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暗黒
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あんこく
ふりがな文庫
“
暗黒
(
あんこく
)” の例文
ここでは月は、まるで大地のように
涯
(
はて
)
しなく
拡
(
ひろ
)
がり、そして地球は、ふりかえると遥かの
暗黒
(
あんこく
)
の空に、
橙色
(
だいだいいろ
)
に美しく輝いているのであった。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
沈痛
(
ちんつう
)
、
悲慘
(
ひさん
)
、
幽悽
(
ゆうせい
)
なる
心理的小説
(
しんりてきせうせつ
)
「
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
」は
彼
(
か
)
の
奇怪
(
きくわい
)
なる
一大巨人
(
いちだいきよじん
)
(
露西亞
(
ロシア
)
)の
暗黒
(
あんこく
)
なる
社界
(
しやくわい
)
の
側面
(
そくめん
)
を
暴露
(
ばくろ
)
して
餘
(
あま
)
すところなしと
言
(
い
)
ふべし。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
残
(
のこ
)
らずの品物がていねいに書き
留
(
と
)
められたとき、両親と二人の男がうちの中にはいった。そしてわたしたちの車はまた
暗黒
(
あんこく
)
のうちに
置
(
お
)
かれた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
かくて、かなりの
暗黒
(
あんこく
)
をうねっていくと、やがてゆきどまりの
岸壁
(
がんぺき
)
にぶつかった。あらかじめこうあることとは、
石見守
(
いわみのかみ
)
からもいわれてきた
熊蔵
(
くまぞう
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
資本主
(
しほんぬし
)
と
機械
(
きかい
)
と
勞働
(
らうどう
)
とに
壓迫
(
あつぱく
)
されながらも、
社會
(
しやくわい
)
の
泥土
(
でいど
)
と
暗黒
(
あんこく
)
との
底
(
そこ
)
の底に、
僅
(
わづか
)
に其の
儚
(
はかな
)
い
生存
(
せいぞん
)
を
保
(
たも
)
ツてゐるといふ
表象
(
シンボル
)
でゞもあるやうな
此
(
こ
)
の
唄
(
うた
)
には
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
愛
(
あい
)
そのものであり、その
子
(
こ
)
どもがあるから、どんな
暗黒
(
あんこく
)
な
時代
(
じだい
)
でも、
未來
(
みらい
)
にひかりを
見
(
み
)
るのです。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ヴェスヴィオに
登山
(
とざん
)
した
人
(
ひと
)
は、
通常
(
つうじよう
)
火口内
(
かこうない
)
には
暗黒
(
あんこく
)
に
見
(
み
)
える
鎔岩
(
ようがん
)
の
平地
(
へいち
)
を
見出
(
みいだ
)
すであらう。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
私
(
わたくし
)
と
同
(
おな
)
じ
滊船
(
ふね
)
で、はる/″\
日本
(
につぽん
)
へ
歸國
(
きこく
)
の
途中
(
とちう
)
、
暗黒
(
あんこく
)
なる
印度洋
(
インドやう
)
の
眞中
(
たゞなか
)
で
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
海賊船
(
かいぞくせん
)
の
襲撃
(
しふげき
)
に
遭
(
あ
)
ひ、
不運
(
ふうん
)
なる
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
沈沒
(
ちんぼつ
)
と
共
(
とも
)
に、
夫人
(
ふじん
)
の
生死
(
せいし
)
は
未
(
ま
)
だ
私
(
わたくし
)
には
分
(
わか
)
らぬ
次第
(
しだい
)
だが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
トルストイの
遺著
(
いちょ
)
の中、英訳になった劇「
生
(
い
)
ける
屍
(
しかばね
)
」を読む。トルストイ化した「イナック、アヽデン」と云う様なものだ。「
暗黒
(
あんこく
)
の
力
(
ちから
)
