トップ
>
御手
>
おんて
ふりがな文庫
“
御手
(
おんて
)” の例文
カピ長 おゝ、モンタギューどの、
御手
(
おんて
)
をば
與
(
あた
)
へさせられい。これをこそ
愛女
(
むすめ
)
への
御結納
(
ごゆひなう
)
とも
思
(
おも
)
ひまする、
他
(
ほか
)
に
望
(
のぞみ
)
とてはござらぬわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
十月二十九日朝
御暇乞
(
おんいとまごい
)
に参り、
御振舞
(
おんふるまい
)
に預り、
御手
(
おんて
)
ずから御茶を下され、
引出物
(
ひきでもの
)
として九曜の
紋
(
もん
)
赤裏の小袖
二襲
(
ふたかさね
)
を
賜
(
たま
)
わり候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
と
仰有
(
おつしや
)
つたが、
御手
(
おんて
)
の
錫杖
(
しやくぢやう
)
をづいと
上
(
あ
)
げて、トンと
下
(
お
)
ろしざまに
歩行
(
あゆ
)
び
出
(
で
)
らるゝ……
成程
(
なるほど
)
、
御襟
(
おんゑり
)
の
唾掛
(
よだれかけ
)
めいた
切
(
きれ
)
が、ひらり/\と
揺
(
ゆ
)
れつゝ
来
(
こ
)
らるゝ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
腰に廻された
御手
(
おんて
)
、軽く握られたお手……別段殿下には、変った御様子もない。相変らずにこやかな笑みを
湛
(
たた
)
えて曲に合わせて見事な弧を描いていらっしゃる。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
仰ぎ願くは三世十方の諸佛、
愛護
(
あいご
)
の
御手
(
おんて
)
を垂れて
出離
(
しゆつり
)
の道を得せしめ給へ。
過去精麗
(
くわこしやうりやう
)
、
出離生死
(
しゆつりしやうじ
)
、
證大菩提
(
しようだいぼだい
)
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
「神保帯刀様ご
嫡男
(
ちゃくなん
)
、同姓市之丞様に物申す。いざ尋常にご覚悟あって、その
御手
(
おんて
)
背
(
そびら
)
にお廻わしあれや!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
隣の寺の観音様
御手
(
おんて
)
を膝に柔和の御相これも
笑
(
ゑ
)
めるが
如
(
ごと
)
く、若いさかりの熱といふ物にあはれみ給へば、此処なる冷やかのお縫も笑くぼを
頬
(
ほう
)
にうかべて世に立つ事はならぬか
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
閻魔面
(
えんまづら
)
した院長さんでも。すぐに地蔵の笑顔に変って。慈悲の
御手
(
おんて
)
で迎える代りに。ほかの患者を極楽まわしじゃ。金があってもまずこの通りじゃ……チャカポコチャカポコ……
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
また一冊はルイ十四世の
御手
(
おんて
)
に残り、ルイ十五世に伝わり、十六世の時に獄屋の中で焼き捨てられた。しかしその写しの
紙片
(
かみきれ
)
が女王に渡された。女王はそれを聖書の中に挟まれた。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
かの
水精
(
ナイアス
)
の水したたる白い
御手
(
おんて
)
に滋味を吸う
鵠
(
こう
)
の鳥、水に浮くこの聖鳥の如くに、わたくしも
亦
(
また
)
暗い時の
間
(
ま
)
には、斯人の手にうち伏し、うち
縋
(
すが
)
り、わが心の糧——深き夢をば求めました。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
「ついに泣かぬ弁慶も
一期
(
いちご
)
の涙ぞ
殊勝
(
しゅしょう
)
なる」から「
判官
(
ほうがん
)
御手
(
おんて
)
を取り給い」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
願わくは
御手
(
おんて
)
に随従して微力を
竭
(
つく
)
し
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
さては
御手
(
おんて
)
に、『ゆくすゑ』の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
