をが)” の例文
旧字:
あはれだとおおもひなすつて、母様おつかさんがおあしめぐむで、肩掛シヨールせておやんなすつたら、ぢいさんなみだおとしてをがむでよろこびましたつて、さうして
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
昔より信仰厚き人達は、うつつ神仏かみほとけ御姿おんすがたをもをがみ候やうに申候へば、私とても此の一念の力ならば、決してかなはぬ願にも無御座ござなく存参ぞんじまゐらせ候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
幽霊いうれいは白くやせたるあはせ、ほとけをがみつゝすがた次第しだいうすくなると見えしがきえうせけり。
ところかずなりません落語家社会はなしかしやくわいでも、三いうしや頭取とうどり円生ゑんしやう円遊ゑんいうまうしまするには、仮令たとへ落語家社会はなしかしやくわいでも、うか総代そうだいとして一名は京都きやうとのぼせまして、御車みくるまをがませたいものでござりますが
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あがてだをがみゆる、さがてだをがまぬ」という沖縄の俚諺りげんくこの辺の消息をもたらしている。実に沖縄人に取っては沖縄で何人なんぴとが君臨しても、支那で何人が君臨しても、かまわなかったのである。
沖縄人の最大欠点 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
手製てづくりて母のたまひしものなればこの柚味噌はをがみてたうぶ
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
賽銭箱さいせんばこに十円札ゑんさつはふあはしてをがんでゐたときである。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
高山の雪に火縄の火のなとをがひのるはかなつまばかり
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
藻抜もぬけのやうにつてた、わしたましひもどつた、其方そなたをがむとひとしく、つえをかいみ、小笠をがさかたむけ、くびすかへすとあはたゞしく、一さんりたが、さといた時分じぶんやま驟雨ゆふだち
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へえゝ……成程なるほど……これは……あゝ(両手りやうてあはをがみ)有難ありがたぞんじます、南無薬師瑠璃光如来なむやくしるりくわうによらい、お庇陰かげちまして両眼りやうがんともあきらかになりまして、誠に有難ありがたぞんじます……成程なるほどこれは手でございますか。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
波の声もとまれ、風の声もとまれ、首里天加那志しゅゆいてんぢゃなし、みおんきをがま。
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
時折りに夫婦めをと向きあひ畑をうつをがむ如くに悲しき人形
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
人間にんげんまへとき如意輪によいりん御姿おすがたは、スツと松蔭まつかげやゝとほく、くらちひさくをがまれた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
月様つきさまをがむとて
お月さまいくつ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
膝行いざつて、……雪枝ゆきえ伸上のびあがるやうにひざいて、そでのあたりををがんだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もうさとつて地蔵様ぢざうさまをがまつしやる時刻じこくぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一刀一拝いつたういつぱいをがめ、たのめ、ねんじて、ねんじて、」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)