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主従
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しゅじゅう
ふりがな文庫
“
主従
(
しゅじゅう
)” の例文
旧字:
主從
甥は何と思って清の自慢を聞いていたか分らぬ。ただ清は
昔風
(
むかしふう
)
の女だから、自分とおれの関係を
封建
(
ほうけん
)
時代の
主従
(
しゅじゅう
)
のように考えていた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其の時分の書生のさまなぞ、今から考えると、幕府の当時と同様、
可笑
(
おか
)
しい程
主従
(
しゅじゅう
)
の差別のついて居た事が、
一挙一動
(
いっきょいちどう
)
思出される。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
よくよく
凝視
(
ぎょうし
)
するとおどろいたことには、それが、たったいま、
刑場
(
けいじょう
)
のなかで首をおとされたはずの
忍剣
(
にんけん
)
、
龍太郎
(
りゅうたろう
)
、
伊那丸
(
いなまる
)
の
主従
(
しゅじゅう
)
三人。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主従
(
しゅじゅう
)
は
何事
(
なにごと
)
がはじまったのかと
思
(
おも
)
って
思
(
おも
)
わず
立
(
た
)
ちかけますと、その
時
(
とき
)
すぐ
前
(
まえ
)
の
草叢
(
くさむら
)
の中で、「こんこん。」と
悲
(
かな
)
しそうに
鳴
(
な
)
く
声
(
こえ
)
が
聞
(
き
)
こえました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
モコウは富士男の家につかわれている
小僧
(
こぞう
)
で、昔ふうにいえば、
主従
(
しゅじゅう
)
の関係である、だが富士男は、モコウをけっして
奴隷的
(
どれいてき
)
に見なしたことはない。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
義務そのものは絶対的であるとしても、個人がこれに対すれば
軽重
(
けいちょう
)
、
本末
(
ほんまつ
)
、
主従
(
しゅじゅう
)
、
大小
(
だいしょう
)
、
遠近
(
えんきん
)
等によりて関係的相違あり、決して絶対的に同等なものでない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ぐっとおこのの
手首
(
てくび
)
をつかんだ
新
(
しん
)
七には、もはや
主従
(
しゅじゅう
)
の
見
(
み
)
さかいもなくなっていたのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
人間
(
にんげん
)
の
世界
(
せかい
)
は、
主従
(
しゅじゅう
)
、
親子
(
おやこ
)
、
夫婦
(
ふうふ
)
、
兄弟
(
きょうだい
)
、
姉妹等
(
しまいなど
)
の
複雑
(
こみい
)
った
関係
(
かんけい
)
で、
色
(
いろ
)
とりどりの
綾模様
(
あやもよう
)
を
織
(
お
)
り
出
(
だ
)
して
居
(
お
)
りますが、
天狗
(
てんぐ
)
の
世界
(
せかい
)
はそれに
引
(
ひ
)
きかえて、どんなにも一
本
(
ぽん
)
調子
(
ちょうし
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
夜道
(
よみち
)
だ。
主従
(
しゅじゅう
)
という
堅
(
かた
)
ッ苦しさもいつの間にか
脱
(
と
)
れて、一同、気やすな心もちだった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ご
機嫌
(
きげん
)
をとるために負けてさしあげるのは主君をあざむくへつらい武士です。
風上
(
かざかみ
)
におけん。しかし、内藤君、君心あれば臣心あり。すべて君臣
主従
(
しゅじゅう
)
貴賤
(
きせん
)
上下
(
しょうか
)
の別をわすれるものは
乱臣
(
らんしん
)
賊
(
ぞく
)
子ですぞ。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
来世
(
らいせ
)
の平安を祈りましょう。
主従
(
しゅじゅう
)
は
三世
(
さんぜ
)
と申します。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
はたして、伊那丸の
主従
(
しゅじゅう
)
は、
捕
(
と
)
らえられもせぬじぶんたちが、きょう
刑場
(
けいじょう
)
で
斬
(
き
)
られるといううわさを聞いて、
奇異
(
きい
)
な感じに
誘惑
(
ゆうわく
)
された。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて
悪右衛門
(
あくうえもん
)
の
主従
(
しゅじゅう
)
は
和尚
(
おしょう
)
さんに
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げて、また
森
(
もり
)
の中にすっかり
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えなくなりますと、
和尚
(
おしょう
)
さんは、その
時
(
とき
)
まで、ぼんやり
夢
(
ゆめ
)
をみたように
座
(
すわ
)
っていた
保名
(
やすな
)
に
向
(
む
)
かって
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
歩き出していた
主従
(
しゅじゅう
)
が、一緒にちょっと振り返ったが、先に立つ老武士の顔を見た喜左衛門は、にわかに
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
して、いきなり女房と鍛冶富の手をぐっととると、声を忍ばせて続けざまに
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
然
(
しか
)
るべく
床几
(
しょうぎ
)
に
腰
(
こし
)
を
降
(
お
)
ろした
主従
(
しゅじゅう
)
三
人
(
にん
)
は、それからそれへと
際限
(
さいげん
)
もなく
水入
(
みずい
)
らずの
昔語
(
むかしがた
)
りに
耽
(
ふけ
)
りましたが、
何
(
なに
)
にしろ
現世
(
げんせ
)
から
幽界
(
ゆうかい
)
へかけての
長
(
なが
)
い
歳月
(
としつき
)
の
間
(
あいだ
)
に、
積
(
つも
)
り
積
(
つも
)
った
話
(
はなし
)
の
種
(
たね
)
でございますから
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
おそらくは、
主従
(
しゅじゅう
)
の軍議もこれが最後のものであろう。軍議というも、守るも死、攻むるも死、ただ、その死に方の
評定
(
ひょうじょう
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わあッ。」とときの
声
(
こえ
)
を
上
(
あ
)
げて、
桃太郎
(
ももたろう
)
の
主従
(
しゅじゅう
)
が、いさましくお
城
(
しろ
)
の中に
攻
(
せ
)
め
込
(
こ
)
んでいきますと、
鬼
(
おに
)
の
大将
(
たいしょう
)
も
大
(
おお
)
ぜいの
家来
(
けらい
)
を
引
(
ひ
)
き
連
(
つ
)
れて、
一人一人
(
ひとりひとり
)
、
太
(
ふと
)
い
鉄
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
をふりまわしながら
桃太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
官兵衛としては幼少からこの与次右衛門にはよく
馴
(
な
)
ついて、
洟
(
はな
)
をかんで貰ったり背に負われたり、ほとんど、
主従
(
しゅじゅう
)
という念すらなく我儘をして来た者なので、いまだに彼のすがたを見ると
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これで
牛若
(
うしわか
)
と
弁慶
(
べんけい
)
は、
主従
(
しゅじゅう
)
のかたい
約束
(
やくそく
)
をいたしました。
牛若と弁慶
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
主従
(
しゅじゅう
)
のあいだがらで、到底、
隔絶
(
かくぜつ
)
しているほどな身分の差はあったが、姫山の若き殿は、馬を打って、飾磨あたりへ来るたびに、必ず自分の家に立寄り、父の与次右衛門を、じいやじいやと慕い
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“主従”の意味
《名詞》
主従(しゅじゅう)
主人と従者。
主たるものと従たるもの。
(出典:Wiktionary)
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
従
常用漢字
小6
部首:⼻
10画
“主”で始まる語句
主
主人
主婦
主家
主水
主翁
主題
主君
主税
主計