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敵討
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かたきうち
ふりがな文庫
“
敵討
(
かたきうち
)” の例文
逆手
(
さかて
)
に
持
(
もち
)
し
儘
(
まゝ
)
氣
(
き
)
を
失
(
うしな
)
ひて
倒
(
たふ
)
れ
居
(
ゐ
)
たりしかば是は
何事
(
なにごと
)
ならんと
氣付
(
きつけ
)
を
與
(
あた
)
へて
樣子
(
やうす
)
を
聞
(
きく
)
に
敵討
(
かたきうち
)
なりと申
故
(
ゆゑ
)
半左衞門
(
はんざゑもん
)
大
(
おほ
)
いに驚き
早々
(
さう/\
)
町役人
(
ちやうやくにん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
侍が親を
殺害
(
せつがい
)
せられた場合には、
敵討
(
かたきうち
)
をしなくてはならない。ましてや三右衛門が遺族に取っては、その敵討が故人の遺言になっている。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「何がそれでもだ、お前の
面
(
つら
)
を見ると、いつでも
敵討
(
かたきうち
)
が丸出しで、おれは昔から大嫌いなのだ、敵討というやつは全くおれの虫が好かない」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さ松蔭書付を書いて
私
(
わし
)
へ出せばそれで手前はお暇になったのだ…秋田屋の亭主気の毒だが此の庭で
敵討
(
かたきうち
)
を致させるから少し貸せ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御法度
(
ごはっと
)
の
敵討
(
かたきうち
)
さえ、筋が立てば、大ビラにやらせる世の中じゃないか。姉妹二人十何年も死の苦しみを
嘗
(
な
)
めさせられて、その上姉が首を
吊
(
つ
)
ったんだ。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
あたかも自分で自分の身体に反抗でもするように、あたかもわが衛生を虐待するように、また
己
(
おの
)
れの病気に
敵討
(
かたきうち
)
でもしたいように。彼は血に
餓
(
う
)
えた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
納めて来たものです。前科者ですけれど決して悪者じゃございません。
敵討
(
かたきうち
)
をしたまでです。私に煮湯を呑ませた女房の奴に復讐をしてやったまでです
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「あいや、
敵討
(
かたきうち
)
のお武家、ちとお話が
反
(
そ
)
れましたようですが、加茂川が何か君に恥辱でも与えたというのかい、」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もっともあの女も最初は、まだ評判の広がらぬ
中
(
うち
)
に、御免状とお手形を使うて、関所を越えようという一心から、
敵討
(
かたきうち
)
に
扮装
(
いでた
)
ったもので御座いましょう。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ぜひどうか
敵討
(
かたきうち
)
に出掛けて貰いたい。去年の今夜でござる。その節もお願いして置いた。この
敵
(
かたき
)
を討ってくれる人は貴殿よりほかにはござらぬと申したので。
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
諷刺
(
ふうし
)
滑稽
(
こっけい
)
の
黄表紙
(
きびょうし
)
はその本領たる
機智
(
きち
)
の妙を捨てて
漸
(
ようや
)
く
敵討
(
かたきうち
)
小説に移らんとし、
蒟蒻本
(
こんにゃくぼん
)
の軽妙なる写実的小品は漸く順序立ちたる人情本に変ぜんとするの時なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
俺に言わせれば、今になって返らぬことじゃあるが、このように
敵討
(
かたきうち
)
を延び延びにされた太夫のしかたもよくない。第一、それがために、吾々の仕事が方々へ
漏
(
も
)
れてしまった。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
国許
(
くにもと
)
の世間ていの問題ならば、なにもむりに
敵討
(
かたきうち
)
に拵えて、事情を
繕
(
つくろ
)
わなくても、そのうち自分が上州方面へ下った折、十分死者の面目も立つように釈明して、追善の供養でも営むことにするから
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蒲「どうしても
敵討
(
かたきうち
)
の
門出
(
かどで
)
だ。互に交す
茶盃
(
ちやさかづき
)
か」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「それでも討てば
