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墓所
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はかしょ
ふりがな文庫
“
墓所
(
はかしょ
)” の例文
この寺の
墓所
(
はかしょ
)
に、京の友禅とか、江戸の俳優
某
(
なにがし
)
とか、墓があるよし、
人伝
(
ひとづて
)
に聞いたので、それを捜すともなしに、
卵塔
(
らんとう
)
の中へ入った。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寺で聞けば宜しいに、
己
(
おのれ
)
が殺した女の
墓所
(
はかしょ
)
、事によったら、
咎
(
とが
)
められはしないか、と
脚疵
(
すねきず
)
で、手桶を
提
(
さ
)
げて墓場でまご/\して居る。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「……ア……アノ
蔵元屋
(
くらもとや
)
どんの
墓所
(
はかしょ
)
の中で……シ……島田に結うた、赤い振袖の
女
(
おなご
)
が……
胴中
(
どうなか
)
から……離れ離れに…ナ……なって……」
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
けれど何等の響きも聞えない。左に小道を
折
(
お
)
るれば、例の
墓所
(
はかしょ
)
に出るので、誰れ見るともなく、静かな秋はいつとなく
暮
(
くれ
)
て行くのである。
面影:ハーン先生の一周忌に
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寛文
(
かんぶん
)
十一年の正月、
雲州
(
うんしゅう
)
松江
(
まつえ
)
祥光院
(
しょうこういん
)
の
墓所
(
はかしょ
)
には、
四基
(
しき
)
の石塔が建てられた。施主は
緊
(
かた
)
く秘したと見えて、誰も知っているものはなかった。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
けれども梅三爺は、どんな幸福が待っているとしても、先祖の
墓所
(
はかしょ
)
を見限り、生まれた土地をはなれて、知らぬ
他郷
(
たきょう
)
へ行って暮らす気にはなれなかった。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
ロレ
此上
(
このうへ
)
は、そっと
墓所
(
はかしょ
)
まで
往
(
ゆ
)
かねばならぬ。
此
(
この
)
三時
(
みとき
)
が
間
(
あひだ
)
に、ヂュリエットは
目
(
め
)
を
覺
(
さま
)
さう。
始終
(
しじゅう
)
をロミオに
知
(
し
)
らせなんだとお
知
(
し
)
りゃったら
嘸
(
さぞ
)
予
(
わし
)
を
怨
(
うら
)
むであらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
然して
墓所
(
はかしょ
)
に行きたる者追々に立帰り、予て設け置きたるタマセと云うものを
跨
(
また
)
ぎ、箕の先より米を取り食い、門口の柱を廻りて内に入るなり。(土佐群書類従豊永郷葬事略記)
本朝変態葬礼史
(新字新仮名)
/
中山太郎
(著)
また正月に
墓所
(
はかしょ
)
に立てて置くタッシャ木という木ぎれを集めて、煮炊きの燃料としたというのを見れば、これは一つの定まった方式であって、単なる遊戯とは言われぬものであった。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
シキへ
抛
(
ほう
)
り込まれるには若過ぎるよ。ここは人間の
屑
(
くず
)
が抛り込まれる所だ。全く人間の
墓所
(
はかしょ
)
だ。生きて
葬
(
ほうぶ
)
られる所だ。一度
踏
(
ふ
)
ん
込
(
ご
)
んだが最後、どんな立派な人間でも、出られっこのない
陥穽
(
おとしあな
)
だ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私も、その頃
阿母
(
おふくろ
)
に別れました。今じゃ
父親
(
おやじ
)
も
居
(
お
)
らんのですが、しかしまあ、
墓所
(
はかしょ
)
を知っているだけでも、あなたより
増
(
まし
)
かも知れん。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と事なく済みましたが、多助は
少
(
ちい
)
さい内から
仲好
(
なかよし
)
の友達のことゆえ、
間
(
ま
)
さえあれば圓次の
墓所
(
はかしょ
)
へまいり、墓掃除をいたし、
香花
(
こうげ
)
を毎日手向けてやって居りました。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
か
)
の山門の横の
墓所
(
はかしょ
)
の前に、お掃除を仕舞われた学校服姿の一郎殿と赤い帯を締めたオモヨさんとが、仲よさそうに並んで
跼
(
かが
)
みながら、両手を合わせて御座るところが見えました。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
姫
(
ひめ
)
をば
假
(
かり
)
の
墓所
(
はかしょ
)
より、
來
(
きた
)
りて
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されよ、とロミオ
