生死せいし)” の例文
れるとれぬは生死せいしわか日出雄少年ひでをせうねんをまんまるにして、このすさまじき光景くわうけいながめてつたが、可憐かれん姿すがたうしろからわたくしいだ
産土うぶすなかみがあって、生死せいし疾病しっぺい諸種しょしゅ災難等さいなんとう守護しゅごあたってくれればこそ、地上ちじょう人間にんげんはじめてそのその生活せいかついとなめるのじゃ。
はすっぱのむすめは、はじめのうちこそ、そのかえりをったけれど、生死せいしがわからなくなると、はやくも、あきらめてしまいました。
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
それで母と相談をして、お力を拝借はいしゃくあがったわけなのでございます。どう思召おぼしめしましょうか、父の生死せいしのほどは
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ふにこまらないと思つて、さう無精ぶせうかほをしなくつてからう。もう少し判然はんぜんとしてれ。此方こつち生死せいしたゝかひだ」と云つて、寺尾は小形こがたの本をとん/\と椅子いすかどで二返たゝいた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
故郷こきやう風景ふうけいもととほりである、しか自分じぶん最早もはや以前いぜん少年せうねんではない、自分じぶんはたゞ幾歳いくつかのとししたばかりでなく、かう不幸ふかうか、人生じんせい問題もんだいになやまされ、生死せいし問題もんだい深入ふかいりし
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
成経 わしは弓矢にかけてちかいました。俊寛殿と生死せいしをともにすることを。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
生死せいしせん
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしなあ小西こにし、おれは、いつもこのたいにいるものは、生死せいしを一つにするとおもっているのだ。そうとしかかんがえられない。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたくし今更いまさらながら生死せいしさかいえて、すこしもかわっていない良人おっと姿すがた驚嘆きょうたん見張みはらずにはいられませんでした。
第一に、生死せいしのほども確かでないキャバレー・エトワールの主人オトー・ポントスを探しだすこと。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わたくしおな滊船ふねで、はる/″\日本につぽん歸國きこく途中とちう暗黒あんこくなる印度洋インドやう眞中たゞなかおそ海賊船かいぞくせん襲撃しふげきひ、不運ふうんなる弦月丸げんげつまる沈沒ちんぼつともに、夫人ふじん生死せいしわたくしにはわからぬ次第しだいだが
身体からだが動かないから、心も働かないのか、心が居坐りだから、身体が怠けるのか、とにかく、双方あいび合って、生死せいしの間に彷徨ほうこうしていたと見えて、しばらくは万事が不明瞭ふめいりょうであった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
軽業師かるわざしにやれるはなれわざなら、なんで人間にんげん生死せいし瀬戸際せとぎわにできぬというはずがありましょう。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
さて産土うぶすな神様かみさまのお任務しごとなかで、なにより大切たいせつなのは、矢張やは人間にんげん生死せいし問題もんだいでございます。
わたくしそれらぬではない、けれどいま容易ようゐならざる急變きふへん塲合ばあひである、一ぷんびやう遲速ちそく彼方かなた難破船なんぱせんのためには生死せいし堺界わかれめかもれぬ、くはふるに本船ほんせん右舷うげん當番たうばん水夫すゐふあれども眼無めなきがごと
生死せいしだけは、運命うんめいだからなあ。」
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)