時に、壁の
蔭
(
かげ
)
の、昼も薄暗い、
香
(
こう
)
の
薫
(
かおり
)
のする尊い
御厨子
(
みずし
)
の中に、
晃然
(
きらり
)
と輝いたのは、
妙見宮
(
みょうけんぐう
)
の
御手
(
おんて
)
の
剣
(
つるぎ
)
であつた。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
隣
(
となり
)
の
寺
(
てら
)
の
觀音樣
(
くわんをんさま
)
御手
(
おんて
)
を
膝
(
ひざ
)
に
柔和
(
にうわ
)
の御
相
(
さう
)
これも
笑
(
ゑ
)
めるが
如
(
ごと
)
く、
若
(
わか
)
いさかりの
熱
(
ねつ
)
といふ
物
(
もの
)
にあはれみ
給
(
たま
)
へば、
此處
(
こゝ
)
なる
冷
(
ひや
)
やかのお
縫
(
ぬひ
)
も
笑
(
ゑ
)
くぼを
頬
(
ほう
)
にうかべて
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
つ
事
(
こと
)
はならぬか
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
程遠からぬ吉野の
御山
(
みやま
)
へわずかに、
御
(
おん
)
住居を
御
(
おん
)
移しになるばかり、しかもやがては高野も熊野も、
御手
(
おんて
)
にお入れあそばさるるご方寸、しかれば十津川は交通の要路、再々お通りあそばさるれば
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
御手
(
おんて
)
に
隨從
(
ずゐじゆう
)
して
微力
(
びりよく
)
を
竭
(
つく
)
し
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
三
(
さん
)
は
御手
(
おんて
)
の
手
(
て
)
のひらに。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
「や、や、
狼藉
(
ろうぜき
)
。」と驚きたまう老婦人の両の
御手
(
おんて
)
を左右より
扼
(
とりしば
)
りて勿体無くも引下ろせば、一人は
背後
(
うしろ
)
より
抱竦
(
だきすく
)
め、他は塩ッ辛き手拭を口に
捻込
(
ねじこ
)
み
猿轡
(
さるぐつわ
)
。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伊豆守幸豐君
(
いづのかみゆきとよぎみ
)
、
御手
(
おんて
)
を
膝
(
ひざ
)
に
置
(
お
)
き
給
(
たま
)
ひ、
頭
(
かうべ
)
も
得上
(
えあ
)
げで
平伏
(
へいふく
)
せる
彼
(
か
)
の
何某
(
なにがし
)
をきつと
見
(
み
)
て
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
と、と
殿樣
(
とのさま
)
、
片膝
(
かたひざ
)
屹
(
きつ
)
と
立
(
た
)
てたまへば、
唯唯
(
はは
)
、
唯
(
は
)
、
恐
(
おそ
)
れながら、
打槌
(
うつつち
)
はづれ
候
(
さふらふ
)
ても、
天眼鏡
(
てんがんきやう
)
は
淨玻璃
(
じやうはり
)
なり、
此
(
こ
)
の
女
(
ぢよ
)
、
夫
(
をつと
)
ありて、
後
(
のち
)
ならでは、
殿
(
との
)
の
御手
(
おんて
)
に
入
(
い
)
り
難
(
がた
)
し、と
憚
(
はゞか
)
らずこそ
申
(
まを
)
しけれ。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私たちの覚えたのは、
内方
(
うちかた
)
袖方
(
そでかた
)
、
御手
(
おんて
)
に蝶や花、どうやどうんど、どうやどうんど、一丁、二丁、三丁、四丁ッてもう陽気なことばかりで、訳が
解
(
わか
)
らないけれど、貢さんのはまた格別だねえ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……ついて
落
(
おと
)
いて、
裁形
(
たちかた
)
、
袖形
(
そでかた
)
、
御手
(
おんて
)
に、
蝶
(
ちょう
)
や……花。……
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“御手”で始まる語句
御手洗
御手際
御手数
御手玉
御手許
御手水
御手元
御手入
御手數
御手討