敵討
(
かたきうち
)
にはなった」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
掛一
體
(
たい
)
志操
(
こゝろざし
)
宜
(
よろ
)
しからぬ者に付同惡と
存
(
ぞんじ
)
殊
(
こと
)
に
仇討
(
あだうち
)
の
節
(
せつ
)
妨
(
さまた
)
げ致し候故
是非
(
ぜひ
)
なく
疵
(
きず
)
を付候と申ければして又其方
敵討
(
かたきうち
)
致
(
いた
)
さん爲に遊女
奉公
(
ほうこう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それだけの意味ならば、
敵討
(
かたきうち
)
はばかばかしいと、昼寝をするにも劣るように罵った和尚の言葉が当らないでもない。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
貴方が
屹度
(
きっと
)
殺したということが分りもしない、こんな
的
(
あて
)
もないのに敵を討つといったっても仕方がない訳だから、
寧
(
いっ
)
そ
敵討
(
かたきうち
)
という事は
止
(
や
)
めてしまおう
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかし初春の狂言には
曽我
(
そが
)
を演ずるを吉例としてある。曽我は
敵討
(
かたきうち
)
で、敵を討てば人死のあることを免れない。
鴎外漁史とは誰ぞ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
よしんば自分でいくら身を落すつもりでかかっても、まさか親の
敵討
(
かたきうち
)
じゃなしね、そう真剣に自分の
位地
(
いち
)
を
棄
(
す
)
てて
漂浪
(
ひょうろう
)
するほどの
物数奇
(
ものずき
)
も今の世にはありませんからね。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もうお夏の、こう隔てのない、打開けた、——、
敵討
(
かたきうち
)
の、
駈落
(
かけおち
)
の相談をさるるような、一の(当てて御覧)がなかったら、火の玉は転がって、格子の外へ飛んだであろう。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「はい、どうせあなたと別れては、誰一人たよるものもないわたしの身、後に残って、一人で生きて行こうとは思いませぬ。どうぞわたしを手に懸けておいて、
潔
(
いさぎ
)
よう
敵討
(
かたきうち
)
のお供をしてくださりませ」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「死骸の
袂
(
たもと
)
から出ました、御覧の通り
敵討
(
かたきうち
)
の呼出し状で——」
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
敵討
(
かたきうち
)
か」
八寒道中
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敵討
(
かたきうち
)
!
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
聞給
(
きゝたま
)
はゞ
嘸
(
さぞ
)
な
歡
(
よろこ
)
び給ふべし
暫
(
しば
)
し
涙
(
なみだ
)
に
昏
(
くれ
)
けるが否々年も行ぬ
其方們
(
そなたたち
)
先々
(
まづ/\
)
見合
(
みあはせ
)
呉
(
くれ
)
と云を兄弟は聞ず
敵討
(
かたきうち
)
に出ると云にも非ず父樣の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と云い張り、幾ら留めても
肯
(
き
)
かず遂に
江戸町
(
えどちょう
)
一丁目
辨天屋
(
べんてんや
)
の抱えと成って名を
紅梅
(
こうばい
)
と改め、
彼
(
か
)
の
武士
(
さむらい
)
の行方を探すと云う亭主の
敵討
(
かたきうち
)
の端緒でございます。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その行先は両人で相談してみるがよい。そうして兵馬さんの方は御用は済んだら、またこっちへ帰って来て、
敵討
(
かたきうち
)
というやつをおやんなすったらよかろう
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「だってそうじゃないか。女はそれで気に入らない亭主に
敵討
(
かたきうち
)
をするつもりなんだろう」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「親分、——引っ返して下さい。山で
敵討
(
かたきうち
)
がありましたよ」
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おまえは口癖に
敵々
(
かたきかたき
)
というが、それはいけないよ、
敵討
(
かたきうち
)
ということは
侍
(
さむらい
)
の子のすることで、お前なんぞは念仏をしてお爺さんの
後生
(
ごしょう
)
