猛烈まうれつ)” の例文
他日たじつ海底戰鬪艇かいていせんとうていが、帝國軍艦旗ていこくぐんかんきひるがへして、千艇※艦せんていばんかんあひだつのときねがはくばそのごとく、神速しんそくに、猛烈まうれつならんことのぞむのです。
宗助そうすけ自分じぶん境遇きやうぐうやら性質せいしつが、夫程それほど盲目的まうもくてき猛烈まうれつはたらきあへてするにてきしないことふかかなしんだ。いはんや自分じぶんこのやまらすべきすでかぎられてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たくかこんでてんでに氣焔きえん猛烈まうれつなるはふまでもないことで、政論せいろんあり、人物評じんぶつひやうあり、經濟策けいざいさくあり
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一體父は、余り物事に頓着とんちやくせぬ、おつとりした、大まかな質でありながら、金といふ一段になると、體中の神經がピリ/\響を立てて働くかと思はれるばかり、遣口やりくち猛烈まうれつとなる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
石橋いしばしひに行つてもはん、わたしから手紙を出しても返事が無い、もう是迄これまでふので、わたしが筆を取つて猛烈まうれつ絶交状ぜつかうじやうを送つて、山田やまだ硯友社けんいうしやとのえんみやこはなの発行とともたゝれてしまつたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
獅子しゝ猛烈まうれつだの、おほかみ兇惡きようあくだのといつて、この猛狒ゴリラほどおそろしい動物どうぶつはまたとあるまい、動物園どうぶつゑんてつおりなか姿すがたでも、一見いつけんして戰慄せんりつするほど兇相あくさう
われ三等さんとう弟子でしあり。所謂いはゆる猛烈まうれつにして諸縁しよえん放下はうげし、專一せんいつ己事こじ究明きうめいするこれ上等じやうとうづく。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ぼくは一ねんこゝにおよべば倫理學者りんりがくしや健全先生けんぜんせんせい批評家ひゝやうか、なんといふ動物どうぶつ地球外ちきうぐわい放逐はうちくしたくなる、西印度にしいんど猛烈まうれつなる火山くわざんよ、何故なにゆゑなんぢ熱火ねつくわ此種このしゆ動物どうぶつ頭上づじやうにはそゝがざりしぞ!
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
非常ひじやう強烈きようれつになつて、ほとんど四百四十馬力ばりき蒸滊機關じようききくわん匹敵ひつてきよしこの猛烈まうれつなる動力どうりよくが、接合桿せつがふかんをもつて車外しやぐわい十二車輪しやりんうごかし、つひこの堅固けんごなる鐵檻てつおりくるま進行しんかうはじめるのである。
りるとき、ひゆうといふおとがして、あたまうへ針線はりがねつたのにいて、そらたら、この猛烈まうれつ自然しぜんちからくるあひだに、何時いつもよりあきらかながのそりとてゐた。かぜ洋袴ずぼんまたつめたくしてぎた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)