高樓たかどの)” の例文
新字:高楼
一寸ちよいと高樓たかどの何處どこだとおもひます……印度インドなかのね、蕃蛇剌馬ばんじやらあまん……船着ふなつき貿易所ぼうえきしよ、——おまへさんが御存ごぞんじだよ、わたしよりか
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
高樓たかどのまでもきて見れば
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ひさしたゞよ羽目はめなびいて、さつみづつる、はゞ二間にけんばかりのむらさきを、高樓たかどのき、欄干らんかんにしぶきをたせてつたもえる、ふぢはななるたきである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
奇觀きくわん妙觀めうくわんいつつべし。で、激流げきりう打込うちこんだ眞黒まつくろくひを、したから突支棒つツかひぼうにした高樓たかどのなぞは、股引もゝひきさかさまに、輕業かるわざ大屋臺おほやたいを、チヨンとかしらせたやうで面白おもしろい。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
は、自分じぶんのと一間ひとまいて高樓たかどの一方いつぱうの、すみ部屋へやきやくがある、其處そこ障子しやうじ電燈でんとうかげさすのみ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
例年れいねんだと、そのすゝきを、高樓たかどの——もちとをかしいが、このいへ二階にかいだからたかいにはちがひない。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しづかにすゝんでれいをするとき牡丹ぼたんはしけたやうに、はななか𢌞まはめぐつて、おくつゞいた高樓たかどの廊下らうかづたひに、黒女くろめこしもと前後あとさきに三にんいて、淺緑あさみどりきぬおなをした……おもて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふぢはなむらさきは、眞晝まひる色香いろかおぼろにして、白日はくじつゆめまみゆる麗人れいじん面影おもかげあり。憧憬あこがれつゝもあふぐものに、きみかよふらむ、高樓たかどのわた廻廊くわいらうは、燃立もえた躑躅つゝじそらかゝりて、宛然さながらにじへるがごとし。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちやうど、まだあかしれたばかりの暮方くれがたでね、……高樓たかどのから瞰下みおろされる港口みなとぐち町通まちどほりには、燒酎賣せうちううりだの、雜貨屋ざつくわやだの、油賣あぶらうりだの、肉屋にくやだのが、みな黒人くろんぼ荷車にぐるまかせて、……商人あきんどは、各自てん/″\
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)