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家作
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かさく
ふりがな文庫
“
家作
(
かさく
)” の例文
家は貧乏になりかけてゐる。召使達は半數位暇を出さなくてはならない。そして
家作
(
かさく
)
もいくらか疊むか貸すかしなくてはならない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
光子さんのところの
家作
(
かさく
)
に税務署長が住んでいて、そこは主人より奥さんの方が年上だものだから、焼餅喧嘩が絶えないんだ。
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
質屋と云っても半分は農家で、相当の
身上
(
しんしょう
)
であるらしい。その裏手に二軒の
家作
(
かさく
)
があって、大工や左官などがはいっていた。
半七捕物帳:57 幽霊の観世物
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
何
(
なん
)
にもしないで
遊
(
あす
)
んでるんでせう。
地面
(
ぢめん
)
や
家作
(
かさく
)
を
持
(
も
)
つて」と
御米
(
およね
)
が
答
(
こた
)
へた。
此
(
この
)
答
(
こたへ
)
も
今迄
(
いままで
)
にもう
何遍
(
なんべん
)
か
宗助
(
そうすけ
)
に
向
(
むか
)
つて
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
されたものであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
太七の
家作
(
かさく
)
で、ほんの二三丁先、形ばかりの空家へ、焦げ臭い荷物と一緒に、五六人の人間が詰め込んで居たのです。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
国道沿線に五六軒の
家作
(
かさく
)
を建てたりして裕福に暮らしてゐたのだつたが、福子のことでは大分今迄に手を焼いてゐた。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
家作
(
かさく
)
はほかにもたくさん持っていた。彦兵衛の仕事は、毎日家賃と利子の取り立てに
廻
(
まわ
)
ることだった。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このあたりの森の最後の住人はワイマンの
家作
(
かさく
)
を借りていたアイルランド人のヒュー・コイル Quoil(わたしはQの字その他を十分
輪
(
コイル
)
をつくって綴ったつもりだ)
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
内儀
(
かみ
)
さんとは、若い時からの知合で、それに斯の女の出して居る洋服店は経師屋の
家作
(
かさく
)
だつた。裁縫師は病人の寝床の
側
(
そば
)
で、白い被服を着けた柿田の様子を一緒に眺めて
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
旧
(
もと
)
は農商務省に勤めてをりましたが、
唯今
(
ただいま
)
では地所や
家作
(
かさく
)
などで暮してゐるやうでございます。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ニコライ・イーリイッチ・ベリヤーエフというのはペテルブルグの
家作
(
かさく
)
持ちで、競馬気違いで、そして栄養のいいてらてらした顔の、年の頃三十二ぐらいの若紳士であった。
小波瀾
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
すっかり賭ける。地面も、
家作
(
かさく
)
も、馬も、自働車も、一つ残らず賭けてしまう。その代り君はあの金貨のほかに、今まで君が勝った金をことごとく賭けるのだ。さあ、引き給え。
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
妹娘の旦那、銀行の頭取りは、事ごとに木場の旦那とは違ったゆきかたで、自分の
女
(
もの
)
にした妹娘の
家作
(
かさく
)
に手入れをする、動産、不動産、いずれも消てしまわないものを注ぎ込んだ。
旧聞日本橋:13 お墓のすげかえ
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
日頃
(
ひごろ
)
母子の家に
出入
(
でいり
)
する男といっては、日々勝手口へ御用を聞きに来る商人の
外
(
ほか
)
には、植木屋と
呉服屋
(
ごふくや
)
と
家作
(
かさく
)
の
差配人
(
さはいにん
)
と、それから
桑島
(
くわじま
)
先生という内科の医者くらいのものであろう。
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「そりや然うだとも!………世の苦勞があるから、
偶時
(
たま
)
にア亡くなツた人のことも思はないじやないけども
正直
(
しやうじき
)
家作
(
かさく
)
でも少しあツたら、此うしてゐた方が幾ら氣
樂
(
らく
)