を願っておればよいのだ」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
母上様
(
おっかさま
)
は先程息がきれましたというから、この
儘
(
まゝ
)
では置けないというので、御領主様へ届けると、
敵討
(
かたきうち
)
の事だからというので、孝助は人を付けて江戸表へ送り届ける。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「金の話だから好い顔が出来ないんじゃない。金とは独立した不愉快のために好い顔が出来ないのです。誤解してはいけません。
私
(
わたくし
)
はこんな場合に
敵討
(
かたきうち
)
をするような
卑怯
(
ひきょう
)
な人間とは違ます」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
併
(
しか
)
し打たれて死ぬまでも此の槍にてしたゝかに足を突くか手を突いて、
亀手
(
てんぼう
)
か
跛足
(
びっこ
)
にでもして置かば、
後日
(
ごにち
)
孝助が
敵討
(
かたきうち
)
を
為
(
す
)
る時幾分かの助けになる事もあるだろうから
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「わしはその
敵討
(
かたきうち
)
というのが大嫌いじゃ」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
亥「御新造、あなたのお
父
(
とっ
)
さんの敵が蟠龍軒と知れて見れば、この
敵討
(
かたきうち
)
をせざアなりませんよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其処に
種々
(
いろ/\
)
仔細がございまして、
敵討
(
かたきうち
)
をなさいませんければならない事に成って居りまするが、お刀を取ってしまわない内は踏込む訳にもいかないので、困って居りましたのです
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
図らずも夫文治が赦免という有難き日に親の
敵
(
かたき
)
を知り、多年の
欝憤
(
うっぷん
)
を
霽
(
は
)
らさばやと夫と共に旅立ちして、
敵討
(
かたきうち
)
の
旅路
(
たびじ
)
を渡る山中にて、
何
(
なん
)
の因果か神罰か、かゝる
憂目
(
うきめ
)
の身となりしぞ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仮令
(
たとえ
)
小村
(
こむら
)
でも村方を離れて知らぬ他国へ参りますものは快くないもので、
殊
(
こと
)
には年を取りました惣右衞門の
未亡人
(
びぼうじん
)
が、十歳になる惣吉という子供の手を曳いて
敵討
(
かたきうち
)
の旅立でありますから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
粟田口國綱
(
あわだぐちくにつな
)
と云う名剣が此の金森家にございます。これはその
北條時政
(
ほうじょうときまさ
)
の
守刀
(
まもりがたな
)
で
鬼丸
(
おにまる
)
と申します名刀がございました、これと同作でございまする。かの國綱の刀の
紛失
(
ふんじつ
)
から末が
敵討
(
かたきうち
)
になりまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
敵討
(
かたきうち
)
なぞを仕様といわねえで兎も角も
己
(
おら
)
ア弟子に成って
父
(
とっ
)
さまや母さまや兄さん姉さまの追善供養を
弔
(
ともら
)
ったが
宜
(
よ
)
かろうと勧めて、坊主になれといってもならねえだから、和尚様も段々可愛がって
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何卒叔父さん和尚様にお
暇
(
いとま
)
を頂いて
敵討
(
かたきうち
)
にお
遣
(
や
)
りなすって下さいまし
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
數「其の方の
手跡
(
しゅせき
)
だから宜しい、さ是から庭へ出て
敵討
(
かたきうち
)
だ/\」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
繼「実は山之助さん、私は
敵討
(
かたきうち
)
でございますよ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
是から
敵討
(
かたきうち
)
になりまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“敵討”の解説
敵討(かたきうち)または仇討ち(あだうち)は、主君や直接の尊属を殺害した者に対して私刑として復讐を行った日本の制度。武士が台頭した中世期からの慣行であり、江戸期には警察権の範囲として制度化された。
(出典:Wikipedia)
敵
常用漢字
小6
部首:⽁
15画
討
常用漢字
小6
部首:⾔
10画
“敵討”で始まる語句
敵討襤褸錦
敵討商売
敵討合法衢
敵討幼文談
敵討稚物語
敵討記乎汝
敵討霞初島