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戒名
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かいみやう
ふりがな文庫
“
戒名
(
かいみやう
)” の例文
文盲
(
もんまう
)
な伊之助は、書いた物といふと、毛蟲よりも嫌ひだつたらしく、大神宮樣の御札と、佛樣の
戒名
(
かいみやう
)
より外には、何にもありません。
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これが
誰
(
だれ
)
だ、あれが
誰
(
だれ
)
だ、と
言
(
い
)
つて
祖母
(
おばあ
)
さんの
教
(
おし
)
へて
呉
(
く
)
れるお
墓
(
はか
)
の
中
(
なか
)
には、
戒名
(
かいみやう
)
の
文字
(
もじ
)
を
赤
(
あか
)
くしたのが
有
(
あ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
事のよしをつげてお菊が
戒名
(
かいみやう
)
をもとめ、お菊が
溺死
(
おぼれしゝ
)
たる
橋
(
はし
)
の
傍
(
かたはら
)
に髪の毛を
埋
(
うづ
)
め
石塔
(
せきたふ
)
を
建
(
たつ
)
る事すべて人を
葬
(
はうふ
)
るが
如
(
ごと
)
くし、みなあつまりてねんごろに
仏事
(
ぶつじ
)
を
営
(
いとな
)
みしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
位牌
(
ゐはい
)
の
主
(
ぬし
)
は
戒名
(
かいみやう
)
を
持
(
も
)
つてゐた。けれども
俗名
(
ぞくみやう
)
は
兩親
(
ふたおや
)
といへども
知
(
し
)
らなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
最初
(
さいしよ
)
それを
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
の
箪笥
(
たんす
)
の
上
(
うへ
)
へ
載
(
の
)
せて、
役所
(
やくしよ
)
から
歸
(
かへ
)
ると
絶
(
た
)
えず
線香
(
せんかう
)
を
焚
(
た
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
建呉よ又
弟
(
おとゝ
)
九郎兵衞は當時
駿河國
(
するがのくに
)
御殿場に居る由今は心も直りしならんと思へば其方の爲には
現在
(
げんざい
)
の
伯父
(
をぢ
)
なる故一度は
公父
(
てゝご
)
の
戒名
(
かいみやう
)
を屆け呉よと涙と
供
(
とも
)
に九助が手を取り顏を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
どういふ
訳
(
わけ
)
で
梅廼屋
(
うめのや
)
が
塔婆
(
たふば
)
を
上
(
あ
)
げたか、
不審
(
ふしん
)
に思ひながら、
矢立
(
やたて
)
と
紙入
(
かみいれ
)
の
鼻紙
(
はながみ
)
を
取出
(
とりだ
)
して、
戒名
(
かいみやう
)
や
俗名
(
ぞくみやう
)
を
皆
(
みな
)
写
(
うつ
)
しましたが、
年号月日
(
ねんがうぐわつぴ
)
が
判然
(
はつきり
)
分
(
わか
)
りませぬから、
寺
(
てら
)
の
玄関
(
げんくわん
)
へ
掛
(
かゝ
)
つて
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
道子
(
みちこ
)
は
母
(
はゝ
)
のみならず
父
(
ちゝ
)
の
墓
(
はか
)
も——
戦災
(
せんさい
)
で
生死不明
(
せいしふめい
)
になつた
為
(
た
)
め、
今
(
いま
)
だに
立
(
た
)
てずにある
事
(
こと
)
を
語
(
かた
)
り、
母
(
はゝ
)
の
戒名
(
かいみやう
)
と
共
(
とも
)
に
並
(
なら
)
べて
石
(
いし
)
に
掘
(
ほ
)
つて
貰
(
もら
)
ふやうに
頼
(
たの
)
み、
百円札
(
ひやくゑんさつ
)
二三
枚
(
まい
)
を
紙
(
かみ
)
に
包
(
つゝ
)
んで
出
(
だ
)
した。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
「娘の方も嫌ひぢやない樣で——尤も左母次郎といふのは、
青雲
(
せいうん
)
とか何んとか言ふ、彫物の
戒名
(
かいみやう
)
のある男で——」
銭形平次捕物控:273 金の番
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
赤
(
あか
)
い
