“贏:か” の例文
“贏:か”を含む作品の著者(上位)作品数
岡本かの子5
中里介山5
森鴎外5
牧野富太郎4
喜田貞吉3
“贏:か”を含む作品のジャンル比率
自然科学 > 植物学 > 植物学16.7%
社会科学 > 社会 > 社会学9.1%
文学 > フランス文学 > 小説 物語5.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
表であって、読みつくし、味わいつくしたと信じて投げ出して置いた書物から、新たに多大なる半面の内容をち得たということは
この話をしてから、花房は病人をちょいちょい見るようになったのであった。そして翁の満足をち得ることも折々あった。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その勇気と忠実と親切とは、当然教区民の絶大の敬慕をち得たが、健康が許さないので、一八六八年他の教区に転任した。
それ以来今日まで引続いて広く読まれていると共に、また文学史上においても確乎たる古典的地位をち得ているのである。
宝島:01 序 (新字新仮名) / 佐々木直次郎(著)
翁の新しい詩集「そよぐ麦」には以前の詩集「触手しよくしゆある都会」と反対に作者自身の郊外生活からち得た題目が多い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
お馨さんは、ブルックリン病院の生徒となって以来、忠実に職分を尽して、校長はじめ先輩、同僚、患者、すべての人の信愛をち得た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何だか自分には不世出の天才を俟たなくてもノーベル賞をち得られるということを示されたような気がするのである。
リチャードソン (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
私のこの健康をち得ましたのは、前にもいったように全く植物の御蔭で、採集に行くために運動が足ったせいです。
ついで三十一年にはそれが東大工科大学紀要となり、同君はこれに依って工学博士の学位をち得られたのである。
法隆寺再建非再建論の回顧 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
それではいくら佳句かく好詩こうしができたにしても、る当人の愉快はただ二三同好どうこうの評判だけで、その評判を差し引くと
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
国太郎はまたどうかしてこの教育ある令嬢出のおかみさんの尊敬をち得るような夫になろうと苦心した。
とと屋禅譚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
揚州十年の痴夢ちむより一覚する時、ち得るものは青楼せいろう薄倖の名より他には何物もない。
梅雨晴 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
明治維新のおり赤忠をもってち得た一切の栄誉は、すべてみなむなしくされたものとなった。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
その人のためには己の死が偶然の出来事では無くて、一の願はしい、殊更にち得た恩恵である。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
愛は徹頭徹尾自己の生に執着する心ですが、利己主義の愛から始まって宇宙を包容する愛にまで拡大されねば愛自身の満足をち得ないものだと考えています。
婦人改造と高等教育 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
臥薪ぐわしん十年の後、はなはだ高価なる同胞の資財と生血とを投じてち得たる光栄の戦信に接しては、誰か満腔の誠意を以て歓呼の声を揚げざらむ。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一見この何の罪もなさそうな仕草によって、彼は旅館の給仕から多大の尊敬をち得たものだ。
女はその瞳の一つだもち得たなら自分はどんなに幸福だろうと考えないわけにはゆかない。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
荘田は、うかして、瑠璃子の微笑と歓心とをちえようと、懸命になって話しかけた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それは先ずファウストと云うものはえらい物だと聞いてわけも分からずに集まる衆愚を欺いて、協会が大入をち得たのは、尾籠びろうの振舞だと云うのである。
訳本ファウストについて (新字新仮名) / 森鴎外(著)
へて江都王に譲らざるの夜郎をち得たることにのみ御一笑下され度候——(後略)
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
長命ながいきは時々賭につものだ。無理もない。天海は百八歳も生き延びたのだから。
荘田は、何うかして、瑠璃子の微笑と歓心とをちえようと、懸命になつて話しかけた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ここにおいてかぐや姫は、現実の人間界において現実の人を動かしながらしかも現実の人の手にはち得られないものとして、すなわち理想として立てられたことになる。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
さうだ、それにちがひない、それは昨夜のくるしみによつてち得た朝であるから……でなければ、それは單に雪のあしたの眺に過ぎないであらう……私は奇蹟を見たのだ。
輝ける朝 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
そして不思議な偶然の機会から殆ど命掛けの勇気を出して恋愛の自由をち得たと同時に、久しく私の個性を監禁していた旧式な家庭のおりからも脱することが出来た。
鏡心灯語 抄 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
空な物が膽力どころではない、これから何物をもることは出來ないのだ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
球ありて此卓上を走り、その留まる處の色は、賭者をして倍價の銀をち得しむ。
それは一つの隷属を[#「贏」は底本では「※」]ち得んとする企図であった。
曰く、我は汝と賭してちたり、されどまことに贏ちしは我に非ざりきと。
