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光明
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こうみょう
ふりがな文庫
“
光明
(
こうみょう
)” の例文
氏の表面は一層
沈潜
(
ちんせん
)
しましたが、底に
光明
(
こうみょう
)
を宿して
居
(
い
)
る
為
(
ため
)
か、氏の顔には年と共に温和な、平静な相が
拡
(
ひろ
)
がる様に見うけられます。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
が、それを見ようとして、図らずもその調査項目の前に記されてあった文字が、彼をして
一道
(
いちどう
)
の
光明
(
こうみょう
)
を認めさせたのであった。それは——
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかしてゲーテ
崇拝
(
すうはい
)
の念の増すのは、さきの某文士の
言
(
げん
)
によれば、あるいは
自
(
みずか
)
ら
俗化
(
ぞっか
)
して理想の
光明
(
こうみょう
)
が
追々
(
おいおい
)
に
薄
(
うす
)
らぐの
譏
(
そし
)
りを受けるかも知れぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それからどれ
位
(
くらい
)
経
(
た
)
った
時
(
とき
)
でございましょうか、ある
日
(
ひ
)
俄
(
にわ
)
かに
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まえ
)
に、一
道
(
どう
)
の
光明
(
こうみょう
)
がさながら
洪水
(
こうずい
)
のように、どっと
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せてまいりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
娘は
静
(
しずか
)
に、其の壁に向つて立つと、指をしなやかに
簪
(
かんざし
)
を取つた。照らす
光明
(
こうみょう
)
に
正
(
まさ
)
に
視
(
み
)
る、簪は小さな
斧
(
おの
)
であつた。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
そうしてそれを打ち消せばすぐ激するのです。それから自分の未来に
横
(
よこ
)
たわる
光明
(
こうみょう
)
が、次第に彼の眼を
遠退
(
とおの
)
いて行くようにも思って、いらいらするのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
申
(
もう
)
しますと、
日羅
(
にちら
)
の
体
(
からだ
)
から
光明
(
こうみょう
)
がかっと
射
(
さ
)
しました。そして
太子
(
たいし
)
の
額
(
ひたい
)
からは
白
(
しろ
)
い
光
(
ひかり
)
がきらりと
射
(
さ
)
しました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
この本尊である
薬師如来
(
やくしにょらい
)
は、そもそも
光明
(
こうみょう
)
皇后眼病
平癒
(
へいゆ
)
祈願のためにと、ここの尼僧は説明してくれたと記憶するが、それで特に眼が大きく鋭く作られてあるのかと思う。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
仏教弘通のはじめ、
光明
(
こうみょう
)
皇后が自ら非人の傷を吸われたという伝説の生れた、その愛である。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
なぜかというに僕は昨冬、
火難
(
かなん
)
に
遭
(
あ
)
って以来、全く前途の
光明
(
こうみょう
)
を失っていたからである。
遍路
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その後
天平
(
てんぴょう
)
の
御代
(
みよ
)
となって、
聖武
(
しょうむ
)
天皇が眼病を
患
(
わずら
)
い
給
(
たも
)
うた折、
光明
(
こうみょう
)
皇后がこの寺に御
平癒
(
へいゆ
)
を祈念されたところ、幸にして
恢復
(
かいふく
)
され、
叡感
(
えいかん
)
のあまりその香薬師
如来
(
にょらい
)
を胎内仏として
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
常の世にあっては、
光明
(
こうみょう
)
を求めて進むのを習いとするが、非常の時、火事の時は、必ずや暗い方へ逃げなければなりません。お銀様もそれを知り過ぎたために、逃げ過ぎました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とにかく、この事については、兄自身がすべての責任を負うのが当然だと思います。道江さんもそのつもりで
勇敢
(
ゆうかん
)
に兄にぶっつかってみてください。切に
前途
(
ぜんと
)
の
光明
(
こうみょう
)
を
祈
(
いの
)
ります。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
……といって
閨房
(
けいぼう
)
の
灯
(
あかり
)
らしい
艶媚
(
なまめか
)
しさも、ほのめいていない……夢のように淡い、処女のように人なつかしげな、桃色のマン丸い
光明
(
こうみょう
)
が、
巨大
(
おおき
)
な山脈の
一端
(
はな
)
らしい黒い山影の中腹に
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その輝かしい
光明
(
こうみょう
)
と
紺碧
(
こんぺき
)
の色を、あけひろげた
魂
(
たましい
)
の底まで深く吸い込んだりした。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
武田
(
たけだ
)
一
党
(
とう
)
のまえには、
洋々
(
ようよう
)
としたひろい
光明
(
こうみょう
)
が待っているかと感ぜられる。見よ! もう
