以外いがい)” の例文
おとこが、石段いしだん心配しんぱい以外いがいには、なにも自分じぶんたちをしかる理由りゆうがなく、また、自分じぶんたちはしかられるはずがないとおもったからです。
石段に鉄管 (新字新仮名) / 小川未明(著)
現在げんざい欧米おうべい出版界しゅっぱんかいには、った作品さくひん無数むすうあらわれてりますが、本邦ほんぽうでは、翻訳書ほんやくしょ以外いがいにはあまり類例るいれいがありません。
しかもロンドン以外いがいまちにもわが東京とうきよう帝室博物館ていしつはくぶつかんぐらゐのものが無數むすうにあるのは、なんとうらやましいことではありませんか。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
いくらまづくともつまらなくとも、『としのうちに』のほうには、多少たしよう意味いみ以外いがいやすらかな、そしてどもらしい氣持きもちになつておこした氣分きぶんてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
五六年前には、式日しきじつ以外いがい女生のはかまなど滅多に見たこともなかったが、此頃では日々の登校にも海老茶えびちゃが大分えた。小学校に女教員が来て以来の現象である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
秀吉ひでよし家康いえやすをはじめ、加賀かが前田まえだ毛利もうり伊達だて上杉うえすぎ北条ほうじょう長曾我部ちょうそかべ、みなそれぞれ名器めいき武将ぶしょうであるけれど、かれらはじぶんのこうをいそぐ以外いがいに、かみしも
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母親ははおや以外いがいしたしいものをぶにも、「ちゃあちゃん」としかまだなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まっ黒けになってはたらいていた新吉も、今は、ぞう使いの名人、曲馬団のトッテンカンとなって、この大きな曲馬団の人気を一人で背負せおって立つほどの人気ものとなり、見物人の前で芸をする以外いがいには
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
自分じぶんむらも、隣村となりむらも、ならんであのときのままになっていたけれど、しかし、それ以外いがいになにもあたらしくかれてはいませんでした。
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かように目録もくろくやそれ以外いがい書物しよもつ出版しゆつぱんせられて、研究けんきゆう結果けつか發表はつぴようされるようにならなければ、しん博物館はくぶつかん役目やくめたつせられないのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
で、こちらの世界せかいで、なによりも大切たいせつ修行しゅぎょうというのは精神せいしん統一とういつで、精神統一せいしんとういつ以外いがいにはほとんど何物なにものもないといえる。
その習慣しゆうかんが、ひさしくつゞいてて、ごく近代きんだいおよんでゐます。だから偶然ぐうぜんおこつてた、ひとつゞきのうた文句もんくにも、たゞうた表面ひようめん意味いみ以外いがいに、なにかはつた内容ないようがありそうなかんじをつたのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
しかしドイツではベルリン以外いがい都會とかいに、かへってベルリンよりもおほきくて、しかも立派りつぱ博物館はくぶつかんすくなからずあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そらほしと、木立こだちとここにあつまったもの以外いがいに、この舞踏会ぶとうかいっているものがありません。それは、うみなみもこおりそうな、さむい、さむい、よるのできごとでありました。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これをても、一協力きょうりょくする以外いがいに、なかあかるくするみちはないのだよ。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)