」程の力は無いが、捨てられぬ作である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
征衣
(
せいい
)
のまま昼夜
草鞋
(
わらじ
)
を解かず、またその間にはしばしば降雪に
遇
(
あ
)
い、ために風力計
凝結
(
ぎょうけつ
)
して廻転を
止
(
とど
)
むるや、真夜中に
斫
(
き
)
るが如き寒冽なる強風を
侵
(
おか
)
して
暗黒
(
あんこく
)
裡
(
り
)
に
屋後
(
おくご
)
の氷山に
攀
(
よ
)
じ登り
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
碧水金砂
(
へきすゐきんさ
)
、
晝
(
ひる
)
の
趣
(
おもむき
)
とは
違
(
ちが
)
つて、
靈山
(
りやうぜん
)
ヶ
崎
(
さき
)
の
突端
(
とつぱな
)
と
小坪
(
こつぼ
)
の
濱
(
はま
)
でおしまはした
遠淺
(
とほあさ
)
は、
暗黒
(
あんこく
)
の
色
(
いろ
)
を
帶
(
お
)
び、
伊豆
(
いづ
)
の
七島
(
しちたう
)
も
見
(
み
)
ゆるといふ
蒼海原
(
あをうなばら
)
は、さゝ
濁
(
にごり
)
に
濁
(
にご
)
つて、
果
(
はて
)
なくおつかぶさつたやうに
堆
(
うづだか
)
い
水面
(
すゐめん
)
は
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
依然
(
いぜん
)
たる前後の
暗黒
(
あんこく
)
であった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
暗黒
(
あんこく
)
の
夜
(
よ
)
を絶間もなく
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
伊那丸
(
いなまる
)
は
狭
(
せま
)
い
暗黒
(
あんこく
)
から
暁天
(
ぎょうてん
)
へみちびかれて、自分の
真
(
しん
)
にゆくべき道を
教
(
おし
)
えられたような
心地
(
ここち
)
がした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尤
(
もつと
)
も
山麓
(
さんろく
)
に
近
(
ちか
)
づくに
從
(
したが
)
ひ、
温度
(
おんど
)
も
下
(
くだ
)
り
遂
(
つひ
)
には
暗黒
(
あんこく
)
な
固體
(
こたい
)
となつて
速
(
はや
)
さも
鈍
(
にぶ
)
つたけれども。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
誰があの
暗黒
(
あんこく
)
のなかで、
選
(
よ
)
りに
選
(
よ
)
って非常に正確を要する
延髄
(
えんずい
)
の真中に
鍼
(
はり
)
を刺しこむことが出来るだろうか。『赤外線男』という
超人
(
ちょうじん
)
でなければ、
到底
(
とうてい
)
想像し得られないことだった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
眞
(
ほ
)
ンとに」と、友は痛く感じたやうな
語調
(
てうし
)
で、「僕等の將來は
暗黒
(
あんこく
)
だ。 ...
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
熊蔵
(
くまぞう
)
も
雁六
(
がんろく
)
も、すこし
道順
(
みちじゅん
)
がわからなくなってきた。まえには
渓流
(
けいりゅう
)
、うしろは
暗黒
(
あんこく
)
!
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、この
退屈
(
たいくつ
)
で
平穏
(
へいおん
)
な
暗黒
(
あんこく
)
の空の旅は、地球の方ではあまり歓迎しなかった。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“暗黒”の意味
《名詞・形容動詞》
暗黒(あんこく)
光がなく暗い状態。
現況や将来の見通しがつかず、心理的な不安を感じるさま。悪がはびこるなどして希望が持てないこと。失敗が続くなどして極度に自信を失った状態。
未知なこと。実態がよくわからないこと。
(出典:Wiktionary)
“暗黒(
闇
)”の解説
闇(やみ)とは、光の無い状態のこと日本国語大辞典/闇。暗闇(くらやみ)とも、暗黒とも。
(出典:Wikipedia)
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
“暗黒”で始まる語句
暗黒公使
暗黒裡
暗黒の海
暗黒局
暗黒街
暗黒星
暗黒蔵
暗黒々
暗黒神
暗黒色