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西山
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せいざん
ふりがな文庫
“
西山
(
せいざん
)” の例文
身こそ
西山
(
せいざん
)
に
退
(
しりぞ
)
いて、藩政の一切を、嫡子の
綱条
(
つなえだ
)
や重臣たちに委しているが、決して、その自覚からのがれているわけではなかった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
非常
(
ひじやう
)
に
甘味
(
うま
)
い
菓子
(
くわし
)
に
舌皷
(
したつゞみ
)
打
(
う
)
ちつゝ、
稍
(
や
)
や十五
分
(
ふん
)
も
※
(
すぎ
)
たと
思
(
おも
)
ふ
頃
(
ころ
)
、
時計
(
とけい
)
は
午後
(
ごご
)
の
六時
(
ろくじ
)
を
報
(
ほう
)
じて、
日永
(
ひなが
)
の五
月
(
ぐわつ
)
の
空
(
そら
)
も、
夕陽
(
ゆふひ
)
西山
(
せいざん
)
に
舂
(
うすつ
)
くやうになつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
が
烈
(
はげ
)
しい
程
(
ほど
)
拂曉
(
ふつげう
)
の
霜
(
しも
)
が
白
(
しろ
)
く、
其
(
そ
)
れが
白
(
しろ
)
い
程
(
ほど
)
亂
(
みだ
)
れて
飛
(
と
)
ぶ
鴉
(
からす
)
の
如
(
ごと
)
き
簇雲
(
むらくも
)
を
遠
(
とほ
)
い
西山
(
せいざん
)
の
頂巓
(
いたゞき
)
に
伴
(
ともな
)
うて
疾風
(
しつぷう
)
は
驅
(
かけ
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
是
(
かく
)
の如きの人にして、
帝
(
みかど
)
となりて位を保つを得ず、天に帰して
諡
(
おくりな
)
を
得
(
う
)
る
能
(
あた
)
わず、
廟
(
びょう
)
無く陵無く、
西山
(
せいざん
)
の
一抔土
(
いっぽうど
)
、
封
(
ほう
)
せず
樹
(
じゅ
)
せずして終るに至る。
嗚呼
(
ああ
)
又奇なるかな。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
胸突
(
むねつき
)
を過ぎし頃
日
(
ひ
)
は既に
西山
(
せいざん
)
に傾きしかば寒気一層甚しく、性来
壮健
(
そうけん
)
なりとはいえ、従来身心を労し、特に病体を氷点下二十余度に及べる寒風の中に
曝
(
さら
)
せしことなれば
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
▼ もっと見る
日も
西山
(
せいざん
)
にかたむき、折ふししよぼ/\雨のふるをいとはず、
夜
(
よ
)
歩きをたのしみにうでこきする男、
曾我宮
(
そがのみや
)
へ
日参
(
ひまゐり
)
。
此所
(
ここ
)
を通りけるに、池の中より『もしもし』と呼びかくる。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と
急
(
せ
)
き立てられ、急ぎ本堂へ直りますると、かれこれ坊主の四五十人も
押並
(
おしなら
)
び、いと
懇
(
ねんごろ
)
なる法事供養をいたし、
施餓鬼
(
せがき
)
をいたしまする内に、もはや日は
西山
(
せいざん
)
に傾く事になりましたゆえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
止めて
歩行
(
あるきゆき
)
けれども更に似た人もなく早日も
西山
(
せいざん
)
に
傾
(
かたむ
)
きしかばいざ
旅宿
(
りよしゆく
)
へ
歸
(
かへ
)
らんとて三圍の下より渡し船に
乘
(
のり
)
川中迄
(
かはなかまで
)
漕出
(
こぎだ
)
したる時向うより數人
乘合
(
のりあひ
)
し渡し船來り
行違
(
ゆきちが
)
ひさま其の船の中を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
肱
(
ひぢ
)
を曲げて一睡を
貪
(
むさ
)
ぼると思ふ
間
(
ま
)
に、夕陽
已
(
すで
)
に
西山
(
せいざん
)
に傾むきたれば、
晩蝉
(
ばんせん
)
の声に別れてこの桃源を出で、元の山路に
拠
(
よ
)
らで他の
草径
(
くさみち
)
をたどり、我幻境にかへりけり、この時弦月漸く明らかに