若しうまく行ったら、君は自らち得た報酬で宿屋の勘定をするが好い。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この場合にも時雄は芳子の感謝の情を十分にち得るようにつとめた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
彼は実に天佑てんゆうによって勝ち得べからざる勝をったのである。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
己が晩年にち得た、これ程の楽しい月日は、総て是れ御身の賜ものだ。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
そして最近数年の間にその文明国民たる知識につて一等国の中に重大な一地位をち得た国民の住まつて居るその国に一度遊びたいと云ふ事が私の希望であつたのです。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
弱點はあるが、同じく弱點のある王張二氏の所説に伍して、或は鼎足の位置を保ち得るか或は僥倖にして優勝の位置をち得るかと、試に茲に發表して、學界の批正を仰ぎたいと思ふ。
それほどまでにして彼は尊敬なるものをち得たかったのであろうか。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
武器などなしに沈默の征服がち得たであらうことを私は知つてゐた。
なるほど以上二種の活力の猛烈な奮闘で開化はち得たに相違ない。
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大いなる功績はかくの如くにして始てち得らるるものである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
然るに、幸にも『深川の唄』といい『すみだ川』というが如き小作を公にするに及んで、たちまち江戸趣味の鼓吹者と目せられ、以後二十余年の今日に至ってなお虚名をち得ている。
正宗谷崎両氏の批評に答う (新字新仮名) / 永井荷風(著)
然れどもさいわいなるかな、わが西洋崇拝の詩作はことごとく日本文となりて日本の文壇に出づるや、当時文壇の風潮と合致する処ありければたちまち虚名をち得たりき。
矢立のちび筆 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
この公認をち得るまでには、蘭法医は社会において奮闘した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
(もつて二十をち得んや) はじめの駑馬うまをやらふもの
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
けれども、彼が一旬日ほど以前、セントアレキセイ寺院のジナイーダの室においてち得たところの成功が、はたして今回も、繰り返されるであろうかどうか——それがすこぶる危ぶまれた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
見よ見よ、期年ならずして、のろまの名が京阪を圧倒し、その名によって営む商売が、一つとして成功せざるは無く、富と名とを一時にち得て、一代を羨望せしむるは遠い将来のことではないぞ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
凡そ生活でも、自由でも、日々これをち得て、11575
何ぜなら、コルシカの平民ナポレオンが、オーストリアの皇女ハプスブルグのかくも若く美しき娘を持ち得たことは、彼がヨーロッパ三百万の兵士を殺してち得た彼の版図の強大な力であったから。
ナポレオンと田虫 (新字新仮名) / 横光利一(著)
貴様が占有するには、更にそれをち得んではならん。
否、某伯爵家の如きは、その祖先が謀反人であったということを意識したがために、そのつぐないとして維新の際特に王事につくし、小藩ながら伯爵をちえたのだとの説をも聞いております。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
同学の諸士は私よりは年下だのに早くも死んだ人が少なくないに拘わらず、われは尚心身矍鑠かくしゃくたる幸福をち得ているからこの達者なうちに一心不乱働かねば相済まぬことと確信している。
二た月後に迫った晴れの御前試合に、首尾よく五貫目玉五十丁撃に成功すれば、井上家は元の一千石に取立てられ、次第によっては、幕府の大筒を預って、御持筒頭の栄位をち獲ないものとも限りません。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
かれ毎年まいねんふゆからまだ草木さうもくさぬはるまでのうち彼等かれらにしてはおどろくべき巨額きよがくの四五十ゑんるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
こんな重大な世界的の発見をしたのだから、普通なら無論平瀬氏は易々と博士号ももらえる資格があるといってもよいのであったが、世事魔多く底には底であって、不幸にもその栄冠をち得なかったばかりでなく
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
その結果遂に無上の健康をち得たのです。
十年奮鬪して何物をもち得なかつた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
十年奮闘して何物をもち得なかつた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
ちえたところは物びている。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くらゐをつひにたり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
小田島は聞いて居るうちにそれはイベットのあのあでやかな美貌と時には職業上の政略として用いる例の彼女の可愛いいふてぶてしい技巧でち得た男達であろうと思っては見たが、今の彼にとって余り宜い気持ちは仕無かった。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もし私をして忌憚なく言わしめるなら、父祖のお蔭で自分の実力以上に、社会的に栄誉の地位を得ているものよりも、もと賤しい家から出て、自分の努力によってその栄誉をちえたものの方が、いくら尊いかわからないのであります。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
わが世ちにき。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