方
(
かた
)
へ
申
(
まう
)
し
遣
(
や
)
りしに、
使僧
(
しそう
)
ヂョンと
申
(
まう
)
す
者
(
もの
)
、
不慮
(
ふりょ
)
の
事
(
こと
)
にて
抑留
(
ひきと
)
められ、
夜前
(
やぜん
)
其
(
その
)
書
(
しょ
)
を
持歸
(
もちかへ
)
ってござりまするゆゑ、
目覺
(
めざ
)
めなば
嘸
(
さぞ
)
當惑
(
たうわく
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
遁げると見せかけ八蔵は遠くも走らず取って返し、裏手へ廻って
墓所
(
はかしょ
)
に
入
(
い
)
り、下枝が
臥
(
ふ
)
したる
部室
(
へや
)
の前に、忍んで様子を
窺
(
うかが
)
えり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
青松院
(
せいしょういん
)
の
墓所
(
はかしょ
)
で腹を切ろうとする処へ、墓参りに来たのは、
谷中
(
やなか
)
七面前
(
しちめんまえ
)
の
下總屋惣兵衞
(
しもふさやそうべえ
)
と云う質屋の
主人
(
あるじ
)
で、これを見ると驚いて刄物をもぎとって
何
(
ど
)
う云う次第と聞くと
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
このお
墓所
(
はかしょ
)
が、そのまま、近常さんの、我家の、いつもの細工場になって、それがただ白い細工場で、白い神棚が見えて、白い
細工盤
(
おしぎ
)
が据って、それで、白い塚が
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伯父は、
何
(
なん
)
でも法事供養をよく
為
(
し
)
なければいかないから、墓参りに
往
(
い
)
けよ/\と云うけれども、新吉は
墓所
(
はかしょ
)
へ
行
(
ゆ
)
くのは怖いから、
成
(
なる
)
たけ昼間
往
(
ゆ
)
こうと思って、昼ばかり墓参りに
往
(
ゆ
)
きます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寺の門には、
樹立
(
こだち
)
のもみじに、ほかほか
真赤
(
まっか
)
に日が
射
(
さ
)
したが、
墓所
(
はかしょ
)
は湿って暗い。線香の煙の、
五条
(
いつすじ
)
、むら
生
(
お
)
える枯尾花に
靡
(
なび
)
く時、またぽつりぽつりと小雨が
掛
(
かか
)
ると。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寺は
曹洞宗
(
そうどうしゅう
)
で、
清谷山
(
せいこくざん
)
福泉寺と申して境内は手広でございますが、土地の風習で
何
(
いず
)
れの寺にも境内には
墓所
(
はかしょ
)
を置きませんで、近所の山へ葬りまして、
回向
(
えこう
)
の時は坊さんが其の山へ
出張
(
でば
)
る事ですから
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
山の上の墓地にして、まばらな松がおのずから、
墓所
(
はかしょ
)
々々の
劃
(
しきり
)
になる。……一個所、小高い丘の下に、
蓑
(
みの
)
で伏せて、蓑の乱れたような、草の
蓬
(
おどろ
)
に包んだ、塚ともいおう。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
上端
(
あがりばな
)
に客を
迎顔
(
むかえがお
)
の
爺様
(
じいさま
)
の、トやつた
風采
(
ふうさい
)
は、
建場
(
たてば
)
らしくなく、
墓所
(
はかしょ
)
の
茶店
(
ちゃみせ
)
の
趣
(
おもむき
)
があつた。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
八郎の
菩提寺
(
ぼだいじ
)
の
潜門
(
くぐり
)
を入った、釣鐘堂の横手を、
墓所
(
はかしょ
)
へ入る
破木戸
(
やぶれきど
)
で、生垣の前である。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……で、おも屋に引返したあとを、お町がいう処の、
墓所
(
はかしょ
)
の白張のような提灯を枝にかけて、しばらく待った。その薄い
灯
(
あかり
)
で、今度は、
蕈
(
きのこ
)
が化けた
状
(
さま
)
で、帽子を
仰向
(
あおむ
)
けに
踞
(
しゃが
)
んでいて待つ。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かあかあと、
鴉
(
からす
)
が鳴く。……
墓所
(
はかしょ
)
は日陰である。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“墓所”の意味
《名詞》
墓。墓地。
(出典:Wiktionary)
“墓所(
墓地
)”の解説
墓地(ぼち)は、亡くなった人の遺体や遺骨を埋葬する墓を設けるための区域。墓場(はかば)ともいう。なお、墓をつくるために土地(墓地等)の一部を区画した部分を墓所(ぼしょ)という。
(出典:Wikipedia)
墓
常用漢字
小5
部首:⼟
13画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“墓”で始まる語句
墓
墓地
墓石
墓場
墓参
墓詣
墓穴
墓標
墓原
墓碣