戒名
(
かいみやう
)
はまだこの
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
きて
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
で、
旦那
(
だんな
)
さんだけ
亡
(
な
)
くなつた
曾祖母
(
ひいおばあ
)
さんのやうな
人
(
ひと
)
のお
墓
(
はか
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
亡兒
(
ばうじ
)
のために、
小
(
ちひ
)
さい
柩
(
ひつぎ
)
を
拵
(
こし
)
らえて、
人
(
ひと
)
の
眼
(
め
)
に
立
(
た
)
たない
葬儀
(
さうぎ
)
を
營
(
いと
)
なんだ。しかる
後
(
のち
)
、
又
(
また
)
死
(
し
)
んだもののために
小
(
ちひ
)
さな
位牌
(
ゐはい
)
を
作
(
つく
)
つた。
位牌
(
ゐはい
)
には
黒
(
くろ
)
い
漆
(
うるし
)
で
戒名
(
かいみやう
)
が
書
(
か
)
いてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
仕つり九郎兵衞は九郎右衞門の
弟
(
おとゝ
)
なれ共一
體
(
たい
)
若年
(
じやくねん
)
よりといはんとせしが伯父の
讒訴
(
ざんそ
)
は如何とぞ心ろ付
亡夫
(
ばうふ
)
の
勘當
(
かんだう
)
を受け十七年の間
相摸
(
さがみ
)
國御
殿場
(
てんば
)
村に居りしを私し親共死去の
節
(
せつ
)
戒名
(
かいみやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此仏
(
このほとけ
)
は
是々
(
これ/\
)
で
餅
(
もち
)
と
金
(
かね
)
を一緒に
食
(
く
)
つて死んだのでげすから、とも
申
(
まう
)
されませんが、
戒名
(
かいみやう
)
を見ると「
安妄養空信士
(
あんもうやうくうしんじ
)
」と
致
(
いた
)
して置かれたのには
金兵衛
(
きんべゑ
)
が
驚
(
おどろ
)
きました。金「
成程
(
なるほど
)
、
是
(
これ
)
は
面白
(
おもしろ
)
うがすな。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
六疊の間に据えた佛壇には、先祖の位牌と、死んだ女房の新らしい
戒名
(
かいみやう
)
が飾られてあるらしく、貧しいうちにも、何にか折目の正しさが、人に迫るものがあるのです。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
墓石
(
はかいし
)
を
取巻
(
とりま
)
いて
戒名
(
かいみやう
)
が
彫
(
ほ
)
つてある。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「塔婆の
戒名
(
かいみやう
)
で見ると子供のやうだが、それにしちや土饅頭が大き過ぎはしませんかね、親分」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それにしちや變ですぜ親分。あの傷男は徳力屋のことを何も彼も知つて居ましたよ。あつしは去年の二百十日前の帳尻から、
箪笥
(
たんす
)
の刀の
銘
(
めい
)
、三代前の
戒名
(
かいみやう
)
まで聽いて來ましたよ」
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは
蜜柑
(
みかん
)
箱を經机に、その上に有難い經文を
載
(
の
)
せ、半紙一杯に幾つかの
戒名
(
かいみやう
)
を並べて、手に數珠を
絡
(
から
)
ませ、半眼に眼を閉ぢて
禪定
(
ぜんぢやう
)
に入つたやうに、鎭まり返つた下男圓三郎の姿だつたのです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“戒名”の意味
《名詞》
戒名(かいみょう)
仏教において出家し、受戒した僧が授けられる名前。
仏教徒の故人が死後受戒し、僧から授けられる名前。
(出典:Wiktionary)
“戒名”の解説
戒名(かいみょう)は、仏教において、戒を守ることを誓った(受戒した)者に与えられる名前である。仏門に入った証であり、戒律を守る証として与えられる。
戒名の授与は、上座部仏教と大乗仏教の両方で行われており、多くの場合、出家修道者に対して授戒の師僧によって与えられる。
(出典:Wikipedia)
戒
常用漢字
中学
部首:⼽
7画
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
“戒”で始まる語句
戒
戒刀
戒心
戒飭
戒行
戒律
戒壇
戒告
戒厳令
戒壇院