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
思ひ胸に迫りて、
吁々
(
あゝ
)
と
吐
(
は
)
く
太息
(
といき
)
に覺えず我れに
還
(
かへ
)
りて
首
(
かうべ
)
を
擧
(
あ
)
ぐれば日は
半
(
なかば
)
西山
(
せいざん
)
に入りて、峰の松影色黒み、
落葉
(
おちば
)
を
誘
(
さそ
)
ふ谷の嵐、夕ぐれ寒く身に
浸
(
し
)
みて、ばら/\と顏打つものは露か
時雨
(
しぐれ
)
か。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
彼
(
かの
)
(三五)
西山
(
せいざん
)
に
登
(
のぼ
)
り、
其薇
(
そのび
)
を
采
(
と
)
る。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
今こそ時は
西山
(
せいざん
)
に入日傾く夕まぐれ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
山中の闇をさまよいながら、しきりと苦慮してみたが、麓へ降りれば、すべて呉の陣に満ちているし、仰げば峨々たる
西山
(
せいざん
)
の
嶮峰
(
けんぽう
)
のみである。折角、小舎は出てきたものの
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
も
拂曉
(
あけがた
)
から
空
(
そら
)
が
餘
(
あま
)
りにからりとして
鈍
(
にぶ
)
い
軟
(
やはら
)
かな
光
(
ひかり
)
を
有
(
も
)
たなかつた。
毎日
(
まいにち
)
吹
(
ふ
)
き
捲
(
ま
)
くる
疾風
(
しつぷう
)
が
其
(
そ
)
の
遠
(
とほ
)
い
西山
(
せいざん
)
の
氷雪
(
ひようせつ
)
を
含
(
ふく
)
んで
微細
(
びさい
)
に
地上
(
ちじやう
)
を
掩
(
おほ
)
うて
撒布
(
さんぷ
)
したかと
思
(
おも
)
ふやうに
霜
(
しも
)
が
白
(
しろ
)
く
凝
(
こ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
西山
(
せいざん
)
に
沈
(
しづみ
)
しかば
惡漢
(
わるもの
)
共兩人
前後
(
あとさき
)
より引
挾
(
はさ
)
み御旅人
酒代
(
さかて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
時
(
とき
)
は
午後
(
ごゞ
)
の
六時
(
ろくじ
)
間近
(
まぢか
)
で、
夕陽
(
ゆふひ
)
は
西山
(
せいざん
)
に
臼
(
うすつ
)
いて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今こそ時は
西山
(
せいざん
)
に入日傾く夕まぐれ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
聖にして有り
西山
(
せいざん
)
の
饑
(
うえ
)
。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
西山
(
せいざん
)
へ隠居すると、
莚
(
むしろ
)
の下のもやしが陽の目をみたように、にわかに
萌芽
(
ほうが
)
をそだて出して、わが世の春と、事々に、その一派の
擡頭
(
たいとう
)
と、闇のうごきが、目立ってきたのもぜひなかった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのあいだ、この辺につないでおくのも足手まとい。誰かある! こやつを
西山
(
せいざん
)
の山小舎へでもほうりこんでおけ。曹操を破って後、鞭の百打を喰らわせて、江北へ追っ放してくれるから
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
西山
(
せいざん
)
から
白坂
(
しらさか
)
へかけては梅の樹が多い。いちめん梅の名所だった。老公は梅がすきなので隠棲の地をここに選んだのであった。——その梅の林を出て梅のなかへ老公のすがたは小さくなってゆく。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西
常用漢字
小2
部首:⾑
6画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“西山”で始まる語句
西山荘
西山先生
西山公
西山真
西山宗因
西山梨在
西山省吾氏
西山日没東山昏