だか知れやしない。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
店は
息子
(
むすこ
)
に
譲
(
ゆず
)
って、自分は
家作
(
かさく
)
を五軒ほど持って、老妻と二人で暮らしているというのんきな身分、
釣
(
つり
)
と植木が大好きで、朝早く大きな
麦稈帽子
(
むぎわらぼうし
)
をかぶって、
笭箵
(
びく
)
を下げて、
釣竿
(
つりざお
)
を持って
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
とどのつまりが別居といふことになつて、そこでお母さま一流の気前のよさが始まりました。一々おぼえてもゐませんが、別荘や
家作
(
かさく
)
が片つぱしからS家の名義に書き換へられたやうでした。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
と云ってビール瓶で殴りつけたので、綱行は負傷するし、つづいて女房が病気になってなかなか
癒
(
なお
)
らず、そんなこんなで
家作
(
かさく
)
は人手に渡ってしまった。その時遊びに来たのが伊藤
静雨
(
せいう
)
であった。
お化の面
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
享保
(
きょうほ
)
十二年の大火事の翌年にも、藁葺きの新築は禁止するというお触れがでており、そのまた次の年には、なるべく
下地総塗
(
したじそうぬ
)
りの
家作
(
かさく
)
、すなわち今いう土蔵造りを建てよという命令も発せられた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
此方
(
こつち
)
からして金まで付
離縁
(
りえん
)
なしたる其
情
(
なさ
)
けは
結句
(
けつく
)
此身の
仇
(
あだ
)
となり役人
衆
(
しう
)
の詞にも
所詮
(
しよせん
)
存命
(
ぞんめい
)
協
(
かな
)
はぬと云れしなれば此
覺悟
(
かくご
)
然
(
され
)
ど其方は此事の御
咎
(
とがめ
)
はよも有まい程に御所刑濟ば
田畑
(
でんばた
)
居屋敷
(
ゐやしき
)
家作
(
かさく
)
家財
(
かざい
)
は其方へ下さるゝで有うゆゑ殘らず其を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ほかに地所
家作
(
かさく
)
なども持っていて、町内でも物持ちの一人にかぞえられ、何の不足もない身の上であったが、ただひとつの不足——というよりも
鼠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
国道沿線に五六軒の
家作
(
かさく
)
を建てたりして裕福に暮らしてゐたのだつたが、福子のことでは
大分
(
だいぶ
)
今迄に手を焼いてゐた。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
堀尾君は次の日曜に清水君の
家作
(
かさく
)
へ引移った。期せずして悌四郎君と背中合せになったのは郷里以来深い縁だった。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
叔父
(
をぢ
)
の
賣
(
う
)
り
拂
(
はら
)
つたと
云
(
い
)
ふ
地面
(
ぢめん
)
家作
(
かさく
)
に
就
(
つ
)
いても、
固
(
もと
)
より
多
(
おほ
)
くの
期待
(
きたい
)
は
持
(
も
)
つてゐなかつた。
時々
(
とき/″\
)
考
(
かんが
)
へ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今朝、自分の
家作
(
かさく
)
うちに、人殺しがあったと近所の
店子
(
たなこ
)
同道で訴え出たのであります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「え、町内で知らない者はありゃしません。父さんに無理な請負をさせて、さんざん損をさせた上、
家作
(
かさく
)
を取上げたり、
店立
(
たなだ
)
てを喰わせたり、その上三月も半歳も只で使ったり——」
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「隣はわたしの
家作
(
かさく
)
ですからね。火災保険の金だけはとれるのですよ。」
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
国道沿線に五六軒の
家作
(
かさく
)
を建てたりして裕福に暮らしていたのだったが、福子のことでは大分
今迄
(
いままで
)
に手を焼いていた。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
関口屋はここらの
老舗
(
しにせ
)
で、ほかに地所
家作
(
かさく
)
も持っていて、小僧二人のほかに若い者三人、女中三人の暮らしである。
半七捕物帳:55 かむろ蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
けれども、それ
以上
(
いじやう
)
は、
弟
(
おとうと
)
の
將來
(
しやうらい
)
の
學資
(
がくし
)
に
就
(
つい
)
ても、
又
(
また
)
自分
(
じぶん
)
が
叔父
(
をぢ
)
に
頼
(
たの
)
んで、
留守中
(
るすちゆう
)
に
賣
(
う
)
り
