制服せいふく)” の例文
こぶし荒々あら/\しくたゝくと、なかから制服せいふくけた、圓顏まるがほかはづのやうにおほきいをしたモ一人ひとり歩兵ほへいひらかれました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
……かれ金釦きんぼたん制服せいふくだし、此方こつちはかまなしの鳥打とりうちだから、女中ぢよちう一向いつかうかまはなかつたが、いや、なにしても、くつ羊皮ひつじがは上等品じやうとうひんでも自分じぶんはうささうである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なっとう屋のおばあさんが見えなくなったと思うと、このごろでは、きんボタンの制服せいふくをきた少年が、「なっとなっとう」となれないごえをたてて歩いていました。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
出征しゅっせいさいは、○○えきから、徳蔵とくぞうさんは、出発しゅっぱつしたのです。兵隊へいたいさんをせた汽車きしゃとおると、国防婦人こくぼうふじん制服せいふくおんなたちは、線路せんろのそばにならんで、はたりました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、金や銀のぬいはくのある、ぴかぴかの制服せいふくを着て、馬車のうしろのだいにのりました。そうして、そこに、ぺったりへばりついたなり、押しっくらしていました。
「先生。おら河童捕かっぱどりしたもや。河童捕り。」藤原健太郎ふじわらけんたろうだ。黒の制服せいふく雑嚢ざつのうをさげ、ひどくはしゃいでわらっている。どうしていまごろあんな崖の上などに顔を出したのだ。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ゆかの一ヶ所を開けて地下にひそんでいる園丁の一団があったが、それは話のあった捜索隊に違いなかった。室の一隅いちぐうには警視庁の制服せいふく警官が二人ほどキラキラする眼を光らせていた。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かる瀟洒せうしや夜会服やかいふくたのや、裾模様すそもよう盛装せいそうをしたのや、そのなかにはまたタキシイドのわか紳士しんしに、制服せいふくをつけた学生がくせい、それに子供こともたちもすくなくなかつた。軍服姿ぐんぷくすがたもちらほらえた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
この人の紹介せうかい社中しやちうに加はる事になつたのでした、其頃そのころ巌谷いはや独逸協会学校どいつけふくわいがくかうまして、おばうさんの成人せいじんしたやうな少年で、はじめ編輯室へんしうしつに来たのは学校の帰途かへりで、黒羅紗くろらしや制服せいふくを着てました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
制服せいふくけてたので一けん歩兵ほへいふことがわかりましたが、さもなければ、たゞ其顏そのかほだけで判斷はんだんしたなら
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
国防婦人こくぼうふじん制服せいふくひとたちが、ちいさなまるはたって、調子ちょうしわせてうたっていました。戦闘帽せんとうぼうかぶった青年せいねんが、元気げんきいっぱいにおおきなこえで、音頭おんどっていました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、十時四十八分發じふじよんじふはちふんはつには、まだ十分間じつぷんかんある、と見較みくらべると、改札口かいさつぐちには、らんかほで、糸崎行いとざきゆきふだかゝつて、改札かいさつのおかゝりは、はさみふたつばかり制服せいふくむねたゝいて、閑也かんなりましてらるゝ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
突然とつぜん一人ひとり歩兵ほへい制服せいふくけてもりなかからしてました——
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)