った高利貸がいる。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それに
婆
(
ばあ
)
さんは亡くなった爺さん同様酒を好んだ。本家の婿は耶蘇教信者で、一切酒を入れなかった。久さんのおかみは時々姑に酒を飲ました。
白髪頭
(
しらがあたま
)
の婆さんは、顔を真赤にして居ることがあった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
年老いた地主は
白髪頭
(
しらがあたま
)
を真綿帽子で包みながら、
屋
(
うち
)
の内から出て来た。南窓の外にある横木に
倚凭
(
よりかか
)
って、寒そうに
袖口
(
そでぐち
)
を
掻合
(
かきあわ
)
せ、我と我身を抱き温めるようにして、辰さん兄弟の用意するのを待った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
白髪頭
(
しらがあたま
)
の
蒲公英
(
たんぽぽ
)
の
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
平次が濠端をやって来る、
白髪頭
(
しらがあたま
)
の頑固そうな老人を見付けたのは、ちょうど三縁山の昼の鐘が鳴り納めた時でした。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私は自分の
白髪頭
(
しらがあたま
)
を両手でつかむと、すっぽり帽子のように脱いだ。次に耳の下からつらなる
頬髯
(
ほおひげ
)
と
口髭
(
くちひげ
)
とをとった。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白髪頭
(
しらがあたま
)
のおじいさんは、いい
気持
(
きも
)
ちで、こっくり、こっくりと
腰
(
こし
)
かけて
居眠
(
いねむ
)
りをしながら
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
ていました。
てかてか頭の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
書生はどうしたのかと思いながら、彼女の
家
(
いえ
)
の前へ行って見ました。すると
眉
(
まゆ
)
を
吊
(
つ
)
り上げた彼女は、年をとった
木樵
(
きこ
)
りの
爺
(
じい
)
さんを引き据え、ぽかぽか
白髪頭
(
しらがあたま
)
を
擲
(
なぐ
)
っているのです。
女仙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は遂に、自分の席をすこし動いて、
白髪頭
(
しらがあたま
)
を、信長のほうへすりつけて云った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ねえ、キャラコさん、……このわたしが、……こんな
白髪頭
(
しらがあたま
)
の老人が、お世辞をいうとは、まさかおかんがえにはならないでしょう。わたしは、ほんとうの気持を
告解
(
コンフェッセ
)
しているんですよ」
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
健三は自分を出来るだけ富有に、上品に、そして善良に、見せたがったその女と、今彼の前に
畏
(
かしこ
)
まって坐っている
白髪頭
(
しらがあたま
)
の御婆さんとを比較して、時間の
齎
(
もたら
)
した対照に不思議そうな眼を注いだ。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
白髪頭
(
しらがあたま
)
の甚右衛門は帳場から顔を出して、笑いながら挨拶した。
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ロダンが
白髪頭
(
しらがあたま
)
をのぞけた。
花子
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「なぜですか。こんなに
大
(
おお
)
きいのが、なぜいけません。
私
(
わたし
)
の
持
(
も
)
ってきた
大根
(
だいこん
)
が一
等賞
(
とうしょう
)
でございます。」と、おばあさんは、
白髪頭
(
しらがあたま
)
をふりたてて
怒
(
いか
)
り
声
(
ごえ
)
でいいました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
灯の中に浮いた
白髪頭
(
しらがあたま
)
、血潮の中に浸る
袷
(
あわせ
)
の
柄
(
がら
)
などを一と目見ると、お礼はよろよろとなりました。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう一人、モウリ博士の
白髪頭
(
しらがあたま
)
が
交
(
まじ
)
っていた。博士は、さっきまで寝ていたはず。ここへ出てきたのは、疲れが直ったからであろう。思いのほか元気な老博士だった。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お前さんはまだ知らないのかい? わたしはどういう運命か、母親の腹を出た時には
白髪頭
(
しらがあたま
)
をしていたのだよ。それからだんだん年が若くなり、今ではこんな子どもになったのだよ。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、
白髪頭
(
しらがあたま
)
を圧し伏せる。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、この有様を見てとって、気味がわるいなあといった顔付きになって、
白髪頭
(
しらがあたま
)
を左右に振った。
火星探険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかもあの
平太夫
(
へいだゆう
)
が、なぜか堀川の御屋形のものを
仇
(
かたき
)
のように憎みまして、その時も梨の花に、うらうらと
春日
(
はるび
)
が
匀
(
にお
)
っている
築地
(
ついじ
)
の上から
白髪頭
(
しらがあたま
)
を
露
(
あらわ
)
して、
檜皮
(
ひわだ
)
の
狩衣
(
かりぎぬ
)
の袖をまくりながら
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
白髪頭
(
しらがあたま
)
のおばあさんは、
考
(
かんが
)
えていましたが
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家の中から顔を出した
白髪頭
(
しらがあたま
)
の老女があった。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
家の中から顔を出した
白髪頭
(
しらがあたま
)
の老女があった。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“白髪”で始まる語句
白髪
白髪白髯
白髪首
白髪交
白髪染
白髪鬢
白髪天窓
白髪雑
白髪岳
白髪眉