宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旧聞日本橋:19 明治座今昔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そこで兵馬は小癪にさわりました。かつて、慢心和尚がいうことには、「人間は、犬に吠えられるようでは、修行が足りない」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『さあ、僕の愛するペガッサスよ、』と彼は翼のある馬の耳に囁きました、『お前は僕がこの小癪な怪物を退治るのを加勢しなければならない。 ...
ワンダ・ブック――少年・少女のために―― (新字新仮名) / ナサニエル・ホーソーン(著)
向うで何か羨ましいとか小癪にさわるとか思って、じっと見つめると、すぐにこっちへ感じてしまうので、向うでは別に祟るというほどの考えはなくとも
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
福沢先生の処世主義と我輩の処世主義 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
小癪な事をいうもんだと葉子は心の中で思ったけれども、指先でもてあそびながら少し振り仰いだ顔はそのままに、あわれむような、からかうような色をかすかに浮かべて
「何をおあがりなさいます」と、お君のおきまり文句らしいのを聴くと、僕が西洋人なら僕の教えた片言を試みるのだろうと思われて、何だか厭な、小癪な娘だという考えが浮んだ。
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
……なんという小癪らしい、可愛げな顔ばしているのでありましょう
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼はきわめて面白い男であり、この上もなく小癪な男であった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
銭形平次捕物控:122 お由良の罪 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
純潔——そんなものの無力を心でつねに主張している彼には(そして彼は十七歳の時から立派に純潔を踏みにじってきているのだ)小癪にさわった。それにしても何んという可憐な動物だ。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高部を追いかける途端を、小癪なと、横合いから一ナグリに斬って捨てようとしたのが、案外にも、出足を進めないで、後ろへひいて構えた変化。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
隠居が五十両で茶碗を掘り出した夢中な姿が、ツイ小癪にさわったものでしょう。
銭形平次捕物控:133 井戸の茶碗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)