あらゆるものと遊び、あらゆる人間をけがきたって、倦怠と、自暴やけとのほかには、何物もち得ていないすさみ切った自分の興味を、今度は、子供たちをおもちゃにすることによって、補おうとする転換に過ぎますまい。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
のみならず、外国人のフランス文学研究としては出色である事は言う迄もないが、エレディヤ研究に関するドキュマンとしても第一位に推さる可きものと認められて、試問教授並に陪審教授から名誉ある賞賛をち得たという事も併せて知った。
二人のセルヴィヤ人 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
しかもかくまでしてようやくち得たる愛を一年も経ぬ間に世にも惨めに失い、加うるにそのために一生の運命に決定的契機を与えるほどの大きな犠牲を払ったことを思えば思うほど、自分の運命がいたましく、自分の無知が悔いられ、いまいましく
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
この輩のごときは、かかる多事紛雑たじふんざつの際に何か仕事しごとしてあたかも一杯の酒をればみずからこれを愉快ゆかいとするものにして、ただ当人銘々めいめい好事心こうずしんより出でたるに過ぎず。
そんな途方もないところまで運ばなくてもと、物笑いになるほどの心配がかえって賢明に、安全をち得るということはよく経験するところです——お雪ちゃんは歩むともなく、その置きっぱなしにされた白い、長い箱の傍に寄って見ると、果して長持ではない。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
但し、石川氏は牙彫であったため、時流に投じ、早く出世をして、世の中へ出て名人の名をち得たので、既に明治十三年の竜池会が出来た時分、間もなくその会員となって、山高、山本、岸などいう諸先生と知り合い、美術のことを研究していられたのであった。
「筑摩軍記」は桔梗の方と河内介とが「密通」したことを暗にふうして、恋愛から陰謀が成立したように匂わせているけれども、武州公は色仕掛いろじかけで婦人の信頼をち得るようながらでもないし、そんな色魔的手腕があったろうとも思われない。
やがてのことに肥った男は神と国家への奉公を終え、世間的な尊敬をち得て目出たく職を退くと、田舎へひっこんで地主になる——つまり、押しも押されもせぬロシアの旦那衆として納まり、お客好きの地主となって、後生ごしょう安楽に余生を送ることになる。
自分で自分の中の女なるものに向って換骨かんこつ(ママ)たいの手術を施して、もはや自分の理想通りのもの、弱からず、恥かしめられず、強健な精神肉体をち得たつもりでいた私、人格転換の外科医を以って自任していたその私にも見落しがありました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
——俳優が最も普通なる感情に対して、或一つの恰好な表現法を発見し、この方法によつて成功をち得る時、彼は時宜じぎに適すると適せざるとを問はず、一面にはそれが楽である所から、又一面には、それによつて成功する所から、ややもすればこの手段に赴かんとする。
手巾 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
旧華族の中には自ら高く止まって、新華族と伍するのを快しとせぬものがあるかもしれぬが、それはむしろ彼らのやせ我慢で、偶然、貴族の家に生れ合わしたという幸運と、自己の奮励努力によってち得た爵位と、その価値いずれにあるかは、識者を俟たずして明らかなところである。
お玉は最初主人大事に奉公をする女であったのが、急劇な身の上の変化のために、煩悶はんもんして見たり省察せいさつして見たりした挙句、横着と云ってもいような自覚に到達して、世間の女が多くの男に触れたのちわずかにち得る冷静な心と同じような心になった。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかるに何ぞ料らん本羊歯は遠い前に既に博物局員によって紀州の地で発見せられかつ命名せられていたのであったとは、この羊歯についての重要な文献を見落していた矢田部氏はこの事実を知る由もなかった結果、独り僥倖をしたのは大久保氏であって同氏は我が姓の不朽をち得たのである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
時に竹内柳右衛門というこおり奉行があって、大いにその撲滅に苦心し、種々工夫の末、新令を発して、全く賭博の禁を解き、ただ負けた者から訴え出た時には、相手方を呼出して対審の上、賭博をなした証迹明白な場合には、被告より原告に対してち得た金銭を残らず返戻させるという掟にした。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
人の女を寝取ることにかけては常習犯の彼なのであるが、あの傷々いた/\しい、骸骨がいこつのようにせた老翁が、たま/\若い美しい妻をち得て、後生大事にその人にかしずき、それに満足しきっているらしい様子を見ては、柄にもなく憐愍れんびんの情に似たものを感じていた訳であった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それは一つには私がひどくませてゐて、まだ学校へ入らぬ前から読本とくほんなぞも自由に読め、つ同年位の子の無智を軽蔑したがる癖があつたのと、一つには父が土地の小学の校長をしてゐた為めに、到る所で私は『校長の子』といふハンディキャップの下に、特別に仲間入りをさせて呉れる尊敬を彼等の間にち得たからであつた。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
とかく、吾人われわれは、いくらか名前を知られ、人の尊敬をるようになると、たちまちもうらくなったような気がして、心がゆるみ、折角せっかく青年時代に守り本尊としていた理想を、敝履へいりの如く棄て去るのが多いものであるが、独りソクラテスに限っては、こういう不始末が毫末ごうまつもなかった。
ソクラテス (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
もとより歌ったり踊ったりは、こちらのガラじゃありませんが、もっともガラで歌ったり踊ったりするわけじゃない、過ぐる夏には、とてもすごい体格をした所謂いわゆるイヤなおばさんなるものが存在して、すごい体格は体格ながら、肉声ははなはだ美にして、よく音頭取りをつとめ、白骨温泉の女王の地位をち得ていたというくらいですから、ガラが違っても歌えない、踊れないという限りはないが、拙者なんぞは無茶です。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)