拂
(
はら
)
つて
貰
(
もら
)
つた
地所
(
ぢしよ
)
家作
(
かさく
)
に
就
(
つ
)
いても、
口
(
くち
)
を
切
(
き
)
るのがつい
面倒
(
めんだう
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
那麽
(
あんな
)
鬼のような手をして不恰好なってありゃしない。
家作
(
かさく
)
が何軒あるの地所を
何程
(
いくら
)
持っているのって外、何一つ碌な口も利けない芸無しの癖に。年甲斐もなくまあ
彼
(
あ
)
の赤いネクタイは何でしょう。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかも彼女が現在住んでいる池の端の裏屋は甲州屋の
家作
(
かさく
)
であるから、ここもおそらく追い立てられるであろう。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何しろ
故
(
もと
)
の通りあの地面と
家作
(
かさく
)
を有ってるんだから、そう困っていない事は
慥
(
たしか
)
でさあ。それに御藤さんの方へは
御縫
(
おぬい
)
さんの方からちゃんちゃんと送金はあるしさ。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
阪神の甲子園に園村氏所有の
恰好
(
かっこう
)
な
家作
(
かさく
)
があり、売ってもよいと云うことであるから、それを子爵家が買い取って新夫婦に贈ることになろう、御牧氏は近々大阪か神戸に職を求めることになろうし
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「はあ。火元に近い上に御自分の
家作
(
かさく
)
でいらっしゃいますから」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
実はきのう千住の
掃部宿
(
かもんじゅく
)
の質屋に用があって出かけて行くと、そこでちっとばかり
家作
(
かさく
)
の手入れをするので、下谷通新町の長助という大工が来ていました。
半七捕物帳:57 幽霊の観世物
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「それなら
家主
(
いえぬし
)
じゃありませんか。
家作
(
かさく
)
は沢山ありますか?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
尤も吉原では暖簾の
旧
(
ふる
)
い店でもあり、ほかにも地所や
家作
(
かさく
)
などをもっているので、まず相当に店を張っている。
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
家作
(
かさく
)
が沢山あるのかい?」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかしほかにも
家作
(
かさく
)
などをもっているので、店は他人にゆずって、自分たちは近所でしもた家暮らしをすることになった。ここの主人ももう六十を越えていた。
ゆず湯
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかしほかにも
家作
(
かさく
)
などをもっているので、店は他人にゆずって、自分たちは近所でしもた家暮らしをすることになった。ここの主人ももう六十を越えていた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何代か前の先祖は炭屋をしていたとかいうので、世間では今でも炭団伊勢屋といっているんですが、地所
家作
(
かさく
)
は持っていて、
身上
(
しんしょう
)
はなかなかいいという評判です。
半七捕物帳:26 女行者
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小体
(
こてい
)
に暮らしてはいますけれど、ほかに
家作
(
かさく
)
なども持っていて、なかなか内福だということです。
異妖編
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
菓子商売のほかに地所や
家作
(
かさく
)
を持っていて、
身上
(
しんしょう
)
もいい。主人はまだ若い。四年前に嫁を貰って無事に暮らしているが、独り者の頃には多少の道楽もしたように聞いている。
恨みの蠑螺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分は石切横町に一軒の
家作
(
かさく
)
を持っているから、もし盆前までに返金が出来なかったらば、それをおまえの方へ引渡すといって、念のためにお春を連れ出したのでございます。
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
但し旧家といい、
老舗
(
しにせ
)
といっても、丸多の店の
有金
(
ありがね
)
を全部をかき集めても二、三千両に過ぎない。そのほかの財産はみな地所や
家作
(
かさく
)
であるから、右から左に金には換えられない。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
作
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“家作”で始まる語句
家作内
家作持