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日當
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ひあた
第十
常居は
濕氣少く
日當りよくして
風の
透る
樣に
心を
用ふ
可し。一ヶ
年一兩度は
必ず
天井また
椽の
下の
塵を
拂ひ、
寢所は
高く
燥きたる
方を
擇ぶべき
事。
日當りの
惡い
上に、
樋から
雨滴ばかり
落ちるので、
夏になると
秋海棠が
一杯生える。
其盛りな
頃は
青い
葉が
重なり
合つて、
殆んど
通り
路がなくなる
位茂つて
來る。
梅はもと/\
土地の
乾いた
日當りのよいところに
適し、
陰地には、ふさはない
木ですから、
梅林を
作るには、なるべく
南向きで
土地の
傾斜したところがよいのです。
……
朝餉を
濟ますと、
立處に
床を
取直して、
勿體ない
小春のお
天氣に、
水を
二階まで
輝かす
日當りのまぶしさに、
硝子戸と
障子をしめて、
長々と
掻卷した、これ
此の
安湯治客、
得意の
處。
『
獅子が?
何處に?。』と
一同は
屹となつて、
其指す
方を
眺めると、
果して
百ヤード
許離れたる
日當りのよき
草の
上に、
一頭の
巨大なる
雄獅子が
横つて
居つたが、
鐵車の
響に
忽ちムツクと
起上り
宗助は
先刻から
縁側へ
坐蒲團を
持ち
出して
日當りの
好ささうな
所へ
氣樂に
胡坐をかいて
見たが、やがて
手に
持つてゐる
雜誌を
放り
出すと
共に、ごろりと
横になつた。
持ものはおあんなさるし……では、
恁うなさると
可い。……
日當りに
御難儀でも
暫時此處においでなすつて、二三
人、
誰か
來るのを
待合はせて、それとなく
一所に
行らしつたら
可いでせう。……