日當ひあた)” の例文
新字:日当
第十 常居ゐま濕氣しめりけすくな日當ひあたりよくしてかぜとほやうこゝろもちし。一ヶねん一兩度いちりやうどかなら天井てんじやうまたえんしたちりはらひ、寢所ねどころたかかわきたるはうえらぶべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
日當ひあたりのわるうへに、とひから雨滴あまだればかりちるので、なつになると秋海棠しうかいだう一杯いつぱいえる。そのさかりなころあをかさなりつて、ほとんどとほみちがなくなるくらゐしげつてる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うめはもと/\土地とちかわいた日當ひあたりのよいところにてきし、陰地かげちには、ふさはないですから、梅林うめばやしつくるには、なるべく南向みなみむきで土地とち傾斜けいしやしたところがよいのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
……朝餉あさげますと、立處たちどころとこ取直とりなほして、勿體もつたいない小春こはるのお天氣てんきに、みづ二階にかいまでかゞやかす日當ひあたりのまぶしさに、硝子戸がらすど障子しやうじをしめて、長々なが/\掻卷かいまきした、これ安湯治客やすたうぢきやく得意とくいところ
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
獅子しゝが? 何處どこに?。』と一同いちどうきつとなつて、そのゆびさかたながめると、はたしてひやくヤードばかりはなれたる日當ひあたりのよきくさうへに、一頭いつとう巨大きよだいなる雄獅子をじゝよこたはつてつたが、鐵車てつしやひゞきたちまちムツクと起上おきあが
宗助そうすけ先刻さつきから縁側えんがは坐蒲團ざぶとんして日當ひあたりのささうなところ氣樂きらく胡坐あぐらをかいてたが、やがてつてゐる雜誌ざつしはふすとともに、ごろりとよこになつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もちものはおあんなさるし……では、うなさるとい。……日當ひあたりに御難儀ごなんぎでも暫時しばらく此處こゝにおいでなすつて、二三にんだれるのを待合まちあはせて、それとなく一所いつしよらしつたらいでせう。……
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)