大根沢
(
おおねざわ
)
の
渓谷
(
けいこく
)
のあいだから、
莞爾
(
かんじ
)
とした
富士
(
ふじ
)
のかおが、伊那丸の
無事
(
ぶじ
)
をむかえているではないか。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「播磨守殿ともあるべきお人が、それほどのことを御存じないか。そのむかしの
光明
(
こうみょう
)
皇后、
衣通
(
そとおり
)
姫、これらの尊き人びとを、お身は人間にあらずと見らるるか。但しは魔性の者と申さるるか」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ところが晩成先生は、多年の勤苦が
酬
(
むく
)
いられて前途の平坦
光明
(
こうみょう
)
が
望見
(
ぼうけん
)
せらるるようになった気の
弛
(
ゆる
)
みのためか、あるいは少し度の過ぎた勉学のためか何か知らぬが気の毒にも不明の病気に襲われた。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
光明
(
こうみょう
)
と
仮現
(
けげん
)
との中に存在したものは、
悉
(
ことごと
)
く
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
自分より
豪
(
えら
)
いもの自分より高いものを望む如く、現在よりも将来に
光明
(
こうみょう
)
を発見せんとするものである。
教育と文芸
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは
天平
(
てんぴょう
)
十一年冬十月に
光明
(
こうみょう
)
皇后の営まれた
維摩講
(
ゆいまこう
)
においてうたわれたもので、終日
大唐楽
(
だいとうがく
)
や
高麗楽
(
こまがく
)
のような舶来の大管絃楽の演奏される間にまじって、うたわれたのであった。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
声の限りに呼ぶと、二人の姿は見えずして、
光明
(
こうみょう
)
の雲が、あたりいっぱいにかがやく。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あけの明星の
光明
(
こうみょう
)
が、
嶮山
(
けんざん
)
の
髄
(
ずい
)
に
浸透
(
しみとお
)
つて、横に
一幅
(
ひとはば
)
水が光り、縦に
一筋
(
ひとすじ
)
、
紫
(
むらさき
)
に
凝
(
こ
)
りつつ
真紅
(
まっか
)
に燃ゆる、もみぢに添ひたる、
三抱余
(
みかかえあま
)
り見上げるやうな杉の
大木
(
たいぼく
)
の、
梢
(
こずえ
)
近い葉の中から
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
凝視していた
砂利
(
バラス
)
の上に、何の苦もなく突き倒されたように思ったが、その瞬間に彼は真黒な車輪の音も無い廻転と、その間に重なり合って
閃
(
ひら
)
めき飛ぶ赤い
光明
(
こうみょう
)
のダンダラ
縞
(
じま
)
を認めた。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
佐保山
(
さおやま
)
に
鎮
(
しずま
)
る
聖武
(
しょうむ
)
天皇ならびに
光明
(
こうみょう
)
皇后の御陵に参拝したのは昨年の秋であった。いまの奈良市の、郊外と
云
(
い
)
ってもいい、静かな田野のひらけはじめたところに、この有名な丘陵が横たわっている。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
藤皇后
(
とうこうごう
)
(
光明
(
こうみょう
)
皇后)が聖武天皇に奉られた御歌である。皇后は藤原
不比等
(
ふひと
)
の女、神亀元年二月聖武天皇夫人。ついで、天平元年八月皇后とならせたまい、天平宝字四年六月崩御せられた。御年六十。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
光厳
(
こうごん
)
、
光明
(
こうみょう
)
、
崇光
(
すこう
)
の三上皇も、
御幸
(
みゆき
)
していらせられたので、一山には、守護の武士たちや、
公卿
(
くげ
)
たちも、
夥
(
おびただ
)
しい数にのぼり、賊軍の襲来に備える兵馬兵糧の
料
(
しろ
)
はもとよりのこと、永い年月のうちには
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前途に
光明
(
こうみょう
)
は燃えているのだ。元気をだせ諸君
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼は学問なり事業なりについて、これから自分の進んで行くべき前途の
光明
(
こうみょう
)
を再び取り返した心持になったのだろうか。単にそれだけならば、Kと私との利害に何の衝突の起る訳はないのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
またあなたが、
忽
(
たちま
)
ち
光明
(
こうみょう
)
赫燿
(
かくよう
)
として雲にお乗りになるのを
視
(
み
)
たかも知れません。また、もし氏神の、奥境内の、稲荷堂うらの塀の崩れからお出でになったというのが事実だとすると……忽ちこの天井。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
光明
(
こうみょう
)
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“光明”の意味
《名詞》
光明(こうみょう、こうめい)
暗闇を照らす明るい光。
逆境にあるときに見出す希望。
仏・菩薩から発する光。
(出典:Wiktionary)
“光明”の解説
光明(こうみょう)とは、明るい光のこと。対義語は暗黒または無明。
(出典:Wikipedia)
光
常用漢字
小2
部首:⼉
6画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“光明”で始まる語句
光明寺
光明皇后
光明院
光明子
光明遍照
光明優婆塞
光明蔵
光明道
光明峰寺
光明山