教師きょうし)” の例文
なつのことで、いえそときつくようなあつさでありました。教師きょうしは、ふとまどそとましたが、あることをあたまなかおもいうかべました。
教師と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
堀尾一等卒にこう云われたのは、これも同じ中隊にいた、小学校の教師きょうしだったと云う、おとなしい江木えぎ上等兵じょうとうへいだった。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そうしてほどなく或人あるひと世話せわ郡立学校ぐんりつがっこう教師きょうしとなったが、それも暫時ざんじ同僚どうりょうとは折合おりあわず、生徒せいととは親眤なじまず、ここをもまたしてしまう。そのうち母親ははおやぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
千八百八十三ねん、ペテルブルグの師範学校しはんがっこう卒業そつぎょうしたソログーブは、各地かくちうつみながら、教師きょうしつとめ、かたわつくっていたが、もなく長篇小説ちょうへんしょうせつ重苦おもくるしいゆめ
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
桑はったか。桑つきが悪いはお蚕様こさまが如何ぞしたのじゃあるまいか。養蚕ようさん教師きょうしはまだ廻って来ないか。種籾たねもみは如何した。田のあらおこしもせねばならぬ。苗代掻しろかきもせねばならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
勝島獣医学博士かつしまじゅういがくはくし駒場農学校こまばのうがっこうのまさに卒業そつぎょうせんとする数十名の生徒せいとをひきいて種畜場しゅちくじょう参観さんかんにこられたときは、教師きょうしはもちろん生徒にいたるまで糟谷かすやのごときほとんど眼中がんちゅうになかった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
わたしと弟とかれと三人、同じ教師きょうしについて勉強していたじぶん、マチアは、ギリシャ語やラテン語こそいっこう進歩はしなかったが、音楽ではずんずん先生を凌駕りょうが(しのぐ)していた。
「おかあさんにきますが、あのは、ちいさいとき、脳膜炎のうまくえんをわずらったことがありませんか。」と、教師きょうしはたずねたのです。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
エサウは焼肉のために長子権ちょうしけんなげうち、保吉はパンのために教師きょうしになった。こう云う事実を見れば足りることである。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「なんで、そうよこくんだ。」としかって、子供こどもをにらみました。子供こどもは、また、毎日まいにち教師きょうしからしかられたのであります。
教師と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
タウンゼンド氏は頭の禿げた、日本語の旨い好々爺こうこうやだった。由来西洋人の教師きょうしと云うものはいかなる俗物にもかかわらずシェクスピイアとかゲエテとかを喋々ちょうちょうしてやまないものである。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あるところに、よく生徒せいとをしかる教師きょうしがありました。また、ひじょうに物覚ものおぼえのわる生徒せいとがありました。教師きょうしはその子供こどもをたいへんにくみました。
教師と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
従って衣食のはかりごとを立てることは僕等の目前に迫っていた。僕はだんだん八犬伝を忘れ、教師きょうしになることなどを考え出した。が、そのうちに眠ったと見え、いつかこう言う短い夢を見ていた。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「いや、ひとかおるのが、あののくせであるか、いているのです。」と、教師きょうしは、自分じぶんにだけする行為こういなのか、それをりたかったのです。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
校長こうちょうは、どんなによろこんだでしょう。また、音楽おんがく教師きょうしは、どんなにこのオルガンをくのをうれしがったでしょう。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あのは、みょうなくせがあって、ひとかおばかりていて、勉強べんきょうがすこしもあたまはいっていないが、うちではどんなふうですか。」と、教師きょうしは、たずねました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとこが、むずかしいかおをして仕事しごとをしているので、ついくちさずにいましたが、あるのこと、教師きょうし
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
教師きょうし白墨チョーク平素点へいそてん記入きにゅうする手帳てちょうとをって教室きょうしつはいってきました。いままでがやがやといっていました教室きょうしつなかは、きゅうえたように寂然ひっそりとなりました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどとなりいえの二かいには、中学校ちゅうがっこうへ、おしええに博物はくぶつ教師きょうしりていました。博物はくぶつ教師きょうしは、よく円形えんけい眼鏡めがねをかけて、かおしてこちらをのぞくのであります。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
博物はくぶつ教師きょうしは、あごにひげをはやしている、きわめて気軽きがるひとでありましたが、いつも剥製はくせいとりを、なんだろう? ついぞたことのないとりだが、とおもっていました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わかおんな教師きょうしは、れるころまで、ひと学校がっこうのこってオルガンをらしていることがありました。また、おとこ教師きょうしも、おそくまでこのオルガンをいていることがありました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてはなさかりには、教師きょうし生徒せいとも、そのしたにきて、あそ時間じかんにはあそびましたが、それもわずか四、五にちあいだで、かぜいて、あめると、はなあらられたように、こずえからってしまい
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、おつ教師きょうしのいったことをおもしていいました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
学校がっこうで、ある思慮しりょのない教師きょうしが、純吉じゅんきちのことを
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)